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魔王復活
第67話
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魔王が腕を挙げた瞬間に、じじいはいっきに詰め寄りライト斬りで斬り付けた。魔王は隙を突かれ、対応できずに食らう。
魔王「ぐおっ!?」
じじい「まだまだ!」
じじいはそのまま奥義を繰り出した。
じじい「奥義・光の一撃!」
ズシャアッ!
確かな手応えがあった。奥義の一撃は魔王の身体を深く切り裂いた。更に運が悪い事に、魔王ビームがじじいの居る場所…つまりじじいと魔王を撃ち抜く。
ドゴオォォォン!
聖剣に魔力を込めてガードするが、あまりの勢いに飲み込まれ吹っ飛ぶ。今回は手足が無くなってはいないが、かなりのダメージを受けてしまう。
魔王は…
魔王「ぐ、ぐおおお…」
魔王は上げていた腕が消滅しており、膝を着く。奇しくも魔王の奥義を受けた二人は、互いに動けない程に消耗していた。
魔王「こ、こんな事が…」
魔王はゆっくりと立ち上がり、詠唱を始めた。
じじい「な、何をする気だ。」
じじいはまだ動けずにいる。MPが尽き、光の風の力も消えてしまった。
魔王「こんな所で死ぬわけにはいかぬ。勇者よ、今回は負けを認めてやろう。」
じじい「え…?」
魔王「しかし私が、復活したばかりで半分の力しか出せていなかった事を忘れるな。次はこうはいかぬぞ。」
じじい「まさか、逃げるのか。」
魔王はテレポートを唱えた。空間を移動する魔法だが、生物が発動するのは初めて見た。機械や装置を利用しての近距離の簡易テレポートしか見た事は無い。
魔王「暫くはこの傷を癒させて貰う。お前を殺し、この世界を征服するのはそれからだ。」
魔王は光に包まれたかと思うと、一瞬で消え去った。
じじい「逃げやがった…いや、助かったのか。」
実際、このまま戦いが続いていても勝てなかった。全てを使い果たし、未だに動く事が出来なかったのだ。
ニャン太がヨロヨロとこっちに来た。
ニャン太「じじい、無事か?」
じじい「ああ…何とか生きてるぜ。」
ニャン太は薬草を使用した。お陰で何とか動ける程度にはなる。
じじい「ふう…今回ばかりはダメだと思った。魔王が力を出し切れていない状態で良かった。」
ニャン太「そうだな。本当に復活したばかりだったからな。」
じじい「あれで半分の力なんだってよ。全盛期の俺は本当にアイツに勝ったのか?」
ニャン太「まあ、勝ったけど。今日の感じだと、前回は魔王が全力を出す前に一気に倒し切った感じなのかもな。」
じじいを包んでいた謎の光が消えて行った。
じじい「この光は何だったんだろう。これがあったから相打ちにまで持って行けた。」
ニャン太「この気は…光の精霊様かもしれない。」
じじい「光の精霊様?加護を受けているお陰なのかな。」
ニャン太「分からない。」
兎にも角にも、今日は生き延びた。結果、魔王は倒せなかった。何時かは分からないが、奴は再びじじいと対峙するだろう。今度は全力の姿で。
ニャン太「帰るか。」
じじい「…ああ。」
全国大会の疲れも癒し切れていない状態。とにかく家でゆっくりしたかった。
魔王「ぐおっ!?」
じじい「まだまだ!」
じじいはそのまま奥義を繰り出した。
じじい「奥義・光の一撃!」
ズシャアッ!
確かな手応えがあった。奥義の一撃は魔王の身体を深く切り裂いた。更に運が悪い事に、魔王ビームがじじいの居る場所…つまりじじいと魔王を撃ち抜く。
ドゴオォォォン!
聖剣に魔力を込めてガードするが、あまりの勢いに飲み込まれ吹っ飛ぶ。今回は手足が無くなってはいないが、かなりのダメージを受けてしまう。
魔王は…
魔王「ぐ、ぐおおお…」
魔王は上げていた腕が消滅しており、膝を着く。奇しくも魔王の奥義を受けた二人は、互いに動けない程に消耗していた。
魔王「こ、こんな事が…」
魔王はゆっくりと立ち上がり、詠唱を始めた。
じじい「な、何をする気だ。」
じじいはまだ動けずにいる。MPが尽き、光の風の力も消えてしまった。
魔王「こんな所で死ぬわけにはいかぬ。勇者よ、今回は負けを認めてやろう。」
じじい「え…?」
魔王「しかし私が、復活したばかりで半分の力しか出せていなかった事を忘れるな。次はこうはいかぬぞ。」
じじい「まさか、逃げるのか。」
魔王はテレポートを唱えた。空間を移動する魔法だが、生物が発動するのは初めて見た。機械や装置を利用しての近距離の簡易テレポートしか見た事は無い。
魔王「暫くはこの傷を癒させて貰う。お前を殺し、この世界を征服するのはそれからだ。」
魔王は光に包まれたかと思うと、一瞬で消え去った。
じじい「逃げやがった…いや、助かったのか。」
実際、このまま戦いが続いていても勝てなかった。全てを使い果たし、未だに動く事が出来なかったのだ。
ニャン太がヨロヨロとこっちに来た。
ニャン太「じじい、無事か?」
じじい「ああ…何とか生きてるぜ。」
ニャン太は薬草を使用した。お陰で何とか動ける程度にはなる。
じじい「ふう…今回ばかりはダメだと思った。魔王が力を出し切れていない状態で良かった。」
ニャン太「そうだな。本当に復活したばかりだったからな。」
じじい「あれで半分の力なんだってよ。全盛期の俺は本当にアイツに勝ったのか?」
ニャン太「まあ、勝ったけど。今日の感じだと、前回は魔王が全力を出す前に一気に倒し切った感じなのかもな。」
じじいを包んでいた謎の光が消えて行った。
じじい「この光は何だったんだろう。これがあったから相打ちにまで持って行けた。」
ニャン太「この気は…光の精霊様かもしれない。」
じじい「光の精霊様?加護を受けているお陰なのかな。」
ニャン太「分からない。」
兎にも角にも、今日は生き延びた。結果、魔王は倒せなかった。何時かは分からないが、奴は再びじじいと対峙するだろう。今度は全力の姿で。
ニャン太「帰るか。」
じじい「…ああ。」
全国大会の疲れも癒し切れていない状態。とにかく家でゆっくりしたかった。
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