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1章

13.

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3人をソファーへと促し、私も前に座る。なにから話そうか。
「えっと、私はミーナと、言うの。名前を聞いても良い?」
「私はアズベリー領出身のリリア、6歳です」
右側の女の子が応えてくれた。
「ペストリア領出身のマイク、5歳」
真ん中の子だ。
「アリス、4歳」
左側の子はどうやら出身がわこらないのか、名前だけだった。
「まず、三人に聞きたいのだけどその前に怪我とこは本当に無い。痛いところとか、しんどいとか、大丈夫?」
「「大丈夫です」」
「でしゅ」
大丈夫みたいだ。
一番年長のリリアから話を聞いて行く。
まず、リリアはどうやら私の乗っていた馬車に同乗していた様で両親と一緒に王都へ引っ越しする途中で襲われたとの事。来年から学園に入る為、アズベリー領の田舎街からでてくる際の出来事で他に身寄りもいないらしい。
次にマイク、ペストリア領の村の出身で先月の大雨で村が流されて数名が助けられた中の一人らしい。その時に親族を亡くしていてマース街の孤児院で過ごしていたそうだ。今回、領主に新しい家族を探してあげると言われてあの場にいたそうだ。どの様な経緯とかは聞いていなかったとのこと。
最後にアリスだが話の感じでは元々孤児院にいた様でなんらかの理由で領主のところにきたみたいだが何故かは本人、全くわかってない様子。まだ、小さいから仕方がない。
「リリアは今年7歳かな。」
「そうです。来年から学園に行けると思ってたのに一人になっちゃったし、、、どうしよう、、、」
泣き出した。
「リリア、泣かないで。来年になったら一緒に学園に行こうよ。私も同じ歳だし、アズベリー領には奨学生制度があるから大丈夫だよ。」
びっくりした顔でこちらに向いた。
三人にとくにリリアにわかる様、今後の事を説明する。
「これからだけど、貴方達三人は一旦、アズベリー領のムートン街の孤児院にいってもらう予定よ。マイクやアリスはまだ、幼いからそのまましばらく引き取ってくれる家族を探しながら暮らして貰う事になるわ。リリアは先程も言った通り、学園に通いたいのなら孤児院から奨学生の申請をしたら良いと思うの。毎年、数名この制度を利用して入学している子がいるから今からでも遅く無いと思うよ。この申請が通ったら領主の庇護の元、学園の寮で生活しながら学ぶ事になるわ。制度を利用する条件はアズベリー領の領民である事と、卒業後、領内で就職し、領土に貢献する事の2点が大きな内容かな。後、細かいことは孤児院のシスターやマザーに聞いてみて。」
リリアは少し考えた後
「ミーナちゃんも、奨学生制度を利用するの?」
「ま、まぁ、そんなとこかな。」
とりあえず誤魔化した。本当の事は流石に言えない。
「わかったわ。今後の事もあるし、一度ゆっくり話を聞いて考えてみる。」
前向きになってくれた様だ。
「じゃあ、ムートンへは、騎士団が帰るときに一緒に連れて行ってくれるから、それまではここの領主館を使用してね。許可は取ってあると聞いてるから。もし、近く迄行く事があったら必ず孤児院に顔をだすね。それまで元気でね。」
話がまとまったので挨拶をし、部屋を出ようと立ち上がる
「ミーナちゃん、大人に頼まれてだと思うけど、色々話を聞かせてくれてありがと。会いに来てくれるの待ってるね。それまで元気でね。」
リリアが代表して、挨拶してくれた。
私は部屋を後にし、アルトの待つリビングへと向かった。マリアもすでに話がついている様でそこに姿が見えた。
「お待たせ。」
三人と団長達を呼んで此方の事を報告する。マリアの何処の5人も無事に送り届ける準備が出来た様だ。
先程事情聴取を受けていた使用人達は領主の粗事業には気付いていない者、脅されて黙っていた者がほとんどで大きな罪に問われる事はなさそうだ。
とりあえず、事後処理の騎士の宿泊や、旅立つ迄の子供のお世話はお願いできるとのこと。
後の事は騎士団に任せて私達は宿に戻る事にした。
「今回は本当にお世話になりました。王都に戻られましたら報酬もあります。是非一度騎士団本部をお尋ねください。」
とライラ団長。
「ムートン街まで来られる際は是非お声掛けください。子供達はしっかり連れて帰りますので。」
とミック団長。
2人に挨拶をし、宿へと向かった。

宿に戻り、とりあえず着替える。
お腹もすいたので食堂へ。
みんなが座っているテーブルへと着く。
「今日はお疲れ様だったな。明日、明後日は休養日にするからゆっくりしたら良いぞ。3日後からダンジョンアタックしようかと思うが構わないか。」
「わかったよ。二日も休めば回復するから大丈夫。ダンジョン前に何か準備とかは必要?」
「食料の調達が要るかな。予定は1週間程度かかるつもりだから。その位かと思うが。」
「そう。わかった。携帯食は各自持っているよね。野営の時に料理が出来る様に鍋とかコンロが欲しいな。」
三人がずぃッと寄ってきた。
「そうか。ミーナが居ると携帯食で無くても良い場合もあるのか」
一応、パーティの食事係だ。作れる時はする旨伝えるとすごく嬉しそう。
「じゃあ、買い物は一緒に行く事にしようか。」
明日、午後から4人で行く事になった。
私は明後日、宿の厨房を借りて食材を少し調理しておこうと考え、受付にお願いしにいった。明後日、昼から夕方迄の間使っても良いとの事なのでそれを部屋に戻ってアルトに伝える。よろこんでくれているようだ。
翌日、4人揃っての買い物。先ずは鍋やら金物を買いにいく。
明日、調理したら鍋ごと収納する予定なので沢山購入した。ついでに野営用の食器を四人分購入。私の収納に片付けた。
収納魔法を使える人は居なくは無いが本人の魔力量に応じて容量が変わる。私の場合、宮廷魔導師以上の魔力量があるため、容量はほぼ無限だ。いくらでも入る。それも時間停止だから尚更便利だ。
ロト以外は収納が使えるがマリアは容量があまり無いらしい。魔力量はある程度あるそうだか、容量に繋がらなかったとの事。アルトは容量は有るには有るが食材と言うよりは普段はドロップアイテムや討伐した魔物を入れたりするから空けているらしい。結局、食事に関しては全て私持ちになった。
その後、市場に行き、足りない食材や調味料を調達。米を見つけたので此方も購入した。アズベリー領では結構、米が主食の地域ぐ多いと説明すると三人はあまり食べた事がないらしく興味津々だ。
「色々、作っておくから楽しみにしておいて」
大食いのロトが嬉しそう。必要な食材は手に入れられたので屋台で夕食を食べて宿に戻った。
部屋に着いて従魔達を出し戯れていたらそのまま寝落ちてしまった様だ。
隣でロトと呑んでいたアルトが戻ってきたのも知らず、そのまま朝までぐっすり眠った。
翌朝、ベットで目が覚める。
「おはよう。ミーナ。昨日部屋に戻ったらそこの従魔ベットですっかり寝てたからこっちに移したぞ。せめて寝るならベットに入らないと風邪をひくぞ。」
お子様はまた、怒られる。
「はぁーい。気をつけまーす。」
一応、返事をしておいた。
アルト達の今日の予定をきくと騎士団へと行くそうだ。処理がどうなっているかの確認らしい。
私は宿に残って明日からの食事の準備をするのでお留守番。
朝食を済ませて部屋で材料だけでも切っておこうと張り切って食材を広げた。
かれこれ3時間、ひたすら下処理をする事ようやく終わり、昼食を食べて厨房へ。宿の料理人が場所を提供してくれあた。
「何か困った事があったらいつでも声を掛けてくれ。」
今から休憩に入る様だがまさかこんな子供一人が料理をするとは思ってなかったみたいで心配して声を掛けてくれた。
お礼を言って作業に移る。初めは心配そうに入口から料理人が除いていたが手際をみて、大丈夫と判断したのだろう。気がついたらいなくなっていた。
下処理した食材を次々に調理しては収納にしまう。続ける事二時間半、予定していた作業が終了した。後片付けをして料理人にお礼を伝え、部屋に戻った。
これだけ作っておけば一週間は大丈夫だろう。多分。足りなければ途中で作り出せば良いか。
一人ぶつぶつ考えて居るとアルト達が帰ってきた。
処理の方は順調に行っているようで明後日には此処を自衛する騎士以外は引き上げるそうだ。
それなら此方も気にしなくて良さそうだ。
さあ、明日からのダンジョンアタックに向けて早く寝よう。
そうして今日も早々と就寝した。
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