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私の初恋
* ゆずといつき2
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私と上崎先輩が次に会ったのは、初めて電話をした三日後だった。
日曜日の午後5時に学校の近くのファミリーレストランで待ち合わせた。
待ち合わせから20分も早く着いた私は先に席に座り、上崎先輩を待っていた。
「こちらにどうぞ、ご注文がお決まりになりましたらそちらのベルでお呼び下さいませ」
私を案内してくれた店員さんは人形と見間違えるくらいに可愛く、思わず見惚れてしまった。
『梅原…』
あれ…どこかで聞いた事ある名前…。
私はしばらく考えてみたけど結局、思い出せずに諦めてしまった。
15分程一人で待っていると私の会いたかった人がこちらに歩いてくるのが見えて、思わず立ち上がっていた。
「ごめん花白さん、遅くなった」
「いいえ、私が早く来すぎちゃってすみません」
「嬉しい…」
「え?」
「誰かに待ってもらう日が来るなんて夢みたいで嬉しい…。」
上崎先輩は 心からそう思っているようだった。
私もつられて嬉しくなり、頬が緩む。
私たちは席に着いてメニュー表を広げた。
こんな風にお父さん以外の男の人と出掛けた事がないから恥ずかしくて挙動不審になってしまう。
「花白さん何が好き?もし良かったら同じ物頼まない?」
「えっ?」
私は昔から優柔不断で、乙葉と出掛けても自分でメニューを決めるのに時間がかかる。
だから、こんな風に言ってくれる上崎先輩に感謝の眼差しを向けた。
すると、先輩もこちらを見ていたようでバチっと目が合ってしまった。
「えっと…せっ先輩は何を食べますか?」
「暑いからアイスとか?嫌いなものあったら教えて、遠慮しなくていいから!」
「先輩…優しい…」
思わず口から出てしまった心の声は口を抑える頃には先輩の耳に入っていて、先輩は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「実は、女の子とデートなんてした事ないから緊張しまくってて…勝手に一緒のもの食べた方が話題とか作りやすいかなって…自分本意でごめん…」
「そんな事ありません!私、昔から優柔不断でメニューとか決めるの苦手で…だから凄く助かりました!」
私は先輩に心からお礼を言った。
「そんなっ!花白さんが喜んでくれたなら良かった。花白さんとデートできてよかった。」
私は今、上崎先輩とデートしているんだ。
そう思うと一気に顔が熱くなった。
「先輩、アイス何味にしますか?私はコーヒー味以外なら食べれます…コーヒーの苦味が苦手で…すみません」
「俺もコーヒーは苦手、最近少しだけ飲めるようになってきたけどまだ好んでは飲めないかな」
例え私に合わせてくれているのだとしても嬉しかった。共通点が見つかると嬉しくて笑みが溢れる。
私たちは結局、バニラアイスが添えられたチーズケーキを注文した。
飲み物は二つオレンジジュース。
オーダーを取りに来た男性は端正な顔立ちで、この人にも見覚えがあるような気がした。
「ご注文どうぞ…あれっ上崎じゃん」
「よう!岡本、今日は梅原さんと仲良く出勤か?」
「まあな、上崎もデートか?」
「おう、日本にいても幸せになれました。早まらなくてよかったぜ」
「まあ、ゆっくりしてけよ。」
「サンキュー」
立ち去る男性の姿を見つめていると私の記憶から二人の男女が思い起こされた。
「あっ…関わったら呪われる…美男美女カップル」
私の呟きを聞いた上崎先輩は思いっきり吹き出した。
「花白さんっ何その話」
「私の友人が、体育祭の日に上崎先輩の写真を撮っていたらその先に梅原先輩がいて、写真撮るの止められちゃって、理由を聞いたらあのカップルに関わると呪われるって噂を教えてくれたんです」
「まあ、確かにあの二人には近づきにくいけどそれだけ仲のいいカップルなんだなって俺は思ってる。まあ、岡本みたいなイケメンが俺みたいなやつと仲良くしてくれるのはありがたい話だよ。」
「先輩も…先輩もかっこいいです!」
上崎先輩の話を聞いているうちに勝手に熱くなって立ち上がって大胆なことを言ってしまった。
恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆って慌てて椅子に座った。
穴があったら入りたいとはこういう時に使う言葉なんだなと実感する。
「あっありがとう…花白さんだけだよ、そんなこと言ってくれるの…」
目の前の上崎先輩の声はすごく優しくて暖かいものだった。
「お待たせ致しました。上崎さん幸せそう…良かったね!」
私たちの席に商品を提供しに来たのは梅原先輩だった。作り物のような綺麗な顔が私たちを優しく見つめる。
優しげに見える表情はどこか冷たさも感じた。
心の底では何を思っているか分からない人だった。
「梅原さん、ありがとう。バイトお疲れ様」
「ありがとう、じゃあまたね」
梅原先輩は商品を置くと一礼をして去っていった。
「いただきます」
私たちは運ばれてきたデザートを頬張り、幸せを感じた。
しばらくデザートを頬張っていると上崎先輩が私を見つめ口を開いた。
「花白さんは写真が好きなの?知らないこといっぱいだからもっと色々知りたくて…ってなんか気持ち悪いね。ごめん。」
話しかけてくれるだけで嬉しいのに私のことをもっと知りたいなんて…。嬉しすぎて言葉にならない。
「気持ち悪いなんて思いません。すごく嬉しいです。じゃあ自己紹介します!」
私は先輩にもっと私を知って欲しくて自己紹介を始めた。
「花白柚子 16歳6月11日生まれです。血液型はO型で趣味はピアノと写真を撮ることです。後犬を飼っています! 以上です」
上崎先輩は私の自己紹介を聞いて拍手をしてくれた。それだけで優しい人なのが分かる。
「俺も自己紹介、上崎樹です。17歳、5月5日生まれのO型です。趣味は特にないかも…。毎日バイトしてます」
私も先輩の自己紹介を聞いて拍手をした。
先輩は照れ臭そうに頭を掻いていた。
一つ一つの仕草が可愛らしくて見ていて飽きなかった。私が先輩を見つめていると先輩が私に質問をしてきた。
「花白さんの飼っている犬って何犬?」
「私の犬はチワワです。先輩のアイコンは飼っている犬ですか?」
「あっ、あの犬はバイト先の先輩が飼ってる柴犬で黒糖丸って名前なんだ。その先輩が甘いものが好きで黒いものから名前を想像したら黒糖が浮かんで黒糖丸にしたらしいんだけど、なかなか可愛い犬であうたびに連れて帰りたくなっちゃう」
上崎先輩は黒糖丸を思い出しているのか遠い目をしていた。
バイト先の先輩というと女性だろうか…。
私は頭を横に振り余計な考えを振り払った。
上崎先輩は未だ遠い目をしていて何か考え事をしているようだ。
しばらくすると先輩の視線は目の前の私に帰ってきた。
「花白さんの家のチワワは名前は何?」
「えっと…ココアです!毎日家族をお出迎えしてくれるいい子なんです!」
こんな親バカ発言にも上崎先輩は優しい顔をして頷いてくれた。
私たちは一時間半程、この場所に滞在してから店を出た。
私たちが帰る頃には梅原先輩達の姿はなかった。
上崎先輩は私を駅まで送ってくれた。
もう、バイバイしなきゃいけないんだと思うと寂しくなって、時間が止まればいいのに…なんて思ってしまう。
電車が来る五分前になり、ホームに行こうとした時、先輩が私に声をかけた。
「花白さんっ今日はありがとう!それと、こんな俺を好きになってくれてありがとう…。これからもよろしくお願いします」
先輩の言葉を聞いた瞬間、私の中の恋が溢れ出した。目から熱いものが伝い、私の頬を飾って地面に落ちる。
「先輩、大好きです」
まだまだお互いを知らないし、まだまだ恋愛初心者だけど、先輩を思う気持ちは膨らむばかりだった。
それを素直に伝えられてホッとした。
私の言葉に驚いている先輩に一礼をして駅のホームに歩いた。先輩も手を振って見送ってくれた。
電車に乗るといつものようにイヤホンを付けクラッシックを流す。
いつも聞いている曲が今日は違う風に聞こえた。
三葉駅まで電車に揺られ私は駅に降り立った。
いつもなら寂しい帰り道も、今日のことを思い出すと足に羽が生えたようにスキップを踏めた。
「先輩とデート出来た、先輩は犬が好き、先輩は優しい!」
思い出すだけで頬が緩んだ。
「ただいまー!」
私が家に帰ると今日は、母も父も家にいた。
いつも通りココアが一番にお出迎えしてくれる。
「ただいま、ココア!」
ココアの小さな頭を優しく撫でると嬉しそうに私の手を舐めてきた。
先輩も犬が好き…。
共通点嬉しいな。
私は先輩にメッセージを送った。
『上崎先輩、今日はありがとうございました。先輩と食べたデザートはいつもよりおいしく感じました!先輩のことが少しでも分かって嬉しいです。これからもよろしくお願いします!また明日学校で!おやすみなさい。』
最初はあまり付けなかった絵文字も今日はあちこちに散りばめて飾りつけしてみた。
ピロンっ。
私がメッセージを送った1分後、新着メッセージを受信した音が私の耳に響いた。
『こちらこそ今日はありがとう!とても楽しかったです。また一緒に遊んでください。ゆっくり休んでね、おやすみなさい』
上崎先輩からのメッセージの最後に睡眠を表す顔文字と犬の足跡のようなマークが付いていて、私の胸は高鳴った。
「先輩…大好きだ…」
初めての恋で分からないことだらけだけど、たしかに分かっているのは上崎樹さんが好きで好きでたまらないことだった。
先輩はどう思っているんだろう…。
先輩も同じ気持ちならいいのに…。
初恋ってこんなに暖かいんだ。
私は目を閉じた。
明日も先輩に会えるといいな。
日曜日の午後5時に学校の近くのファミリーレストランで待ち合わせた。
待ち合わせから20分も早く着いた私は先に席に座り、上崎先輩を待っていた。
「こちらにどうぞ、ご注文がお決まりになりましたらそちらのベルでお呼び下さいませ」
私を案内してくれた店員さんは人形と見間違えるくらいに可愛く、思わず見惚れてしまった。
『梅原…』
あれ…どこかで聞いた事ある名前…。
私はしばらく考えてみたけど結局、思い出せずに諦めてしまった。
15分程一人で待っていると私の会いたかった人がこちらに歩いてくるのが見えて、思わず立ち上がっていた。
「ごめん花白さん、遅くなった」
「いいえ、私が早く来すぎちゃってすみません」
「嬉しい…」
「え?」
「誰かに待ってもらう日が来るなんて夢みたいで嬉しい…。」
上崎先輩は 心からそう思っているようだった。
私もつられて嬉しくなり、頬が緩む。
私たちは席に着いてメニュー表を広げた。
こんな風にお父さん以外の男の人と出掛けた事がないから恥ずかしくて挙動不審になってしまう。
「花白さん何が好き?もし良かったら同じ物頼まない?」
「えっ?」
私は昔から優柔不断で、乙葉と出掛けても自分でメニューを決めるのに時間がかかる。
だから、こんな風に言ってくれる上崎先輩に感謝の眼差しを向けた。
すると、先輩もこちらを見ていたようでバチっと目が合ってしまった。
「えっと…せっ先輩は何を食べますか?」
「暑いからアイスとか?嫌いなものあったら教えて、遠慮しなくていいから!」
「先輩…優しい…」
思わず口から出てしまった心の声は口を抑える頃には先輩の耳に入っていて、先輩は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「実は、女の子とデートなんてした事ないから緊張しまくってて…勝手に一緒のもの食べた方が話題とか作りやすいかなって…自分本意でごめん…」
「そんな事ありません!私、昔から優柔不断でメニューとか決めるの苦手で…だから凄く助かりました!」
私は先輩に心からお礼を言った。
「そんなっ!花白さんが喜んでくれたなら良かった。花白さんとデートできてよかった。」
私は今、上崎先輩とデートしているんだ。
そう思うと一気に顔が熱くなった。
「先輩、アイス何味にしますか?私はコーヒー味以外なら食べれます…コーヒーの苦味が苦手で…すみません」
「俺もコーヒーは苦手、最近少しだけ飲めるようになってきたけどまだ好んでは飲めないかな」
例え私に合わせてくれているのだとしても嬉しかった。共通点が見つかると嬉しくて笑みが溢れる。
私たちは結局、バニラアイスが添えられたチーズケーキを注文した。
飲み物は二つオレンジジュース。
オーダーを取りに来た男性は端正な顔立ちで、この人にも見覚えがあるような気がした。
「ご注文どうぞ…あれっ上崎じゃん」
「よう!岡本、今日は梅原さんと仲良く出勤か?」
「まあな、上崎もデートか?」
「おう、日本にいても幸せになれました。早まらなくてよかったぜ」
「まあ、ゆっくりしてけよ。」
「サンキュー」
立ち去る男性の姿を見つめていると私の記憶から二人の男女が思い起こされた。
「あっ…関わったら呪われる…美男美女カップル」
私の呟きを聞いた上崎先輩は思いっきり吹き出した。
「花白さんっ何その話」
「私の友人が、体育祭の日に上崎先輩の写真を撮っていたらその先に梅原先輩がいて、写真撮るの止められちゃって、理由を聞いたらあのカップルに関わると呪われるって噂を教えてくれたんです」
「まあ、確かにあの二人には近づきにくいけどそれだけ仲のいいカップルなんだなって俺は思ってる。まあ、岡本みたいなイケメンが俺みたいなやつと仲良くしてくれるのはありがたい話だよ。」
「先輩も…先輩もかっこいいです!」
上崎先輩の話を聞いているうちに勝手に熱くなって立ち上がって大胆なことを言ってしまった。
恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆って慌てて椅子に座った。
穴があったら入りたいとはこういう時に使う言葉なんだなと実感する。
「あっありがとう…花白さんだけだよ、そんなこと言ってくれるの…」
目の前の上崎先輩の声はすごく優しくて暖かいものだった。
「お待たせ致しました。上崎さん幸せそう…良かったね!」
私たちの席に商品を提供しに来たのは梅原先輩だった。作り物のような綺麗な顔が私たちを優しく見つめる。
優しげに見える表情はどこか冷たさも感じた。
心の底では何を思っているか分からない人だった。
「梅原さん、ありがとう。バイトお疲れ様」
「ありがとう、じゃあまたね」
梅原先輩は商品を置くと一礼をして去っていった。
「いただきます」
私たちは運ばれてきたデザートを頬張り、幸せを感じた。
しばらくデザートを頬張っていると上崎先輩が私を見つめ口を開いた。
「花白さんは写真が好きなの?知らないこといっぱいだからもっと色々知りたくて…ってなんか気持ち悪いね。ごめん。」
話しかけてくれるだけで嬉しいのに私のことをもっと知りたいなんて…。嬉しすぎて言葉にならない。
「気持ち悪いなんて思いません。すごく嬉しいです。じゃあ自己紹介します!」
私は先輩にもっと私を知って欲しくて自己紹介を始めた。
「花白柚子 16歳6月11日生まれです。血液型はO型で趣味はピアノと写真を撮ることです。後犬を飼っています! 以上です」
上崎先輩は私の自己紹介を聞いて拍手をしてくれた。それだけで優しい人なのが分かる。
「俺も自己紹介、上崎樹です。17歳、5月5日生まれのO型です。趣味は特にないかも…。毎日バイトしてます」
私も先輩の自己紹介を聞いて拍手をした。
先輩は照れ臭そうに頭を掻いていた。
一つ一つの仕草が可愛らしくて見ていて飽きなかった。私が先輩を見つめていると先輩が私に質問をしてきた。
「花白さんの飼っている犬って何犬?」
「私の犬はチワワです。先輩のアイコンは飼っている犬ですか?」
「あっ、あの犬はバイト先の先輩が飼ってる柴犬で黒糖丸って名前なんだ。その先輩が甘いものが好きで黒いものから名前を想像したら黒糖が浮かんで黒糖丸にしたらしいんだけど、なかなか可愛い犬であうたびに連れて帰りたくなっちゃう」
上崎先輩は黒糖丸を思い出しているのか遠い目をしていた。
バイト先の先輩というと女性だろうか…。
私は頭を横に振り余計な考えを振り払った。
上崎先輩は未だ遠い目をしていて何か考え事をしているようだ。
しばらくすると先輩の視線は目の前の私に帰ってきた。
「花白さんの家のチワワは名前は何?」
「えっと…ココアです!毎日家族をお出迎えしてくれるいい子なんです!」
こんな親バカ発言にも上崎先輩は優しい顔をして頷いてくれた。
私たちは一時間半程、この場所に滞在してから店を出た。
私たちが帰る頃には梅原先輩達の姿はなかった。
上崎先輩は私を駅まで送ってくれた。
もう、バイバイしなきゃいけないんだと思うと寂しくなって、時間が止まればいいのに…なんて思ってしまう。
電車が来る五分前になり、ホームに行こうとした時、先輩が私に声をかけた。
「花白さんっ今日はありがとう!それと、こんな俺を好きになってくれてありがとう…。これからもよろしくお願いします」
先輩の言葉を聞いた瞬間、私の中の恋が溢れ出した。目から熱いものが伝い、私の頬を飾って地面に落ちる。
「先輩、大好きです」
まだまだお互いを知らないし、まだまだ恋愛初心者だけど、先輩を思う気持ちは膨らむばかりだった。
それを素直に伝えられてホッとした。
私の言葉に驚いている先輩に一礼をして駅のホームに歩いた。先輩も手を振って見送ってくれた。
電車に乗るといつものようにイヤホンを付けクラッシックを流す。
いつも聞いている曲が今日は違う風に聞こえた。
三葉駅まで電車に揺られ私は駅に降り立った。
いつもなら寂しい帰り道も、今日のことを思い出すと足に羽が生えたようにスキップを踏めた。
「先輩とデート出来た、先輩は犬が好き、先輩は優しい!」
思い出すだけで頬が緩んだ。
「ただいまー!」
私が家に帰ると今日は、母も父も家にいた。
いつも通りココアが一番にお出迎えしてくれる。
「ただいま、ココア!」
ココアの小さな頭を優しく撫でると嬉しそうに私の手を舐めてきた。
先輩も犬が好き…。
共通点嬉しいな。
私は先輩にメッセージを送った。
『上崎先輩、今日はありがとうございました。先輩と食べたデザートはいつもよりおいしく感じました!先輩のことが少しでも分かって嬉しいです。これからもよろしくお願いします!また明日学校で!おやすみなさい。』
最初はあまり付けなかった絵文字も今日はあちこちに散りばめて飾りつけしてみた。
ピロンっ。
私がメッセージを送った1分後、新着メッセージを受信した音が私の耳に響いた。
『こちらこそ今日はありがとう!とても楽しかったです。また一緒に遊んでください。ゆっくり休んでね、おやすみなさい』
上崎先輩からのメッセージの最後に睡眠を表す顔文字と犬の足跡のようなマークが付いていて、私の胸は高鳴った。
「先輩…大好きだ…」
初めての恋で分からないことだらけだけど、たしかに分かっているのは上崎樹さんが好きで好きでたまらないことだった。
先輩はどう思っているんだろう…。
先輩も同じ気持ちならいいのに…。
初恋ってこんなに暖かいんだ。
私は目を閉じた。
明日も先輩に会えるといいな。
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