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新たな挑戦へ

164.

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マリアント様の執務室でヤンヤンのギルマス予定の人を待っている。
「失礼致します」
どうやら到着したみたいでとりあえず立って挨拶する事にした。
「初めまして、ヤンヤンのギルマスに就任したグルドと言います。ん?」
「あっ、さっきの大きい人」
「あら、ククルちゃん知り合い?」
「さっき売店とこでぶつかったの」
「おお、さっきの子供か。すまんかったな」
「いいえ」
「ククル、挨拶が先だろう。改めて初めましてヤンヤンの代表代理のアイザックです。」
「ククルです」
とりあえずソファに座り、話をする事にした。
「ククルちゃん、アイザック、一応ギルマスには魔法契約の件は伝えてあるわよ」
薬師ギルドにはどうしてもバレる可能性が高かったのでマリアント様から事前に契約の件を伝えて貰い、了承を取ってもらっていた。
それなら先に契約を済ませて打ち合わせた方が良いだろうと思い、そっちから済ます事にした。
「これで良いか」
「ありがとうギルマス。改めてご挨拶させてもらいます。ヤンヤンの代表で研究所長のククル・ルーズベルトです」
「ヤンヤンの代理人でアイザック・ワグリアナだ」
「薬師ギルドのマスターでグルドだ。よろしく」
「私達、冒険者でもあるので謙遜は不要です」
「じゃあそうさせて貰おう」
ここから、研究所の在り方や薬草園の事、ダンジョンの事など説明した。
グルドの話だとダンジョン街のギルドは冒険者と共同にする事になったとかでそちらの準備もあるから一度ダンジョンに潜りたいとか。
近々、両ギルドメンバーで攻略に向かうとの事。
頑張っていただきたい。
グルドには家族もいるらしく奥さんと10歳の息子と15歳の娘がいるらしい。
息子は王都の学園に通っているらしく今も寮生活しているのでそのまま通い続けるとか。
娘の方は今年から専門科に通うそうで薬師を目指しているとか。
こちらも寮生活との事でヤンヤンには奥さんだけが同行する。
奥さんは元冒険者で今でもたまに夫婦揃ってダンジョンに行ったりしているらしく、時々冒険者ギルドの新人教育などをしているらしい。
王都に滞在の期間はギルドの職員宿舎で家族4人で過ごしているとか。
来週には学園の新学期が始まるので子供達が寮に戻るのに合わせてヤンヤンに向けて出発し、向こうでの生活拠点の整理をすると話してくれた。
私は学園の試験だけ終わらせてから向かう予定。
「3月20日が街のお披露目みたいだからそれまでには移住する予定なのでまた、よろしくお願いします」
挨拶を終わらせて帰宅した。
後は学園の試験を終わらせて1年後の卒業式まで行かなくても良い様にしておく。


あれこれしているとあっという間に試験日になった。
久しぶりに学園に行くとソルの姿が見えたので挨拶にいく。
「ククルさん、おはようございます」
「先生、おはようございます」
事前に学園内では先生と生徒の関係でいましょうという事になっていたので軽く挨拶をする。
小声でソルが試験期間が終わり次第、ヤンヤンに移住すると教えてくれたので頷いといた。

試験は当然ながら直ぐに終了。間違いなく合格なので卒業できる条件が揃った。
今の時点では上の学園に行くつもりも無いので卒業の手続きをして帰宅する。


「ただいま」
「ククル様、おかえりなさいませ」
ハナが出迎えてくれたのでとりあえず飛びついておいた。
夕食までまだ時間があるのでその間は読書でもする事にした。
最近、古代薬の本ばかり呼んでいたのでたまには違うものでもと収納にしまっている本をあさった。
「あったあった」
生成の本を出さして続きから読んでみる。
暫く本に集中しているとアイザックが部屋を訪ねてきた。
「ククル、ちょっと良いかい」
「はーい、どうぞ」
部屋に迎え入れソファを進めた。
アイザックの要件は明日からワグリアナの領地に行くとの事で一緒に行くかのお誘いだった。
今回はなんとなく留守番を申し出てみた。
アイザックは答えにビックリしたみたいだけど了解と共に部屋から出て行った。
翌日から暫くアイザック無しで留守番をする。
時々、ハナにあちらこちら付き合って貰いながら過ごした。
アイザックが戻り、いよいよヤンヤンに出発する日が近づいてきた。
新しい生活に目を光らせ、その日を迎えた。
いつもと変わらず朝食を済ます。
新たな挑戦に向けて出発するのだった。
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