Red Assassin(完結)

まさきち

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6章 紅のナイトメア

53話 壊れた世界線

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シヴァ「…なるほど。だいたいの事は分かった。」
ナーダ「あのルーン鉱石がそんな使われ方をしてるなんて…」
レシア「だが、バダグもブルーも居ない状態では俺だけでは何んとも出来ん。」
シヴァ「ハンターの業務として封印の管理はするとして…そのルーン鉱石はこちらへ移動する事は出来ないだろうか?」

レシア「それは分からない。触って良いのかすら分かっていないんだからな。」
ナーダ「もし移動できないんだったらどうするの?」
シヴァ「アサシンが説得に応じるとは思えない。場所の確保の為にもアサシンを一掃する必要はあるかな。」
レシア「…そうかもしれないな。」

シヴァ「とにかく、一回そのルーン鉱石を確認しておきたい。案内してくれないか?」
レシア「今から行くのか?」
シヴァ「ああ、話を聞く限り早い方が良いだろう。」
レシア「…確かにそうかもしれないな。」



3人でハンター本部を出てアサシン本部へ向かう。実際にブルーやバダグを殺した事により、危険なアサシンは居なくなっている。名のあるヤツと言えばクラスタとチャード、あとはバダグの側近連中くらいか。

記憶があると仮定した場合…チャードは襲って来る理由が無いだろう。クラスタは襲って来るかもしれないが、今日来るって事はまず無いだろう。アサシン本部はバダグが死んでいる事がバレた位だろう。



レシア「って、ナーダもついてきたのか。」
ナーダ「良いでしょ?」
レシア「まあ良いけどさ。」


隠し通路から仮眠室へ出て、アサシン本部長室へ向かう。数人のアサシンとはすれ違ったが、まさかハンター本部長が居るとは思いもしないのだろう。顔を知っているレシアに注目し、挨拶していく位だった。


レシア「今回の流れだと俺はアサシンのままだ。俺がバダグを殺したとは誰も思っていないだろう。」
ナーダ「でも本部長室の前に人が居るよ?」
レシア「そうだな。流石にバダグの死は発見されたんだろう。こうなるんだったら、バダグを殺した後に地下迷宮にでも放り込んでおくんだったな。」
シヴァ「どうする?」

レシア「まあ大丈夫だろう。おい。」
アサシン「あ、レッドさん。こんばんは。」
レシア「バダグに会いに来た。居るか?」
アサシン「それが…本部長が何者かに殺害されたんですよ。」
レシア「何だと?見せて見ろ。」


アサシンに疑われていないレシアは普通に中へ案内された。応接間はもちろん争った形跡も無い。隣のバダグの部屋へ案内させ、そこで門番のアサシンを斬り伏せた。バダグも奥で倒れている。きちんと死んでいる様だ。レシアは応接間に戻る。


レシア「待たせたな。」
シヴァ「大丈夫だが…流石、容赦ないな。」
レシア「まあ人間の未来が掛かっているからな。…この暖炉の奥が秘密の間だ。」


暖炉の鉄格子を外し奥へ行く。先のフロアは記憶と違わずに存在していた。


シヴァ「あれが…問題のルーン鉱石か。」
レシア「そうだ。」
ナーダ「あれ?こんな光り方してたっけ?」
レシア「確かに…もしかしたらバダグからの供給が無くなったせいで封印が危ないんだろうか?」


横話の間で垣間見た情報だと、このルーン鉱石はニサラレスというヤツの封印になっている。バダグはこのルーン鉱石で魔物を召喚してその魔物のエネルギーをニサラレスに送っていた。バダグの死んだ後はブルーが封印の弱体化を魔力で防いでいた。

今はニサラレスへのエネルギーの供給が止まっている状態。この状態で封印が不定期に弱体化してしまう。それを放置すると、封印が敗れてニサラレスと言う魔物が出てきてしまう。


レシア「むしろ魔物を殺すのが早い気もしてくるな。」
シヴァ「そんな事可能なのか?」
レシア「分からない。ブルーの魔力でも抑えきれずに半年後に復活してしまう様なヤツだ。とんでもない強さの可能性もあるな。」
ナーダ「どうしよう…」

シヴァ「実際にどの状態が封印が弱体化している状態なのかが分からないな。魔力の注入に関しては大丈夫だろうが…念の為にこれはこのまま此処に置いておいて、魔力の高い者複数名で管理するのが良さそうだ。」
レシア「じゃあアサシンの一掃を?」
シヴァ「そうだな。」

レシア「しかし…なんか禍々しい魔力が増えていないか?」
ナーダ「うん、何か嫌な気がする。」
シヴァ「もしかするとこの状態が封印が弱体化している状態なのかもしれないな。それなら既に危険な状態って事だが。」
レシア「一回魔力を注入しておいた方が良いかもしれない………!?」



ルーン鉱石から発せられる魔力が急に高まっていく。もしかしたら遅すぎたのかもしれない。バダグを殺す前にシヴァを連れて来るべきなのかもしれない。

ルーン鉱石からの魔力が一気に広まり、レシア達を包んだ。身体がフワッと浮く感覚。テレポートに近いイメージか?




気付くと見た事も無い場所に立っていた。ナーダもシヴァも居る。


シヴァ「こ、これは…?空間転移が行われたのか?」
ナーダ「え…ここは何処なの?」
レシア「…分からないが、ここは雰囲気と言うか…空気が違い過ぎる。もしかしたらここがニサラレスの居る異空間なのかもしれない。」
シヴァ「可能性はあるな。こんな景色見た事も無い。」

レシア「取り敢えず探索するしかあるまいな。本当に異空間だとしたら、ニサラレスを殺すってのが本当に一番早いのかもしれないし。」
シヴァ「よし…取り敢えず色々と見て行こう。」
ナーダ「うん。」




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