転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

文字の大きさ
上 下
141 / 202
新たな挑戦へ

141.

しおりを挟む
今日は研究室に向かう予定だ。
アイザックは朝から用事があるとかでハナについて来てもらう。
帰りはアイザックが迎えに来てくれるのでそれまでココに籠る事にした。

「ドルフさん、見てほしい物があるんです」
実は昨日、古代薬の回復ポーションの特級、ランクSS固定が出来てしまったのだ。

「うん、間違いなく古代薬だね。今、もう一度調合する事は出来る?」
「大丈夫ですよ。とりあえず材料を」
私はいそいそと素材を準備して調合を始める。
この調合の難しいのは三属性の魔法を用いるところだ。
水と光と風の魔力を均一に保つ。
30分も掛からずに出来上がった。
「ほぉ、コレは中々だな。ククルよ、何かコツとかあるのか?」
「んー、三属性の出力を均一に保つのが難しいかな。それさえ出来れば素材もそんなに特殊じゃ無いし」
「成る程。とりあえず試してみるか」
ドルフさんも闇以外の属性があるみたいで中々貴重な存在だ。
場所を譲り近くの椅子に腰をかけて眺めている。

ドルフさんが真剣な顔で調合を始めた。
息をのんで見守る。
30分程したら、光が収まり調合が終わりを告げる。
「とりあえず鑑定だな」
自分で鑑定し、こちらにビンを差し出してきた。
『上級回復ポーション』
「どこでミスったのか解らないけどとりあえず水にはならないみたいだ」
がっくり項垂れている。
それから色々試してみてるが私は成功、ドルフさんは失敗と中々上手くいかない。
魔力的にも時間的にもコレが本日最後の調合になろう時、漸くドルフさんも成功した。
「はぁ、やっと成功した。」
「よかったですね」
「明日、陛下に献上に伺うよ。ククルも来るんだよ」
「はーい」
面倒だけどコレは一応仕事でもあるので明日もココに来る事になった。

アイザックのお迎えでお家に帰り、明日の予定を伝える。
明日はアイザックがついてきてくれるので陛下のところも同伴でお願いした。


「ククルよ、今回は何をしてが出来た?」
「古代の回復ポーション特級、SSランク固定だよ」
ダックは鑑定結果を眺めながら何やら思案している。
「ランドフル、これは量産できるものか?」
「条件が会う者で有れば製作は可能です。調合よりは魔力操作が難しいので」
「ククル、お前なら1日でどれ位作れるものだ?」
「多分、10~15本位かな。結構、集中力がいるし」
「ふむ、量産については保留だな。とりあえず、今回の報酬については改めて連絡を入れよう」
こうして報告は終わりそのままお家に帰る事になった。


「ハナただいま」
「おかえりなさいませ」
ハナが出迎えてくれたので一緒にリビングに行き、先に食事をすませる。
いつもはお昼を一緒に食べないのだが今日は夕方からおじいちゃんのところに行かなくてはならない。
そんな事もあってお昼を一緒に食べて時間まで庭でゴーレムズと戯れた。
ハナから聞いたのだが素材置き場に仕舞いきれない物は最近、ギルドに卸しているとか。
買取金の受け取りは私が行けば貰えるそうで明日にでも薬師ギルドに行く事にした。
行くついでに手持ちの薬草類を整理して買い取って貰おうと思い、せっせと仕分けしている。

「ククル、そろそろ出掛けるぞ」
アイザックが呼びに来たので作業を終えておじいちゃんのところに向かった。

屋敷に到着したらまずは食事をしようとリビングに呼ばれた。
「「こんばんは」」
「おお、よく来たな。先ずは座りなさい」
それから3人でたわいも無い事を話ながら過ごした。
食後は応接室でお茶を入れてもらい今日の本題をはなしする。
ダンジョン近くの街についての進捗からだった。
とりあえず冒険者ギルドが一番最初に出来る。
その時点で職員の配属が決まり、ダンジョンを一般に開放する準備を進めるみたいだ。
次に建つのが私の住居。
宿屋と商店はギルド管轄でしばらくは営業するそうだ。
後は第七領内で移住者を募り、同時に住むところを整えていく。
宿屋と商店が出来たあたりでダンジョンの開放になるだろうとの事。
後は私の希望で住居の隣に研究棟を作る事になった。
こちらについては国からも支援がでるそうで研究員を派遣してくれるとか。
大体、1ヶ月程度で準備が整うとの事なのでその頃に一度街まで行く事になった。
今回、住居の費用についてはおじいちゃんと揉めた結果、アイザックを含む三等分でなんとか話が着けられた。
王都の家と似たような間取りにし庭には専用の調合室を建てることにした。
後は街までの街道を整備して馬で1日程度で移動出来る様にする。
今回の話をハナに伝えたら嬉しい事について来てくれる事になったのでお願いし、学校があるユミンについてはアイザックの実家が教育も含めて面倒を見てくれる事になっている。
王都の拠点については留守中はおじいちゃんのところの使用人が見ていてくれるとの事で至れり尽くせりだ。

こうして準備は着々と進み、後は国からの許可証をもらうだけとなったのだ。
しおりを挟む
感想 125

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。 「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。 現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。 ゆっくり更新です。はじめての投稿です。 誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。 麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。 使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。 厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒! 忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪ 13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください! 最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^ ※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!  (なかなかお返事書けなくてごめんなさい) ※小説家になろう様にも投稿しています

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~

明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。

領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。 しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。 7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。 ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。 ★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。 皆様応援よろしくお願いします

処理中です...