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5章 時間の終
44話 アサシン本部での決戦①
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ブルーは腰に差してあったダガーを抜いてこちらへゆっくり歩いてきた。
レシア「何か依頼があったんじゃ無かったのか?」
ブルー「バダグがね、レッドが来るからって言ってこっちを優先させたの。全く、依頼の途中で戻されたんだから。」
レシア「そりゃ、大変だったな。」
レシアがアサシンを辞めていなければ、ごく普通の会話だっただろう。でも今は殺し合う敵同士になっているのだ。
ブルー「アンタならこの秘密通路を通って来るって思っていたわ。」
レシア「そうだろうな。俺もブルーの立場だったらそう思うよ。」
ブルー「これ以上、アンタに邪魔をされる訳にはいかないの。」
レシア「邪魔だって?お前達が殺したがっていたシヴァは死んだ。これ以上何の邪魔をするっていうんだ?」
ブルー「ダーク・アサシンを調べているんでしょ?それはちょっと戴けないわね。」
レシア「何だって?」
ブルー「バダグはダーク・アサシンを調べる者を抹殺しなければならないの。」
レシア「それは…バダグが何者かから依頼を受けているって事なのか?」
ブルー「これ以上、話す事は出来ないわ。」
レシア「ダーク・アサシンはブラックの縁者か何かなんじゃないか?今までの情報やブラックの様子を鑑みるに…家族とかなんじゃ。」
ブルー「答える義務は無いわ。私はアンタを殺す為に居るのよ。」
ナーダ「ブルーさん。ダーク・アサシンを調べるのをやめたら襲って来ないの?」
ブルー「どうかしら。やめる気は無いんでしょ?それにアンタ達は色々と知り過ぎているみたいだし。」
ナーダ「そう…ですか。」
ブルー「それに別口の依頼で、私はナーダのロックも受けているのよ。忘れていない?」
ナーダ「…忘れていました。」
ブルー「…はぁ。」
ブルー「どちらにしろ、私を倒さなきゃこの先には進めないわ。」
レシア「この前も言ったかもしれんが、最終通告はとうに過ぎている。今度こそ覚悟しろ。」
ブルー「流石、自信満々ね?でも私だって日々強くなっているのよ。」
レシア「それは俺も同じ事。故にお前は俺には勝てない。」
ブルーはアイスを放った。レシアは氷の魔法を剣で切り払うが、次の瞬間にはブルーは目の前まで迫って来ていた。そのままブルーはダガーを振るって来る。
レシア「おっと、危ない。思ったより早くなっているじゃないか。」
ブルー「かわされるとは思わなかったわ。流石はレッドね。」
レシア「お前の攻撃は分かっている。あの程度の奇襲で勝てるとは思わない事だな。」
ブルー「私の魔法…アイスにしてもウィンドカッターにしても、当たりさえすればいくらアンタでもただでは済まないわ。」
至近距離でウィンドカッターを放つ。
レシア「それは分かっている。だからこそ油断はしない!失敗は繰り返さない!」
ブルー「失敗…?」
レシアはウィンドカッターを切り払った。そのままシャドウを撃ち出す。ブルーはシャドウをダガーで受け止め、後ろへ下がらされる。
ブルー「くっ、いくらレッドの魔法でも効くわね。」
レシア「ブルー、お前の攻撃も魔法も俺には通用しない。さっさと終わらせてやろう。」
言われ放題だが、事実なのでどうしようもない。だが、1つだけ見せていない攻撃があった。
ブルー「良い気になるのもここまでよ。アンタを倒す為に会得したとっておきがあるわ。氷結破砕斬!」
ブルーから一際大きいアイスが放たれた。とは言え、この程度であれば剣で斬り壊せる。レシアは剣を持つ手に力を入れた。
刹那、既視感を感じる。
レシア「…」
レシアは後ろへ下がり、ルーンソードの気弾をアイスに撃ち込んだ。その瞬間、その場に大きな氷柱が立ち上がった。
レシア「危な…剣で斬り付けてたらあの氷柱に巻き込まれてしまっていたぞ。」
ブルー「ちょっ、何で今回に限って遠くから迎撃するのよ。いつもみたいに斬り掛かって、氷付けにしてから斬り掛かる技なのに。」
レシア「解説どうも。いや…たまたまとは言え本当に運が良い。あれは読めなかったぜ。」
ブルー「アンタっていつも上手い事持ってくわよね。」
レシア「良くは分からないけど嫌な予感がしてさ。」
喋りながらレシアはブルーに斬り付けた。ダガーでガードするも、弾かれて利き腕を斬られてしまった。
ブルー「う…どうやら勝負ありね。」
レシア「確かに強くはなっていたな。でも、俺の方がより強かった。それだけだ。」
ブルー「そうみたいね。」
レシア「答えろ。ダーク・アサシンの正体は誰なんだ?」
ブルー「…それはバダグに聞いたら?もっともバダグとバダグのモンスター隊に勝てたらの話だけど。」
レシア「モンスター隊?何だそれは?」
ブルー「バダグが異世界から召喚している魔物よ。」
レシア「異世界?魔物?そんなの聞いた事も無いぞ。」
ブルー「そりゃそうね。私だって最近まで知らなかったわ。バダグがティアマットの力を借りてモンスターを召喚しているなんてね。」
ナーダ「ティアマット?」
レシア「あれだな…女神ティアマトを参考にし造られた邪竜の事だな。」
ブルー「よく知っているわね。」
レシア「しかしそんなん、架空の魔物だと思っていたが…」
ブルー「私も信じられなかったわ。」
レシア「と言うか、そんなんどう考えても危なすぎる。何でモンスター何か召喚しなければいけないんだ。」
レシア「何か依頼があったんじゃ無かったのか?」
ブルー「バダグがね、レッドが来るからって言ってこっちを優先させたの。全く、依頼の途中で戻されたんだから。」
レシア「そりゃ、大変だったな。」
レシアがアサシンを辞めていなければ、ごく普通の会話だっただろう。でも今は殺し合う敵同士になっているのだ。
ブルー「アンタならこの秘密通路を通って来るって思っていたわ。」
レシア「そうだろうな。俺もブルーの立場だったらそう思うよ。」
ブルー「これ以上、アンタに邪魔をされる訳にはいかないの。」
レシア「邪魔だって?お前達が殺したがっていたシヴァは死んだ。これ以上何の邪魔をするっていうんだ?」
ブルー「ダーク・アサシンを調べているんでしょ?それはちょっと戴けないわね。」
レシア「何だって?」
ブルー「バダグはダーク・アサシンを調べる者を抹殺しなければならないの。」
レシア「それは…バダグが何者かから依頼を受けているって事なのか?」
ブルー「これ以上、話す事は出来ないわ。」
レシア「ダーク・アサシンはブラックの縁者か何かなんじゃないか?今までの情報やブラックの様子を鑑みるに…家族とかなんじゃ。」
ブルー「答える義務は無いわ。私はアンタを殺す為に居るのよ。」
ナーダ「ブルーさん。ダーク・アサシンを調べるのをやめたら襲って来ないの?」
ブルー「どうかしら。やめる気は無いんでしょ?それにアンタ達は色々と知り過ぎているみたいだし。」
ナーダ「そう…ですか。」
ブルー「それに別口の依頼で、私はナーダのロックも受けているのよ。忘れていない?」
ナーダ「…忘れていました。」
ブルー「…はぁ。」
ブルー「どちらにしろ、私を倒さなきゃこの先には進めないわ。」
レシア「この前も言ったかもしれんが、最終通告はとうに過ぎている。今度こそ覚悟しろ。」
ブルー「流石、自信満々ね?でも私だって日々強くなっているのよ。」
レシア「それは俺も同じ事。故にお前は俺には勝てない。」
ブルーはアイスを放った。レシアは氷の魔法を剣で切り払うが、次の瞬間にはブルーは目の前まで迫って来ていた。そのままブルーはダガーを振るって来る。
レシア「おっと、危ない。思ったより早くなっているじゃないか。」
ブルー「かわされるとは思わなかったわ。流石はレッドね。」
レシア「お前の攻撃は分かっている。あの程度の奇襲で勝てるとは思わない事だな。」
ブルー「私の魔法…アイスにしてもウィンドカッターにしても、当たりさえすればいくらアンタでもただでは済まないわ。」
至近距離でウィンドカッターを放つ。
レシア「それは分かっている。だからこそ油断はしない!失敗は繰り返さない!」
ブルー「失敗…?」
レシアはウィンドカッターを切り払った。そのままシャドウを撃ち出す。ブルーはシャドウをダガーで受け止め、後ろへ下がらされる。
ブルー「くっ、いくらレッドの魔法でも効くわね。」
レシア「ブルー、お前の攻撃も魔法も俺には通用しない。さっさと終わらせてやろう。」
言われ放題だが、事実なのでどうしようもない。だが、1つだけ見せていない攻撃があった。
ブルー「良い気になるのもここまでよ。アンタを倒す為に会得したとっておきがあるわ。氷結破砕斬!」
ブルーから一際大きいアイスが放たれた。とは言え、この程度であれば剣で斬り壊せる。レシアは剣を持つ手に力を入れた。
刹那、既視感を感じる。
レシア「…」
レシアは後ろへ下がり、ルーンソードの気弾をアイスに撃ち込んだ。その瞬間、その場に大きな氷柱が立ち上がった。
レシア「危な…剣で斬り付けてたらあの氷柱に巻き込まれてしまっていたぞ。」
ブルー「ちょっ、何で今回に限って遠くから迎撃するのよ。いつもみたいに斬り掛かって、氷付けにしてから斬り掛かる技なのに。」
レシア「解説どうも。いや…たまたまとは言え本当に運が良い。あれは読めなかったぜ。」
ブルー「アンタっていつも上手い事持ってくわよね。」
レシア「良くは分からないけど嫌な予感がしてさ。」
喋りながらレシアはブルーに斬り付けた。ダガーでガードするも、弾かれて利き腕を斬られてしまった。
ブルー「う…どうやら勝負ありね。」
レシア「確かに強くはなっていたな。でも、俺の方がより強かった。それだけだ。」
ブルー「そうみたいね。」
レシア「答えろ。ダーク・アサシンの正体は誰なんだ?」
ブルー「…それはバダグに聞いたら?もっともバダグとバダグのモンスター隊に勝てたらの話だけど。」
レシア「モンスター隊?何だそれは?」
ブルー「バダグが異世界から召喚している魔物よ。」
レシア「異世界?魔物?そんなの聞いた事も無いぞ。」
ブルー「そりゃそうね。私だって最近まで知らなかったわ。バダグがティアマットの力を借りてモンスターを召喚しているなんてね。」
ナーダ「ティアマット?」
レシア「あれだな…女神ティアマトを参考にし造られた邪竜の事だな。」
ブルー「よく知っているわね。」
レシア「しかしそんなん、架空の魔物だと思っていたが…」
ブルー「私も信じられなかったわ。」
レシア「と言うか、そんなんどう考えても危なすぎる。何でモンスター何か召喚しなければいけないんだ。」
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