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1章

6.

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城から帰宅後、とりあえず着替えてジンを迎えに行く準備をする。王都の西門を出た森での待ち合わせ。
叔父さんは陛下と打ち合わせがあるとかでまだ、帰ってきそうに無いので軽く昼食をすませ、外に出ようと思ったら、執事の人が馬車を出してはとの事でありがたく使わせて貰う事にした。

西門から出たところで御者に声を掛け、邪魔にならない街道沿いで待機して貰う。

ジンに念話を飛ばしてみた。
『ジン、迎えに来たよ。近くにいるの?』

『ミーナ‼︎』
前方の大きな木から飛び降りてきた。

『おかえり。群はどうだった?みんな元気にしてたの?こっちは大変だったんだから』

昨日の事をジンに説明してガイヤを紹介した。

『ジンにいちゃん、これからよろしくおねがいします。』

『ああ。わからない事は俺が教えてやるからな。』

偉そうにガイヤ応えているがおにいちゃんと呼ばれて満更でも無い様だ。嬉しいそうに尾尻が揺れてる。

とりあえず2匹を影に入れて家に帰る事にした。

「ジン、今は叔父さんの家にお邪魔してるけど、来週から【疾風の刃】に引っ越しするからね。そこに行ったら色々揃えるからそれまでは大人しく影にいてね。でも、群の話はきかせてね。帰ったら。」
今日は久しぶりにもふもふ出来る。明日の事もあるけどとりあえずはジンを堪能したい。邪な考えがダダ漏れに一瞬引かれた様な気がしたが気にしない。
そうこうしているうちに家に到着した。

自分用に使わせて貰っている部屋で従魔達を影から出した。
「みんな、今日は一瞬に遊ぼうね」
最近、スキンシップも疎かに。スカイはもともとあまり影から出たがらないけどたまにはね、プルプルボディに癒されたい。
従魔達に囲まれてすっかりリラックスしていると叔父さんが訪ねてきた

「寛いでいるとこ悪いな。今日陛下と話あってきたんだが」
叔父さんの話をまとめると昨日の馬車の件はやはりペストリア領主が絡んでいたとの事。
亡くなった馬車の乗客にアズベリー領民がいた事。そこの子供が行方不明になっている事。ドラゴンの卵と共に馬車に乗っていた5歳位の男の子を探している事。この状況から闇取引、闇奴隷販売が行われていることが伺える事。ペストリア領の問題について城より正式にギルドに依頼があった事、それを【疾風の刃】に指名依頼する事を聞かされた。

「実際、どの様に動いて貰うかは明日アルトとギルドに来た時に詳しく説明するから必ず俺を訪ねる様にしてくれ。」
との事だった。
私はと言うと、今日ジンから聞かされた話だが群を訪ねた時に1匹異変種の子供が産まれていて他の子達に馴染めず一度会いに行って欲しいと頼まれたのでその事を話す。どうせ依頼でペストリア領に行くのならついでに寄ってみたいと考えたのだ。
明日、それも合わせてアルトに相談するとの事で今日の報告会は終了となった。

夕食後、せっかく陛下から所持証を貰ったので早速ガイヤの脚に着けてみた。魔力を流すと綺麗にオレンジ色に輝き定着する。まるで私の髪色そのものになった。オシャレなアンクレットをつけているようで可愛らしい。所持者の私の分もあるので同じように足につけて魔力を流す。お揃いのアクセサリーにガイヤはとてもご機嫌に尻尾を揺らす。他の二匹が羨ましそうに眺めているので近々、お揃いの物を買い揃える約束をし、床に着いた。

翌朝、準備が整った頃、アルトが家にやってきた。
「おはようミーナ。準備は出来てるみたいだね。とりあえず一度拠点にいってマリアを紹介し、その後ギルドへ寄ってから買い出しに出かけよう。昨日、パーティ加入の件については2人の了承は取れているから何も気にせずきてくれれば良い。ロトが一度実力試したいから模範戦をすると張り切っていたから、暇な時に相手してやってくれ。」

めんどくさいお願いをされつつ拠点へと向かった。
場所は貴族街と商店が立ち並ぶエリアの境目で立地もよく、叔父さんの家からも徒歩で15分と便利なとこだった。
なんとなく正面から建物をみた時に引っかかるものがあったが悪い感じでは無かったので直ぐに意識から消えた。玄関を入るとシンプルなエントランスホールに一人の女性の姿が見えた。
「貴方がミーナちゃんね。初めまして。私がマリアよ。これから一緒に行動するのだし遠慮はいらないよ。どうぞよろしくね。で、ミーナちゃんは料理出来る?うちのパーティ、私も含めてそこがちゃんとこなせる人が居ないから是非食事担当お願いしたいのだけど?」
とても優しそうな笑顔で聞かれて思わず頷いてしまった。
「初めまして。ミーナです。此方こそよろしくお願いします。ここでは担当制で分担しているのですか?私で良ければ料理しますよ。美味しいかどうかはわかりませんが。」
アルトさんの話ではマリアさんが主に家事を、ロトさんがそれのフォローと馬の世話を、アルトさんはリーダーとの事で日々の予定管理をしているらしい。ただ食事については誰も得意な物がいなくて今まではここそれぞれ適当に済ましていたとの事。もし私が引き受けてくれたら朝食と夕食、それに伴う買い物をお願いしたかったらしい。ただ、何か予定があったり面倒なときは言ってくれたら各々用意するからそんなにキチンとでなくても良いと。費用はパーティ資金から出してくれるみたいなので心良く了解した。買い出しについては他の人にも手伝ってもらったら良いと言って貰えたのでそうする事にした。
引っ越しが終わって落ち着いたらで良いとの事なのでそのつもり。話ながら2人が私が貰う部屋へと案内してくれた。
「従魔達が、いつでも庭で遊べるように一階にしておいたよ。バルコニーから庭にでれる様になっているから。庭から奥に続く森もある程度までは入る事が出来るし、一定のところまでいくと先には進めなくなっていて勝手に人様の敷地に入ってしまう事もない。安心して遊ばせてやれるぞ。」
部屋の中を物色しながら頷いた。
もう少ししたらここが私のプライベート空間。快適そうで何より。
こうして拠点を案内してもらい、アルトと2人ギルドに向かった。
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