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1章 呪いの女
97話 コボルト解体RTA
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「いやーやっぱり気持ちのいい解体だせ。
硬い皮や肉も何のその。バターに刃を入れるみたいに切っちまうからすげえや」
解体を見ていたバートが褒めてくれる。
「やっぱりデカいのは大変だな。吊るすやつとか無かったのか?」
「今日はあれに全部使っちまってるからな」
バートの指差す方向には異常にデカい魚、どちらかというと鯨が吊るされている。
ビッグソードフライフィッシュはヒレが剣のように鋭く伸びた異常にデカい空飛ぶ魚だ。
名前のまんまである。
「あれ食えるのか?」
「ああ、食えるぞ。明日あたりにはギルドの周りの酒場でも出されるんじゃないか?」
「ほー俺魚好きなんだよな、明日覗いてみるか」
俺の故郷は島国で畜産はそこまで盛んで無かったのでかなり水産資源に頼っていた。
魚人族も多かったから捕手も多く安く魚が手に入っていたし俺も好きだった。
肉が食いたければ山に入って魔物や動物を捕ってくればありつけたしいい環境だった。
大陸に来てからはほぼ内陸にいたので手に入っても干物ばかりだったから、新鮮な魚、かは怪しいが期待できる。
ギルダナの西と東どちらも馬車で5日ぐらいの距離で港町がある。
そこにもそのうち行ってみたいものだ。
「よし俺の仕事は終わったし、エドガーに解体教えるか」
「解体ってあんな感じなんだな。
もっと気持ち悪いかと思ってたけど意外と大丈夫そうだ」
「臭い大丈夫か?」
「ここに来た時は鼻が曲がりそうだったけど、いつの間にか慣れたぜ」
エドガーの順応速度の速いこと
これならコボルトの解体ぐらいすぐだろう。
その前に手早くバラしたドスグリズリーを片付ける。
ここまでやれば後の細かい処理は別の人がやってくれるらしいので助かる。
作業場に飛び散った汚れなどを家政魔法できれいにしてこれで本当に作業完了。
「掃除までやるとはやるなー、でも清掃部門からも人来てるから大丈夫だぞ」
「そうなのか。それは助かるな」
「エドガーにコボルトの解体も教えんだろ?
ならいっちょこの前みたいに皆んなの前で捌いて見せてやれよ」
「それバートが見たいだけじゃないのか」
「ははは!バレてたか!あんな気持ちのいい解体そう見れるもんじゃねえんだ。いいじゃねえか」
「ちゃんと1匹分の解体料つけといてくれよ」
「そりゃもちろん」
倉庫から取ってきてあったコボルトを担いで作業台の上に寝かせる。
「エドガーよく見とけよ。コボルトなんてあっという間だ」
「おう!」
コボルトを捌いていた他のワーカーも手を止めて俺の作業を見にくる。
全く大人気だぜ。
作業台の上のコボルトと向き合う。牛刀を手に持ち氣を込める。
集中・・・
風呂
スパッと腹を割って内臓を掻き出す。
裂いた腹をとっかかりに身と皮の隙間に牛刀を上手く当てがい力いっぱいに毛皮を剥がす。
骨の関節に刃をいれて手足と頭を落とす。
風魔法を上手く使い身から骨を引き抜く。
終わり!
5分!
「ちょっと調子落ちたな」
「あんときは相当極まってたよな。
まあ相変わらずすげえや。周りの反応が面白え」
周りはエドガー含めて唖然としている。
まあ血が吹き出そうがお構いなしで捌いてるからな。
俺はまた血まみれだ。
「タイガが凄いのはわかってたけど、もうちょっと見た目よく出来ないのか?」
「効率がな落ちるからな」
でもエドガーが言わんとすることは最もだろう。
俺の肌は赤いから血もそこまで目立たないが、エドガーは薄灰色だ。
全身真っ赤に染まってしまう。
「エドガーはちゃんと血を流しながらやろう」
「ああ、そうしたいな」
それからはエドガーや他に知りたがるワーカーたちに解体を教えて仕事をこなした。
硬い皮や肉も何のその。バターに刃を入れるみたいに切っちまうからすげえや」
解体を見ていたバートが褒めてくれる。
「やっぱりデカいのは大変だな。吊るすやつとか無かったのか?」
「今日はあれに全部使っちまってるからな」
バートの指差す方向には異常にデカい魚、どちらかというと鯨が吊るされている。
ビッグソードフライフィッシュはヒレが剣のように鋭く伸びた異常にデカい空飛ぶ魚だ。
名前のまんまである。
「あれ食えるのか?」
「ああ、食えるぞ。明日あたりにはギルドの周りの酒場でも出されるんじゃないか?」
「ほー俺魚好きなんだよな、明日覗いてみるか」
俺の故郷は島国で畜産はそこまで盛んで無かったのでかなり水産資源に頼っていた。
魚人族も多かったから捕手も多く安く魚が手に入っていたし俺も好きだった。
肉が食いたければ山に入って魔物や動物を捕ってくればありつけたしいい環境だった。
大陸に来てからはほぼ内陸にいたので手に入っても干物ばかりだったから、新鮮な魚、かは怪しいが期待できる。
ギルダナの西と東どちらも馬車で5日ぐらいの距離で港町がある。
そこにもそのうち行ってみたいものだ。
「よし俺の仕事は終わったし、エドガーに解体教えるか」
「解体ってあんな感じなんだな。
もっと気持ち悪いかと思ってたけど意外と大丈夫そうだ」
「臭い大丈夫か?」
「ここに来た時は鼻が曲がりそうだったけど、いつの間にか慣れたぜ」
エドガーの順応速度の速いこと
これならコボルトの解体ぐらいすぐだろう。
その前に手早くバラしたドスグリズリーを片付ける。
ここまでやれば後の細かい処理は別の人がやってくれるらしいので助かる。
作業場に飛び散った汚れなどを家政魔法できれいにしてこれで本当に作業完了。
「掃除までやるとはやるなー、でも清掃部門からも人来てるから大丈夫だぞ」
「そうなのか。それは助かるな」
「エドガーにコボルトの解体も教えんだろ?
ならいっちょこの前みたいに皆んなの前で捌いて見せてやれよ」
「それバートが見たいだけじゃないのか」
「ははは!バレてたか!あんな気持ちのいい解体そう見れるもんじゃねえんだ。いいじゃねえか」
「ちゃんと1匹分の解体料つけといてくれよ」
「そりゃもちろん」
倉庫から取ってきてあったコボルトを担いで作業台の上に寝かせる。
「エドガーよく見とけよ。コボルトなんてあっという間だ」
「おう!」
コボルトを捌いていた他のワーカーも手を止めて俺の作業を見にくる。
全く大人気だぜ。
作業台の上のコボルトと向き合う。牛刀を手に持ち氣を込める。
集中・・・
風呂
スパッと腹を割って内臓を掻き出す。
裂いた腹をとっかかりに身と皮の隙間に牛刀を上手く当てがい力いっぱいに毛皮を剥がす。
骨の関節に刃をいれて手足と頭を落とす。
風魔法を上手く使い身から骨を引き抜く。
終わり!
5分!
「ちょっと調子落ちたな」
「あんときは相当極まってたよな。
まあ相変わらずすげえや。周りの反応が面白え」
周りはエドガー含めて唖然としている。
まあ血が吹き出そうがお構いなしで捌いてるからな。
俺はまた血まみれだ。
「タイガが凄いのはわかってたけど、もうちょっと見た目よく出来ないのか?」
「効率がな落ちるからな」
でもエドガーが言わんとすることは最もだろう。
俺の肌は赤いから血もそこまで目立たないが、エドガーは薄灰色だ。
全身真っ赤に染まってしまう。
「エドガーはちゃんと血を流しながらやろう」
「ああ、そうしたいな」
それからはエドガーや他に知りたがるワーカーたちに解体を教えて仕事をこなした。
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