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新生活ヤンヤン

166.

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今日はおじいちゃんが到着する。
流石に領主様なので我が家の客間に滞在して貰う。
「おじいちゃんおかえり」
「公爵様、お疲れ様でした」
「ククル、アイザック殿出迎えありがとう」
とりあえずついてきた使用人には客間を案内し、おじいちゃんは応接室て暫し休憩して貰う。
明日以降の予定を話し合い、今日はゆっくりして貰う事にした。
「そろそろ到着すると思うがこの街の団長にブルーザーを指名した。本人にはククルの事を話してないからビックリすると思うぞ。副団長は彼の同期で剣士のオーカスを指名している」
「ブルーザーさんが来るんだね。知り合いなのは嬉しいな」
丁度、玄関の方が騒がしくなってきたので到着したようだ。
ハナに案内されてブルーザーが現れた。
知らない人がオーカスの様でその後からレオン団長が姿を現した。
「あっ、レオン団長だ」
ぴょんと飛びついたら難なく受け止めてくれた。
「ククル、元気そうだな。はぁ、やっぱり女の子のが可愛いな。も1人頑張ろうか」
何やら後の方はブツブツ言っているので聞こえないフリをした。
「レオン団長お久しぶりです」
「アイザック殿、ご無沙汰しております」
「なんでレオン団長まで?」
「俺が第七領騎士団の総団長だからな」
成る程ね。
「領主様、代表様、ここにブルーザー団長、オーカス副団長の任命を報告致します」
3人がビシッと揃って敬礼しているのはカッコいい。
第七領の騎士団の制服は元々が紺色でそこにヤンヤンは赤の差しが入る。
あの制服、私も欲しいな。
後でレオン団長に頼んで見よう。
「ふむ、ご苦労。これから街の為、精進してくれ」
「「はっ」」
儀式の様な挨拶も終わったのでとりあえずソファに掛けて自己紹介だ。
「ご無沙汰してます。団長に任命したブルーザーです。よろしく」
「初めまして、副団長のオーカスと申します。よろしくお願い致します」
「オーカスさん、初めまして。ブルーザーさんはお久しぶりですね。うふふ、嬉しいな」
「ククルちゃん、随分嬉しそうだね。やっぱりお祭りが楽しみかい?」
ブルーザー団長は完全についてきてるだけの子供扱いだし、オーカスさんに至っては誰だ?この子みたいな表情だ。
「それも楽しみ。改めて自己紹介しますね。ヤンヤンの代表で研究所長のククル・ルーズベルトです。普段は冒険者として活動してますので敬意は不要です」
「代理のアイザック・ワグリアナだ」
「あわわ、ククルちゃんが代表だったの?てっきりアイザック殿かと思ったよ。レオン団長、きいてないっすよ」
あわあわなってるブルーザーを皆で笑った。
「ブルーザーさん、また手合わせしようよ」
「えー、俺のプライドが、、、」
「ブルーザーは知り合いなのか?」
「お前、前の時休みで居なかったけど話くらいは聞いた事ないか?公爵様のお孫さんの話。この子の事だよ」
「あ!ブルーザーがボコボコにやられた話がその子の事か。」
「言わないでくれ」
項垂れた団長はほっといて明日以降の予定を伝える。
街の徴兵は数人は連れてきた様で後はこちらで雇うとか。
今は基本、門兵だけで良いと思う。
それも伝え、明日から早速警備に当たってくれるとか。
おじいちゃんについでに馬車乗り場を作りたいし、辻馬車を王都から走らせたいと伝えたら馬車の手配はしてくれるとの事。
門の詰所に寝泊まり出来る部屋があるのでそこを御者の控え室に使えば良いとの事だ。
サクサクと話が進み、ブルーザーとオーカスは騎士の宿舎に帰っていった。
残ったレオン団長とおじいちゃん、私達で食事にする事になった。
「レオン団長、ハナとユミンを紹介しておくね」
「おう、よろしくな。気は使わなくて良いから」
恐縮しながらも挨拶するユミンと堂々としているハナ。
横目で見ながら、我が家方式での昼食となった。
それから、おじいちゃんが街を見たいとの事で案内する事になった。
各ギルドや街並みを案内し、楽しく過ごす。
お披露目が終わったら一旦、王都に帰り、その後は領地に帰るとの事。
領地、ネクネクに帰ったらヤンヤンとの街道をつなぐ計画を進めるとか。
直進で馬車3日位の距離らしく、向こうからの工事をするとの事。
半月程で開通出来ると教えてもらった。

夕方になったので帰宅し、一旦夕食まで部屋で休憩した。

「ククル、夕食の準備が出来たみたいだぞ」
「はーい」
アイザックが呼びにきてくれたので2人揃ってリビングに向かった。

「「「「おめでとうございます」」」」
「「うわぁ」」
扉を開けたらおじいちゃんをはじめ、サラさんやソル、両ギルドメンバーにブルーザー達、街の主要メンバーが揃っていた。
おじいちゃんが前に出てくる。
「ククル、アイザック殿お誕生日おめでとう」
あー、今日は3月15日。
私とアイザックの誕生日だ。
すっかり忘れていた。
「ありがとうおじいちゃん」
「公爵様、ありがとうございます」
どうやらハナがコソコソ準備を進めてくれていた様で全く気が付かなかった。
それから美味しい食事とデザートを堪能させてもらった。
プレゼントも沢山もらって幸せだ。
私も漸く8歳になった。
こちらに来てから2年半、あっと言う間に過ぎていく。
お披露目の前日に教会が解放される。
こっそり預かってるのを置きに行ってネル様にお礼が言いたい。
夜遅くまで騒がしく誕生日パーティーがおこなわれたのだった。

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