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第2章 森林炎上編
第35話 ヒーラー、SS級ダンジョン”朱雀の根城”に挑む
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俺たちは草木を掻き分け、カタリナ達が向かったダンジョンを探している。幸いにもカタリナが草を踏んでできた痕跡が少し残っていたのでそれを辿っていくことができた。
そうして、辿っていくと地面が隆起し、地下への道がある洞穴を見つけた。どうやらここが四神のいるダンジョンだ。四神が居るのならばダンジョンの難易度は跳ね上がり、SS級ダンジョンとなる。
SS級になるとフロアにいる魔物がボスクラスの魔物がうろつくようになる。だから、普通に戦うとボスラッシュの様になり、効率が悪く、こちらの体力も奪われていく。しかし、その代わり、宝はS級ダンジョンよりも多く得られることができる。そんなハイリスクハイリターンなダンジョンなのだ。勿論、魔物と戦わずに進む事はできるのだが、そんな事が意図的にできれば苦労はしないのだ。
「さぁ、ダンジョンに入るぞ。みんな良いな?」
「ここまで来たんだから、引くわけには行かないわよ」
「私も、みんなの役に立ちたいです!」
「私の仲間の為に戦います!」
皆の覚悟を確認し、俺たちはとうとうダンジョンの中へと潜った。
ダンジョン内には松明が一定間隔で置かれており、見通しがまあまあ良くなっている。どうやらカタリナのパーティが先に向かっていると言う事だ。しかし、一度通った道が安全であると言うわけではない。ここは……
「セシリア、またお前の鼻で危険感知を頼めるか?」
「任せて! クンクン……」
鼻の効くセシリアを前に出し、魔物の気配を見ながら進んでいくことにした。ゆっくりと進んでいくと別れ道にやってきた。右の道には松明が置かれているが、左の道は手がつけられていない様子だった。
普通なら開拓されている道の方が安全であると感じるが、セシリアがその道の向こうを見て、疑問に思っていた。
「何か……変だわ」
「どうしたのセシリー?」
「左の匂いは何もしない、魔物の気配もない。でも、右の道からは点々と魔物の匂いがする。あ、一つ消えた」
点々と言う事はつまり魔物が複数体いる、そしてリアルタイムで臭いが消えると言う事はつまり……
「もしかしたら交戦中かもしれない! みんな行くぞ!」
もしかしたら、ボスクラスに手を焼いているかもしれないと、急いで右の道へと向かった。その道を駆けていくと物音が聞こえてくる。この先にやっぱりいる……S級パーティでさえこのダンジョンに苦戦する筈だ。
駆けていく先に最初の部屋があり、その部屋へと駆け込む。
「大丈夫……か?」
その部屋に入るとそこにパーティはいなかった。しかし、部屋の奥で大きな影が何かを食べている。よく見るとそれは竜だ。恐らく大きな羽からしてドレイク種だろう。全体的な大きさからA級のミドルドレイクだと推測できる。しかし、問題はそこではない。A級の魔物を食らっている……それも数十体もだ。ここには恐らくミドルドレイク達の部屋だったのかもしれない。それの縄張りを邪魔したものが今俺たちの目の前にいる。
俺はゆっくりと火の灯りをそちらへ向ける。
そいつはまるで黒光りする鎧のような鱗を持ち、よく見ると羽だと思っていたものは鱗で覆われたコブだ。大きな尻尾と異様に長い胴体の先にはまるで蜥蜴のような顔をした竜がミドルドレイクの肉を骨ごと貪り食っていたのだ。
「臭いが一つだけになったわ……あれは?」
「……こいつは、S級モンスター……ファフニールだ」
雑用係の頃に本で読んだ覚えがあった。"翼を持たぬ竜"ファフニール、その名の通り翼を持たず飛ぶことができない竜だ。しかし、ファフニールにとって飛翔する事など関係ない程危険な魔物で、防御力、攻撃力共に竜の中ではトップクラスの能力を持っているのだ。
「みんな……構えろ」
俺がそう促すと、全員が武器を前に出して構える。
そして、ファフニールも俺たちの出す物音に気がついたのか振り向いて、俺たちに顔を見せると甲高く、威嚇の鳴き声を部屋全体に響かせた。
何故ここにファフニールが? さっきまで松明の火があったはず……S級パーティ達はこの魔物を倒さずに向かったのか? 分からない……でも今は、こいつを倒さないと先には進めないんだ……やってやる!
こうして、俺たちはSS級ダンジョンで最初にして厄介な魔物と戦うことになった。
そうして、辿っていくと地面が隆起し、地下への道がある洞穴を見つけた。どうやらここが四神のいるダンジョンだ。四神が居るのならばダンジョンの難易度は跳ね上がり、SS級ダンジョンとなる。
SS級になるとフロアにいる魔物がボスクラスの魔物がうろつくようになる。だから、普通に戦うとボスラッシュの様になり、効率が悪く、こちらの体力も奪われていく。しかし、その代わり、宝はS級ダンジョンよりも多く得られることができる。そんなハイリスクハイリターンなダンジョンなのだ。勿論、魔物と戦わずに進む事はできるのだが、そんな事が意図的にできれば苦労はしないのだ。
「さぁ、ダンジョンに入るぞ。みんな良いな?」
「ここまで来たんだから、引くわけには行かないわよ」
「私も、みんなの役に立ちたいです!」
「私の仲間の為に戦います!」
皆の覚悟を確認し、俺たちはとうとうダンジョンの中へと潜った。
ダンジョン内には松明が一定間隔で置かれており、見通しがまあまあ良くなっている。どうやらカタリナのパーティが先に向かっていると言う事だ。しかし、一度通った道が安全であると言うわけではない。ここは……
「セシリア、またお前の鼻で危険感知を頼めるか?」
「任せて! クンクン……」
鼻の効くセシリアを前に出し、魔物の気配を見ながら進んでいくことにした。ゆっくりと進んでいくと別れ道にやってきた。右の道には松明が置かれているが、左の道は手がつけられていない様子だった。
普通なら開拓されている道の方が安全であると感じるが、セシリアがその道の向こうを見て、疑問に思っていた。
「何か……変だわ」
「どうしたのセシリー?」
「左の匂いは何もしない、魔物の気配もない。でも、右の道からは点々と魔物の匂いがする。あ、一つ消えた」
点々と言う事はつまり魔物が複数体いる、そしてリアルタイムで臭いが消えると言う事はつまり……
「もしかしたら交戦中かもしれない! みんな行くぞ!」
もしかしたら、ボスクラスに手を焼いているかもしれないと、急いで右の道へと向かった。その道を駆けていくと物音が聞こえてくる。この先にやっぱりいる……S級パーティでさえこのダンジョンに苦戦する筈だ。
駆けていく先に最初の部屋があり、その部屋へと駆け込む。
「大丈夫……か?」
その部屋に入るとそこにパーティはいなかった。しかし、部屋の奥で大きな影が何かを食べている。よく見るとそれは竜だ。恐らく大きな羽からしてドレイク種だろう。全体的な大きさからA級のミドルドレイクだと推測できる。しかし、問題はそこではない。A級の魔物を食らっている……それも数十体もだ。ここには恐らくミドルドレイク達の部屋だったのかもしれない。それの縄張りを邪魔したものが今俺たちの目の前にいる。
俺はゆっくりと火の灯りをそちらへ向ける。
そいつはまるで黒光りする鎧のような鱗を持ち、よく見ると羽だと思っていたものは鱗で覆われたコブだ。大きな尻尾と異様に長い胴体の先にはまるで蜥蜴のような顔をした竜がミドルドレイクの肉を骨ごと貪り食っていたのだ。
「臭いが一つだけになったわ……あれは?」
「……こいつは、S級モンスター……ファフニールだ」
雑用係の頃に本で読んだ覚えがあった。"翼を持たぬ竜"ファフニール、その名の通り翼を持たず飛ぶことができない竜だ。しかし、ファフニールにとって飛翔する事など関係ない程危険な魔物で、防御力、攻撃力共に竜の中ではトップクラスの能力を持っているのだ。
「みんな……構えろ」
俺がそう促すと、全員が武器を前に出して構える。
そして、ファフニールも俺たちの出す物音に気がついたのか振り向いて、俺たちに顔を見せると甲高く、威嚇の鳴き声を部屋全体に響かせた。
何故ここにファフニールが? さっきまで松明の火があったはず……S級パーティ達はこの魔物を倒さずに向かったのか? 分からない……でも今は、こいつを倒さないと先には進めないんだ……やってやる!
こうして、俺たちはSS級ダンジョンで最初にして厄介な魔物と戦うことになった。
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