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テレワークで疲れて湖畔を散歩した結果
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テレワークで疲れた私は運動不足を補うために外に出る事にした。
40代ともなると食べる量を少なくしても運動しないと体が固まって来てほしくない所に肉が付いてしまう。
更に通勤もなくなり家でずっとデスクワークだとスマホの万歩計を一日の終わりに見ると数歩しか歩いていない事すらあった。
家の近くには幸い散歩にうってつけな湖畔があった。
今日はいつもより遅くなってしまい空には満月が浮かんでいた。
夜の闇は青くて水面には月明かりに照らされた木々が綺麗に映っていた。
運動靴というものを持たない私は靴紐付きの革靴の紐をしっかりと結びなおし歩き始めた。
すると、小さな少女が前を歩いているのが見えた。
ポシェットを斜めに掛けている。
そのポシェットの外側のポケットから何かが零れ落ちているのに気が付いた私は教えてあげようと手を伸ばした。あの、と声をかけようとして小さな悲鳴が喉奥から絞り出された。ポシェットからカエルやバッタがあふれ出していたからだ。彼女が一歩歩く度にゲコっとカエルが飛び出し、二歩目にバッタが羽を震わせながら飛び出してくる。爬虫類や虫が苦手な私には直視するのも酷すぎる。しかし、驚きに見開かれた目はさらに不思議な光景を目にした。カエルやバッタたちは地面に着くころにはどこかへと消えていってしまうのだ。女の子の歩くペースは速く驚いて動けなくなった私を置いて闇夜へと消えて行ってしまった。
見えなくなると私は急に催して来てしまった。
家に戻るには遠くまで来すぎた為に湖畔沿いにある公衆トイレへと向かう事にした。
トイレには煌々と明かりが灯され遠くからでもすぐに見つかった。
LEDではなく、蠟燭が明かりとして灯されちろちろと揺れる明かりは癒し効果大だ。
暫く眺めていたい位だが急を要するので直ぐに個室へと入る。
それにしても不思議だと思う。
蠟燭はどにも固定されていないのにトイレの入り口で灯っていた。
そういう作りなのか、周りは暗がりなので見えなかっただけなのか…。
トイレを済ませた後、私は考える事をやめた。
私は運動不足解消の為に散歩に来たのだ。
歩くことに集中しようと。
マルチタスクな仕事でこなして来た処理能力を今発揮しなければ。
それからしばらく歩いても今度はもう誰とも会わなかった。
まるで貸し切りの様に。
だんだんと息が上がって来て少し休みたいとベンチを探したがそういう時に限って中々たどり着かない。
あれ、この辺りにあったはず、と思うのだがだんだん足が重くなりとうとう歩けなくなってその場に座り込んでしまった。
ぜえぜえ、と肩で息をしていると湖から声がする。
大丈夫ですか?と話しかけてくれている。
今度は魚にでも話かけられたのかだろうか?何だか今日は変な事ばかりだ。もう驚くものかと湖の方へ視線を向けて問いかけに答えようとすると目の前が真っ白になった。
白すぎて何も見えない。
ただ、声だけは聞こえる。
誰の声だろう?寝ぼけている様なぼんやりとした心地よさと少しの不安感。
意識がはっきりしてくると妻の顔が見えた。
彼女の涙で濡れた頬を拭ってあげようと腕を上げて管が沢山付いているのに気付いた。
私はどうなってしまったのかと問おうとして声が出せない。
口にも何か付けられているらしい。
バタバタと白衣を着た人間が来て何やら話している。
数日たって私は退院することになった。
どうやら流行り病で倒れて入院し生死の縁をさまよっていたそうだ。
妻は本当に心配したんだから!と今も隣でいかに大変な状況だったのかを繰り返し説明してくれた。
家に帰ってから暫く安静にしていたが落ちてしまった体力を戻すためにも医師に歩くように言われていたので妻に付き添われながら湖畔へと赴いた。
熱病にうなされているときに見た夢は覚えている。
しかし、今は昼間で誰もいない。
さらに何の変哲もない静かで綺麗な湖しかない。
あれは夢で現実ではない。
私の回復を今も隣で喜んでくれている妻の為にもあの夢の話はこれから先も絶対にしないと決めた。
身体は大丈夫?と隣で話しかけてくれる妻の口から小さな子カエルがぴょんぴょんと飛び出して来ていたとしても…。
40代ともなると食べる量を少なくしても運動しないと体が固まって来てほしくない所に肉が付いてしまう。
更に通勤もなくなり家でずっとデスクワークだとスマホの万歩計を一日の終わりに見ると数歩しか歩いていない事すらあった。
家の近くには幸い散歩にうってつけな湖畔があった。
今日はいつもより遅くなってしまい空には満月が浮かんでいた。
夜の闇は青くて水面には月明かりに照らされた木々が綺麗に映っていた。
運動靴というものを持たない私は靴紐付きの革靴の紐をしっかりと結びなおし歩き始めた。
すると、小さな少女が前を歩いているのが見えた。
ポシェットを斜めに掛けている。
そのポシェットの外側のポケットから何かが零れ落ちているのに気が付いた私は教えてあげようと手を伸ばした。あの、と声をかけようとして小さな悲鳴が喉奥から絞り出された。ポシェットからカエルやバッタがあふれ出していたからだ。彼女が一歩歩く度にゲコっとカエルが飛び出し、二歩目にバッタが羽を震わせながら飛び出してくる。爬虫類や虫が苦手な私には直視するのも酷すぎる。しかし、驚きに見開かれた目はさらに不思議な光景を目にした。カエルやバッタたちは地面に着くころにはどこかへと消えていってしまうのだ。女の子の歩くペースは速く驚いて動けなくなった私を置いて闇夜へと消えて行ってしまった。
見えなくなると私は急に催して来てしまった。
家に戻るには遠くまで来すぎた為に湖畔沿いにある公衆トイレへと向かう事にした。
トイレには煌々と明かりが灯され遠くからでもすぐに見つかった。
LEDではなく、蠟燭が明かりとして灯されちろちろと揺れる明かりは癒し効果大だ。
暫く眺めていたい位だが急を要するので直ぐに個室へと入る。
それにしても不思議だと思う。
蠟燭はどにも固定されていないのにトイレの入り口で灯っていた。
そういう作りなのか、周りは暗がりなので見えなかっただけなのか…。
トイレを済ませた後、私は考える事をやめた。
私は運動不足解消の為に散歩に来たのだ。
歩くことに集中しようと。
マルチタスクな仕事でこなして来た処理能力を今発揮しなければ。
それからしばらく歩いても今度はもう誰とも会わなかった。
まるで貸し切りの様に。
だんだんと息が上がって来て少し休みたいとベンチを探したがそういう時に限って中々たどり着かない。
あれ、この辺りにあったはず、と思うのだがだんだん足が重くなりとうとう歩けなくなってその場に座り込んでしまった。
ぜえぜえ、と肩で息をしていると湖から声がする。
大丈夫ですか?と話しかけてくれている。
今度は魚にでも話かけられたのかだろうか?何だか今日は変な事ばかりだ。もう驚くものかと湖の方へ視線を向けて問いかけに答えようとすると目の前が真っ白になった。
白すぎて何も見えない。
ただ、声だけは聞こえる。
誰の声だろう?寝ぼけている様なぼんやりとした心地よさと少しの不安感。
意識がはっきりしてくると妻の顔が見えた。
彼女の涙で濡れた頬を拭ってあげようと腕を上げて管が沢山付いているのに気付いた。
私はどうなってしまったのかと問おうとして声が出せない。
口にも何か付けられているらしい。
バタバタと白衣を着た人間が来て何やら話している。
数日たって私は退院することになった。
どうやら流行り病で倒れて入院し生死の縁をさまよっていたそうだ。
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しかし、今は昼間で誰もいない。
さらに何の変哲もない静かで綺麗な湖しかない。
あれは夢で現実ではない。
私の回復を今も隣で喜んでくれている妻の為にもあの夢の話はこれから先も絶対にしないと決めた。
身体は大丈夫?と隣で話しかけてくれる妻の口から小さな子カエルがぴょんぴょんと飛び出して来ていたとしても…。
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