黄昏一番星

更科二八

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2章 終末を呼ぶ狼

286話 結局下の話

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「ガグー起きろ!」

せっかくだしみんなで風呂に浸かりたいと思いガグを起こす。

「んーすまん、寝てた」
「みんな来たしガグももっかい風呂つかろうぜ」
「ああ、・・・・落ち着いたら行く」

ガグはまだまだギンギンのままだ。ガグにしてはちゃんと気を遣ったようだ。
俺は既に鎮めたので先に湯船に行く。
ここの湯船は体格が大きくても5人ならゆっくり浸かれる広さはある。

「こんなワイワイ風呂入るのは訓練兵の兵舎を思い出すっすね」
「だねーでも忙しないから落ち着かなかったよねー」
「未だに湯船は1分までとかルールあるのか?」
「いやー風呂の時間は決められてたっすけどそれはないっすよ、兵長のときはそんなルールあったっすか?」
「へんなルールいっぱいあったぜ、1年のときは湯を使うの禁止だったり上級生を洗ってやらないと行けなかったり、デカいのは生意気だからって腰布巻かないといけなかったりな。クソ生意気な上級生がいてな、そいつを持ち回りで抜いてやらないといけないのが辛かったな。俺は入隊したの遅かったから歳上だったのに」
「うわー・・毎年変なルールできるとは聞いてるっすけど、俺らの時はだいぶゆるかったんすね」
「訓練兵って大変なんだなー」

兵士の訓練はなかなか過酷で逃げ出すものもいるという噂は聞いたことがあるが、訓練以外にも環境的にもたいへんそうだ。
でもみんな鍛えてる男たちなわけだし、風呂は一度混じってみたい気がする。

「兵士ってずっと大変なんすよ。今がめちゃくちゃ平和っすね」
「兵士になったあともずっと訓練だからねー。町の警備の仕事もしつつだから訓練兵の時より忙しい時あるなー」
「上官の立場になっても仕事量は変わんねえよ。給料はけっこうよくなるけどな」
「兵士にならないか誘われること良くあったけど断って正解だったかも」

配達屋の頃は兵士や傭兵の奴らからは時々転職を勧められていた。
戦いなんてできっこないと思ってたから断っていたが、よく言われるのは謎だった。
魔力がかなり多いのが原因っぽいが、タイガに言われるまではそれすら知らなかった。

「忙しさだけならエドガーもかなりのもんだったんじゃないー?町の至る所で目撃情報あるよねー」
「毎日町の端から端まで走り回ってたからな」
「巡回でもそんなには動かないっすよ、配達屋って凄いっすよね」
「それだけ動いてたのは俺ぐらいだけどな。店長に嫌われてたから嫌がらせで」
「嫌われるような事してたっすか?」
「いや、獣人嫌いってだけ」
「いるよなー昔気質っつうか、普人族の年配のやつとかに特に多い。俺らの話なんて一切聞きやしないからとりつくしまもねえもんな」
「亜人どもは街から追い出せってよく言われるっすよ」
「嘆願書もよくくるよな、領主屋敷に持ち込む前に捨てろってなってるから、領主様も迷惑してんだろうな」
「めんどくさい話をしてるな」
「おーガグ!やっときたか。って治ってねえじゃん!」

勃起を鎮めてからくると言っていてたガグはいまだにギンギンだった。

「抜くまで治まりそうにない、もう諦めた」
「わはは!元気だな!」

ガグは結局そのまま湯船に浸かってきた。
目立ちすぎて全員の視線を集めていて、それがわかっているのか誇らしげにしている。

「そいやまえにさ、タイガにイタズラで空っぽになるまで射精が止まらなくなる魔法かけられてさ、凄かった」
「わはは!おもれー魔法あるもんだな!」
「ちょっと興味あるな」
「ガグは精力強いから地獄だぞ、俺も死ぬかと思ったし」
「それでもな、思う存分出してみたいとは思うことあるな!」
「ははは!気持ちはわかるぜ!」

ガグはともかくガルシアさんも興味あるのか。
兎獣人は精力強めだというし、例に漏れずというところだろう。
玉でかいしな。

「エドガーもそんだけデカいと性欲も強そうっすよね」
「まあなー休みの日とか10回以上はしてたし」
「いいよなー気軽にできる環境」

ガグが抜かないと大変なことになるが、俺も1日もしないとほんとムラムラしてしょうがない。
兵舎で世話になってた頃は出来なくて本当に辛かった。
配達屋の時は用足しついでに便所の個室で必ずしてたし、休みの日なんか10回と言わず1日中してる時もあった。今はタイガやガグには気遣いなしでいいから宿屋で気が済むまで処理してる。
獣人には発情期もあってその時は抑制する薬貰わないと勃ちっぱなしになって仕事にならない。
獣人の奴らはけっこう発情期に困ってる奴は多い。

「エドガーは1日最高何回したことあるのー?」
「発情期の時に88回。寝ずにしてた」
「負けた・・」
「バケモンっすね」
「みんなは?」
「俺は7回っすね・・」
「40ー・・」
「俺も40だな」
「わはは!108だ!俺の勝ちだな!」
「ガルシアさんすげえ!」

うさぎの獣人って特に発情期がきついって聞いたことがあるな。大変なんだろうなー。

「獣人は発情期があるから凄いな!」
「ガグも何気に張り合えてるっすからね・・」
「あの時期はもう薬飲まなきゃ何もできなくなるな」
「だよなーそわそわ興奮しっぱなしで抜くこと意外何も手につかねえ。なんもしてなくても勃起しちまうし抜いても抜いても治らねえしよ。ずっと下腹部熱いし、タマは重いし明らかにデカくなるし。ほんときついぜ」
「あーわかるわかる!変身魔法で普人族の姿になれば少し楽になるんだけど、それすら難しいから結局薬飲まなきゃいけない」
「エドガーたちそんななの?俺はそこまでじゃないなー。やろうと思えば沢山できて楽しいぐらいだなー」
「ほどほどがいいぜ、マジキツいからな」

ほんとにそう。
もし発情期の頃にタイガにあの魔法使われてたら1日中射精が終わらないかもしれない。
そんなことになれば干からびて死んでしまう。
俺の場合は冬の終わりから春先にかけて1月ぐらいあるのと秋に少し発情期が来ることもある。
春の方はタイガに会う前に終わっといて良かった。

「結局下の話ばっかっすねー」
「エドガーたちが悪い」
「俺悪くないよな?でも楽しいじゃん」
「わはは!男同士だしこんぐらいが気楽でいいよな」
「まあねー」
「そっすねー」

本当みんなといるのは気楽でいいや。
ガルシアさんもいい友人になれそうだ。
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