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牛の襲来
第38話
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ドーンの持ってきた肉や野菜を焼いて食べる。少しの酒も飲み、色々喋った。人間と焼肉をして宴会するなんて、何時ぶりだろう。
じじい「だから最近はニャン太と手合わせしてるんだ。」
ニャン太「単純な格闘なら全然出来るからな。」
じじい「デスやデスハーピーみたいな魔法を駆使してくるようなヤツは、何か苦手なんだよな。俺が魔法自体そこまで得意って訳じゃないけどな。」
ニャン太「でさ、ドーン。出来る範囲で良いから、修行を手伝ってくれないか?」
ドーン「私がですか?」
ニャン太「魔法が得意で俺たちの事情も知ってるヤツ、他に居ないんだ。」
じじい「そうだな。ドーンが手伝ってくれるなら助かる。」
ドーン「…分かりました。世界を救う事にも繋がりますしね。私で良ければお手伝いさせて貰います。」
ニャン太「サンキューな。ほれ、どんどん食え。」
じじい「いやそれ、ドーンが持ってきたやつ…」
次の日からドーンも住み込みで手伝ってくれた。森で力の実集め、ニャン太とのスパー、ドーンとのスパー。そうこうしている間に二週間が過ぎた。
ドーン「レイスさんが勇者だと確信したからこそ言います。」
じじい「え、どうした?」
ドーン「私が大会に出場した目的です。」
ニャン太「ん?力試しじゃないのか?」
ドーン「違います。実は私は国に抱えられてる宮廷魔導師なんです。」
じじい「国の魔導師?」
ドーン「今世界で、とあるクスリが流行っているのを知っていますか?」
じじい「いや、知らないな。こんな生活をしていると、どうしても世間の事に疎くなってな。」
ニャン太「どんなクスリなんだ?」
ドーン「新種の麻薬なのですが、それを服用していると精神が集中されてすごく強くなります。」
じじい「そんな夢のような薬が!」
ニャン太「クスリ、ダメ、ゼッタイ。」
ドーン「違う地区大会に参加していた選手が、そのクスリを服用しているのでは無いかと疑われています。」
じじい「そうなのか。」
ドーン「そのクスリは今の所、検査してもいまいち判明しないのです。でも副作用があり、段々と身体を蝕んでしまうのです。」
ニャン太「ほうほう…で、何で大会に参加を?」
ドーン「検査してもダメなので、クスリを服用するところを現行で捕まえなければならないのです。でもそいつの出た大会はもう終了してしまっていたので。」
じじい「だからこっちの大会に出たのか。優勝して次の全国大会でそいつと一緒になる為に。」
ドーン「ええ。もちろん国の要請で全国大会から出場する事も可能だったんですけどね。あいつは用心深い奴なので、順番に大会に出ていく冪だと思いまして。」
ニャン太「確かに他の大会を見ていたら、知らないやつがいきなり全国大会に来たら不審に思うだろうな。」
じじい「分かった。じゃあ俺がそいつを倒してやるよ。せめて追い詰めたらクスリを使うかもしれないし。」
ドーン「ありがとうございます。」
ニャン太「そいつの名前は?」
ドーン「魔法剣士、ケーオ・ブケーです。」
じじい「だから最近はニャン太と手合わせしてるんだ。」
ニャン太「単純な格闘なら全然出来るからな。」
じじい「デスやデスハーピーみたいな魔法を駆使してくるようなヤツは、何か苦手なんだよな。俺が魔法自体そこまで得意って訳じゃないけどな。」
ニャン太「でさ、ドーン。出来る範囲で良いから、修行を手伝ってくれないか?」
ドーン「私がですか?」
ニャン太「魔法が得意で俺たちの事情も知ってるヤツ、他に居ないんだ。」
じじい「そうだな。ドーンが手伝ってくれるなら助かる。」
ドーン「…分かりました。世界を救う事にも繋がりますしね。私で良ければお手伝いさせて貰います。」
ニャン太「サンキューな。ほれ、どんどん食え。」
じじい「いやそれ、ドーンが持ってきたやつ…」
次の日からドーンも住み込みで手伝ってくれた。森で力の実集め、ニャン太とのスパー、ドーンとのスパー。そうこうしている間に二週間が過ぎた。
ドーン「レイスさんが勇者だと確信したからこそ言います。」
じじい「え、どうした?」
ドーン「私が大会に出場した目的です。」
ニャン太「ん?力試しじゃないのか?」
ドーン「違います。実は私は国に抱えられてる宮廷魔導師なんです。」
じじい「国の魔導師?」
ドーン「今世界で、とあるクスリが流行っているのを知っていますか?」
じじい「いや、知らないな。こんな生活をしていると、どうしても世間の事に疎くなってな。」
ニャン太「どんなクスリなんだ?」
ドーン「新種の麻薬なのですが、それを服用していると精神が集中されてすごく強くなります。」
じじい「そんな夢のような薬が!」
ニャン太「クスリ、ダメ、ゼッタイ。」
ドーン「違う地区大会に参加していた選手が、そのクスリを服用しているのでは無いかと疑われています。」
じじい「そうなのか。」
ドーン「そのクスリは今の所、検査してもいまいち判明しないのです。でも副作用があり、段々と身体を蝕んでしまうのです。」
ニャン太「ほうほう…で、何で大会に参加を?」
ドーン「検査してもダメなので、クスリを服用するところを現行で捕まえなければならないのです。でもそいつの出た大会はもう終了してしまっていたので。」
じじい「だからこっちの大会に出たのか。優勝して次の全国大会でそいつと一緒になる為に。」
ドーン「ええ。もちろん国の要請で全国大会から出場する事も可能だったんですけどね。あいつは用心深い奴なので、順番に大会に出ていく冪だと思いまして。」
ニャン太「確かに他の大会を見ていたら、知らないやつがいきなり全国大会に来たら不審に思うだろうな。」
じじい「分かった。じゃあ俺がそいつを倒してやるよ。せめて追い詰めたらクスリを使うかもしれないし。」
ドーン「ありがとうございます。」
ニャン太「そいつの名前は?」
ドーン「魔法剣士、ケーオ・ブケーです。」
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