黄昏一番星

更科二八

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1章 呪いの女

114話 男気オークション

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ギルドの仕事を済ませてタニロの食堂でメシを食い何事もなく兵舎に帰りついたと思ったら、魔法兵団の詰め所に賊が入り込み捕まったという話を聞かされた。
俺の仕掛けた罠が役に立ったようだ。

ただ、もう面倒くさい。
「エドガー、話聞きに行きたい?」
「面倒くさい」
エドガーももう動きたくないという感じだ。
今日俺らが出向いたところで特にやることもないだろう。
罠の魔法陣の写しも渡してあるから牢に勝手に追加するだろう。

一体どんな奴が捕まったのやら。
主犯の奴もまた速攻仕掛けてきたな。
奴隷印の解除を恐れてだろうが。

ここまで思惑を潰されたら流石に動きづらくなりそうだ。
それに生きて2人も捕らえたのだからもう主犯誰だか分かりそうだな。
こいつもどんな奴なんだか。

「明日俺が情報聞いとくっすよ」
流石はトレイ、できる男だ。
「ああ、たのむな」

というわけで、俺たちは特に何もせず、平和な1日として終わった。

翌日ギルドでいつものように仕事の受注とオークションの確認を済ませた。

平凡盗賊団の旅人の輪は今日中には落札者に引き渡されるようだ。
夕方には金が入るだろう。

俺が狙う旅人の輪は今日が最終日。
確認すると俺名前は消されて2人入札がある。ガグではない。
値段は50200ロング。
100刻みだ。またちっせえ真似を。

金額を消して60000に釣り上げておいた。
中古の旅人の輪の値段としては3倍である。
良かったな出品者!

「タイガは相場というものを知っているのか?」
呆れた口調で言ってくるのは居合わせていたガグだ。
どうやら昨日落札出来たものを購入しに来ていたようだ。
あそこにはめるタイプの旅人の輪だ。
モノの大きさは期待できないがガグもかなりの逞しさだ、身長は俺以上だしな。
そんな奴の股間にハマったリングは少し見てみたい物がある。
男を飾るにはいいんじゃないか。

オーガの男はピアスや髪飾り、指輪などで体を飾る文化がある。
股間もそうするのは自然な流れなのかもな。

俺の故郷にもピアスとか刺青してたやついたな。
悪くない、確かに男らしさは上がると思う。

「俺はこれが欲しいと思ったから、本気で勝負してるんだ。
みっともない賭け方は俺の矜持に反するってだけだ」
「タイガはオークション向いてないと思うぞ」
「身を滅ぼすタイプだな」

エドガーにも呆れられてしまった。
俺は勝てればそれでいいんだ!
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