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1章 呪いの女
216話 シモンとの会合
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(スズナ視点)
シモンの到着の報告を受けてギルダナの街の北西に位置する兵士団の訓練場を訪れていた。
「シモン様、お待ちしておりましたわ」
「やあスズナ様、そちらも守備よく行っている見たいですね」
スズナのこれまでの役目は聖女に悟られないように気をつけつつ、しっかりと街に足止めする事だ。
汚職まみれだった教皇に関わる者からの護衛という名目で常に兵士たちを周りに配置して行動を制限させていた。
それだけではなんて事もないのだが、聖女や教会の為に身を切るものが続出しているので、寄付の受付を一旦止めさせたり、聖女が人々の目に触れる機会を自然と減らしたりなど調整がなかなか面倒だった。
教会の汚名を返上すべく聖女は懸命に人々の為に動こうとするので四六時中行動に気をかけなければいけなかった。
「シモン様の苦労と比べたら大したことではありませんわ。それよりもどうでしたか?」
「僕の方も一つを除いて概ね予定通りです。
聖女が危険たる証拠を揃えて、国王陛下殿に直訴してきました」
「まあ、すごいですわ!」
通常国王への謁見など通達を送っても緊急時を除けば1月以上は調整にかかってしまうものを、国の最も信用のおける冒険者であれば直ぐに会えてしまうということなのだ。
それだけ地位のあるものが協力してくれていることが幸運である。
「ちなみにですが、証拠はどのようなものなのでしょう」
「ギルドや僕の伝手を使って聖女関連の情報をくまなく探ったんですが、聖女が巡礼を初めてから7年の間に訪れた場所で、教会への寄付の為に身を滅ぼした人や聖女に会えない事を理由に命まで断ってしまった人たちが大勢いることが分かりました。その数がおよそ1200人、内400人程が亡くなっています」
「そんなにも!」
「ええ、教会としては印象が悪くなることですから、原因を隠していた事で数が掴みにくくなっていました。
教皇が捕まったおかげで調べやすくなって助かりましたよ」
聖女に心を奪われて死んでしまったものたちがそんなにもいたなんて驚きだ。
この街ではまだ死者は出ていないが今後気を付けていく必要がある。
「教皇が聖女の為に殺害したものたちも含めるとさらに多くのものが命を奪われてしまったと言うことなんですわね・・」
「教皇の件も調べましたよ、巡礼で訪れた街で起こった不審死や事故死は103件もありました。全てとは断言できませんがやはり数が多いですね」
「そうですか、そんなにも。
シモン様は悪しき魂と教皇が言っていたことに心当たりはございますか?」
「聖女がそう判断したという者たちですね。ありますよ。
人の中には時折聖女などの獣や魔族に対して強い特別な力を魂に宿した者が生まれてきます。
それの事だと思います。
力が目覚めれば勇者のような存在なのですが、目覚めた例は私は3人しか知りません、そして2人は獣に負けてしまいました。
今回の事でわかりましたが獣はその特別な力を感じ取り先んじて殺してしまっているようですね」
これを聞いて私には心当たりがあった。
タイガが言っていたエドガーには特別な力があるのではないかと言っていたこと。
もしシモン様の言われた獣に対抗しうる力があるのならばエドガーはこの街を守る大きな力になるかもしれない。
「もしかして、その者は聖女を見ると黒い靄のようなものが見えたりとか?」
「ええっ!?過去に会ったものもそう言っていました!力が覚醒している証拠ですよ!居るんですかこの街に!もしかしてこの前言われていた対抗できる者ですか?」
シモンがかなり興奮気味に聞いてきた。
やはりエドガーの力は特別なものだった。
最高峰の冒険者でも興味を引く存在のようだ。
「いいえ、別の者ですが、この件を私に伝えてくれた、聖女に対抗できる可能性のある者と一緒に行動している人ですわ」
「そうなんですね、いやー会いたいなー」
「呼べばそう時間もかからず会えると思いますわ」
「そうですか、うーん、でも今はやめておきます。会ったところで今できる事は無いですし、聖女の目につけば殺されかねませんしね」
実はエドガーは一度殺されてるのよね・・
タイガがエドガーを生き返らせたからこそ切り裂き魔捕獲から聖女討伐にまで至っている。
もしかしたら獣に対抗しうる力と言うのはこうなるためのものなのかしら。
なら聖女が危険視して当然ね。
「そうですか、それではこの後の事はどう致しますか?
私の方では聖女の王都までの移動護衛候補に呪いを受けていいないものたちをつける準備は進めています」
「それは素晴らしいです。魂をみれるものに協力頂いている感じですね。優秀な方がいて助かります。問題は僕ですね。
実のところ聖女に対抗できる人物の居場所は見つかったんですが、ウェステリカ大陸のかなり南西にある町に居るそうでして・・僕がこれから最高速で往復しても20日ぐらいかかるんですよね・・・」
ウェステリカ大陸はこの国の西側から海を隔てた大陸だ。
この国の西側の一部は陸伝いに渡ることもできる。
「20日ですか・・、それでは聖女が王都にたどり着いてしまいますわ」
この街から馬車で王都までは15日ほどかかる。
これから4日後の出発予定なので間に合わない。
「本当に申し訳ない、国内や僕が行ったことのある場所なら直ぐに連れてこれたのですが、よりにもよってめちゃくちゃ辺境の街に居るものですから。なのでお願いが一つあります。聖女の旅程を少し伸ばせませんか?」
「・・・正直、厳しいです。聖女の王都行きに関しては護衛の選抜以外は全て主人が取り仕切っておりますし。主人は呪いも受けております。それにこちらの都合で王都到着が遅れたとなればランダバウト領の印象がかなり落ちてしまいますし・・。こんな状況でこのような事を考えるべきではないのですが」
王には聖女を討つ事は伝わっているのだろうが、かなりデリケートな問題でもある。
私たちの行動によっては誤解を招きかねないし、抜け目ない貴族たちはこの事で足を引っ張ってくるだろう。
いずれは私たちの正当性は理解されるだろうが暫くは批判と戦うことになる。
シモン様が直接指揮してくださるのであればそういう心配も少なくて済んだのだけれど・・
「いいえ、領地の事情もわかります。今年は魔物被害も少なくないと聞いていますので、聖女を倒せたとしても領地運営に問題が出ては困りますよね・・」
「申し訳ございません」
「いえいえ、無理を言ったのは僕の方ですから。しかしどうしましょう、もういっそ囚人でも雇って夜盗としてけしかけしまうか。そうするとそちらの兵に危害が出てしまう可能性もありますが・・」
けしかけると聞いて頭をよぎるあの人物。
うってつけだろうと思うのだが、危険ではないのか。
もしも兵士たちに余計な被害を出してしまったり。
凶悪な手段をとってしまったら。
そこは私がしっかり手綱を握らなくては。
彼だってこの領にいられなくなる事や、せっかく気に入っているエドガーと離されたくは無いだろう。
「私の知る聖女に対抗できるかも知れない人物が、けしかけるには最適かも知れませんわ。彼は兵士でもないワーカーですし」
「ですが、それではスズナ様やその人の立場が危うく成りかねないですよ。
いずれは理解される事であっても、王からの許可が出ている事であっても、それが伝わる前に罰せられる可能性もあります」
「そうですね、そこに関しては少し味方を作っておこうと思います。シモン様からも一筆ください」
「なるほど、構いませんよ。
ところで、その聖女にけしかける相手はどのような方で?」
「私と同郷の鬼族ですわ。傭兵の能力測定S評価で賢者の証も持っています」
「確かに、それはなかなかの人物ですね。
ですがくれぐれも近づきすぎないようにしてください。
鬼族は呪いに強くはありますが、種族特性で防げる程甘くはないですから。それに呪われて敵になれば厄介ですからね」
「ええ、くれぐれも妨害に徹底するように言っておきますわ」
本当はタイガが聖女を倒してくれればと期待しなくもないのだが。
私が知る彼の評価できるポイントをシモン様に伝えても、そこまで響いてはないようだ。
先ほどのエドガーに見せた反応の方が大きい。
獣の強さを知る者の評価だ、タイガには直接戦闘は避けるように徹底させよう。
シモンの到着の報告を受けてギルダナの街の北西に位置する兵士団の訓練場を訪れていた。
「シモン様、お待ちしておりましたわ」
「やあスズナ様、そちらも守備よく行っている見たいですね」
スズナのこれまでの役目は聖女に悟られないように気をつけつつ、しっかりと街に足止めする事だ。
汚職まみれだった教皇に関わる者からの護衛という名目で常に兵士たちを周りに配置して行動を制限させていた。
それだけではなんて事もないのだが、聖女や教会の為に身を切るものが続出しているので、寄付の受付を一旦止めさせたり、聖女が人々の目に触れる機会を自然と減らしたりなど調整がなかなか面倒だった。
教会の汚名を返上すべく聖女は懸命に人々の為に動こうとするので四六時中行動に気をかけなければいけなかった。
「シモン様の苦労と比べたら大したことではありませんわ。それよりもどうでしたか?」
「僕の方も一つを除いて概ね予定通りです。
聖女が危険たる証拠を揃えて、国王陛下殿に直訴してきました」
「まあ、すごいですわ!」
通常国王への謁見など通達を送っても緊急時を除けば1月以上は調整にかかってしまうものを、国の最も信用のおける冒険者であれば直ぐに会えてしまうということなのだ。
それだけ地位のあるものが協力してくれていることが幸運である。
「ちなみにですが、証拠はどのようなものなのでしょう」
「ギルドや僕の伝手を使って聖女関連の情報をくまなく探ったんですが、聖女が巡礼を初めてから7年の間に訪れた場所で、教会への寄付の為に身を滅ぼした人や聖女に会えない事を理由に命まで断ってしまった人たちが大勢いることが分かりました。その数がおよそ1200人、内400人程が亡くなっています」
「そんなにも!」
「ええ、教会としては印象が悪くなることですから、原因を隠していた事で数が掴みにくくなっていました。
教皇が捕まったおかげで調べやすくなって助かりましたよ」
聖女に心を奪われて死んでしまったものたちがそんなにもいたなんて驚きだ。
この街ではまだ死者は出ていないが今後気を付けていく必要がある。
「教皇が聖女の為に殺害したものたちも含めるとさらに多くのものが命を奪われてしまったと言うことなんですわね・・」
「教皇の件も調べましたよ、巡礼で訪れた街で起こった不審死や事故死は103件もありました。全てとは断言できませんがやはり数が多いですね」
「そうですか、そんなにも。
シモン様は悪しき魂と教皇が言っていたことに心当たりはございますか?」
「聖女がそう判断したという者たちですね。ありますよ。
人の中には時折聖女などの獣や魔族に対して強い特別な力を魂に宿した者が生まれてきます。
それの事だと思います。
力が目覚めれば勇者のような存在なのですが、目覚めた例は私は3人しか知りません、そして2人は獣に負けてしまいました。
今回の事でわかりましたが獣はその特別な力を感じ取り先んじて殺してしまっているようですね」
これを聞いて私には心当たりがあった。
タイガが言っていたエドガーには特別な力があるのではないかと言っていたこと。
もしシモン様の言われた獣に対抗しうる力があるのならばエドガーはこの街を守る大きな力になるかもしれない。
「もしかして、その者は聖女を見ると黒い靄のようなものが見えたりとか?」
「ええっ!?過去に会ったものもそう言っていました!力が覚醒している証拠ですよ!居るんですかこの街に!もしかしてこの前言われていた対抗できる者ですか?」
シモンがかなり興奮気味に聞いてきた。
やはりエドガーの力は特別なものだった。
最高峰の冒険者でも興味を引く存在のようだ。
「いいえ、別の者ですが、この件を私に伝えてくれた、聖女に対抗できる可能性のある者と一緒に行動している人ですわ」
「そうなんですね、いやー会いたいなー」
「呼べばそう時間もかからず会えると思いますわ」
「そうですか、うーん、でも今はやめておきます。会ったところで今できる事は無いですし、聖女の目につけば殺されかねませんしね」
実はエドガーは一度殺されてるのよね・・
タイガがエドガーを生き返らせたからこそ切り裂き魔捕獲から聖女討伐にまで至っている。
もしかしたら獣に対抗しうる力と言うのはこうなるためのものなのかしら。
なら聖女が危険視して当然ね。
「そうですか、それではこの後の事はどう致しますか?
私の方では聖女の王都までの移動護衛候補に呪いを受けていいないものたちをつける準備は進めています」
「それは素晴らしいです。魂をみれるものに協力頂いている感じですね。優秀な方がいて助かります。問題は僕ですね。
実のところ聖女に対抗できる人物の居場所は見つかったんですが、ウェステリカ大陸のかなり南西にある町に居るそうでして・・僕がこれから最高速で往復しても20日ぐらいかかるんですよね・・・」
ウェステリカ大陸はこの国の西側から海を隔てた大陸だ。
この国の西側の一部は陸伝いに渡ることもできる。
「20日ですか・・、それでは聖女が王都にたどり着いてしまいますわ」
この街から馬車で王都までは15日ほどかかる。
これから4日後の出発予定なので間に合わない。
「本当に申し訳ない、国内や僕が行ったことのある場所なら直ぐに連れてこれたのですが、よりにもよってめちゃくちゃ辺境の街に居るものですから。なのでお願いが一つあります。聖女の旅程を少し伸ばせませんか?」
「・・・正直、厳しいです。聖女の王都行きに関しては護衛の選抜以外は全て主人が取り仕切っておりますし。主人は呪いも受けております。それにこちらの都合で王都到着が遅れたとなればランダバウト領の印象がかなり落ちてしまいますし・・。こんな状況でこのような事を考えるべきではないのですが」
王には聖女を討つ事は伝わっているのだろうが、かなりデリケートな問題でもある。
私たちの行動によっては誤解を招きかねないし、抜け目ない貴族たちはこの事で足を引っ張ってくるだろう。
いずれは私たちの正当性は理解されるだろうが暫くは批判と戦うことになる。
シモン様が直接指揮してくださるのであればそういう心配も少なくて済んだのだけれど・・
「いいえ、領地の事情もわかります。今年は魔物被害も少なくないと聞いていますので、聖女を倒せたとしても領地運営に問題が出ては困りますよね・・」
「申し訳ございません」
「いえいえ、無理を言ったのは僕の方ですから。しかしどうしましょう、もういっそ囚人でも雇って夜盗としてけしかけしまうか。そうするとそちらの兵に危害が出てしまう可能性もありますが・・」
けしかけると聞いて頭をよぎるあの人物。
うってつけだろうと思うのだが、危険ではないのか。
もしも兵士たちに余計な被害を出してしまったり。
凶悪な手段をとってしまったら。
そこは私がしっかり手綱を握らなくては。
彼だってこの領にいられなくなる事や、せっかく気に入っているエドガーと離されたくは無いだろう。
「私の知る聖女に対抗できるかも知れない人物が、けしかけるには最適かも知れませんわ。彼は兵士でもないワーカーですし」
「ですが、それではスズナ様やその人の立場が危うく成りかねないですよ。
いずれは理解される事であっても、王からの許可が出ている事であっても、それが伝わる前に罰せられる可能性もあります」
「そうですね、そこに関しては少し味方を作っておこうと思います。シモン様からも一筆ください」
「なるほど、構いませんよ。
ところで、その聖女にけしかける相手はどのような方で?」
「私と同郷の鬼族ですわ。傭兵の能力測定S評価で賢者の証も持っています」
「確かに、それはなかなかの人物ですね。
ですがくれぐれも近づきすぎないようにしてください。
鬼族は呪いに強くはありますが、種族特性で防げる程甘くはないですから。それに呪われて敵になれば厄介ですからね」
「ええ、くれぐれも妨害に徹底するように言っておきますわ」
本当はタイガが聖女を倒してくれればと期待しなくもないのだが。
私が知る彼の評価できるポイントをシモン様に伝えても、そこまで響いてはないようだ。
先ほどのエドガーに見せた反応の方が大きい。
獣の強さを知る者の評価だ、タイガには直接戦闘は避けるように徹底させよう。
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