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第1章 ギルド追放編
第14話 ヒーラー、行商人と交渉する
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パトラの境遇も知ることができた俺たちは、パトラを慰めたことによって好印象を与えることができたみたいだ。
パトラはそこである提案をし始めた。
「なぁフールとセシリア! せっかくダンジョン攻略したんだから"一般ダンジョン窓口"に行くんだぞ! そうすれば国から報酬が出る筈だから少しは生活しやすくなるかもだぞ?」
パトラの言う"一般ダンジョン窓口"とはギルドメンバーでは無い有志でダンジョン攻略した人が使う、言わばダンジョンに関する受付所みたいなところがある。それとは別に"ギルド専用ダンジョン窓口"もある。
大きな違いと言ったらギルド専用の方からは報酬にボーナスが入ると言うことだ。何かアイテムが貰えたり、貰えるお金が増えたりする恩恵が貰えたりする。一般ダンジョン窓口はそれとは違い、ダンジョンの難易度によって固定の金額が支払われるだけだが、俺たちにとって、収入を得るには丁度良い手段の一つでもあった。
しかし、俺たちにはそれもできない理由があるのを忘れてはいけない。
「パトラ、報告したいのは山々なんだが……俺たち国の入場料を払う金も無いんだ」
「そう言う事ならオイラに任せろーー♪ オイラは行商人だからな、お金は持ってるぞ! ちょっと待ってろだぞ」
そう言って立ち上がると、壁の隅に置いていた自分よりも一回りも二回りも大きなリュクサックを持ってくる。
パトラがその中をガサゴソと漁ると少し膨らみのある金貨袋を取り出した。
「凄いわね! お金がいっぱいじゃない!」
セシリアがふりふりと尻尾を振って金貨袋の中を覗いていた。
「えっへん! ちゃんとお客さんと取引する為に国から支給された1000Gを無駄遣いしないで持ってたんだぞ。あ、でも只で入場料を渡すわけにはいかないぞ。フールとセシリアの2人分の入場料20G分のアイテムをオイラに売ってくれたらお金を出そう!」
「なるほど、商人として俺たちに取引を申し立てるか」
「当然だぞ! オイラも売るもんなくて困ってるんだからな」
これはお金が手に入るチャンスなのだが、いかんせん俺達も手持ち無沙汰だ。リザードマンの肉は昨日食べてしまったのでない。今あるものと言えばリザードマン・ロードの鱗と薬草っぽいのが何枚かあるだけ。取り敢えず、鞄からそれらを取り出してパトラに見せる。
「これで良いんだな? じゃあ査定を開始するぞ! ちょっとだけ待ってるんだ」
そう言って、鞄から分厚い本を取り出すとそれと睨めっこしながら査定を始めた。
「むむむ……なるほど、ふむふむ……あ、これがこうでこうだから……んんーー? どっちだこれ? この絵とも似てるなぁ……」
「ねぇフール……大丈夫かしら」
「信じよう……」
頑張って査定しているパトラを前にして色々と不安になっている俺たちだがパトラを信じて査定を待った。
そして、パトラがゆっくりと本を閉じた時が査定終了の合図だった。
「パトラ、どうだ?」
パトラに言葉をかけると下に向けていた顔を上げる。その顔はうるうると涙を浮かべていた。
「うぅ……オイラ舐めてたぁ……この鱗、売値が300Gもするぅ……それに、この薬草も上薬草で1枚20Gで5枚あるから100G……うわぁああああああ400Gも持ってかれるぞぉおおおおお‼︎‼︎ 初っ端からこんな高額買取だなんて聞いてないぞぉーー‼︎‼︎ うわーーん‼︎‼︎」
「パ、パトラちゃん落ち着いてーー! フールどうしよう、パトラちゃん泣いちゃったよ!」
俺が出したアイテムはどうやら高額で取引されてる品々だったらしく、そのショックでパトラが泣き出してしまった。しかし、別にお金が欲しいわけではなく国に入るための手段が欲しいのだ。俺はそっとパトラの手を握る。
「パトラ大丈夫だ。それはお前にあげるよ。国に入る為のお金だけを俺たちにくれないか?」
「ふぇええ⁉︎ でも、そんなことしたらオイラ商人失格だよ……グスン」
「俺たちがパトラの品揃えを増やしてあげたかった。そう考えればパトラは何も悪くないし、俺たちの勝手だろ? な、セシリア?」
「ええ、そうね」
(パトラちゃんの為にアイテムを只であげちゃうなんてフールったら優しすぎだよぉ……素敵♡)
パトラはかなり悩んでいたが、素直に受け取ることを決めた様だ。
「す……すまないんだぞ。本当お前らには感謝しかないんだぞ」
パトラはアイテムをそそくさとリュックの中に入れる。
「じゃあ、早速だけどバールの国に行くぞ‼︎ オイラも早く、お前たちとちゃんと約束を守りたいからな!」
そう言ってパトラはリュックを背負うと、早く早くとお尻をふりふりさせてダンジョンから出る様催促してくる。
「待て待て、取り敢えずこの野営を畳むから少し待っていてくれ。セシリア、手伝ってくれ」
「任せて♪」
俺たちは行商人パトラとの交渉が成立し、パトラが俺たちの分までバールの国の入場料を払ってくれることになった。また一度、国に戻ることにはなるが俺達も少しは収入を手に入れなくてはならないので向かうことにしよう。
パトラはそこである提案をし始めた。
「なぁフールとセシリア! せっかくダンジョン攻略したんだから"一般ダンジョン窓口"に行くんだぞ! そうすれば国から報酬が出る筈だから少しは生活しやすくなるかもだぞ?」
パトラの言う"一般ダンジョン窓口"とはギルドメンバーでは無い有志でダンジョン攻略した人が使う、言わばダンジョンに関する受付所みたいなところがある。それとは別に"ギルド専用ダンジョン窓口"もある。
大きな違いと言ったらギルド専用の方からは報酬にボーナスが入ると言うことだ。何かアイテムが貰えたり、貰えるお金が増えたりする恩恵が貰えたりする。一般ダンジョン窓口はそれとは違い、ダンジョンの難易度によって固定の金額が支払われるだけだが、俺たちにとって、収入を得るには丁度良い手段の一つでもあった。
しかし、俺たちにはそれもできない理由があるのを忘れてはいけない。
「パトラ、報告したいのは山々なんだが……俺たち国の入場料を払う金も無いんだ」
「そう言う事ならオイラに任せろーー♪ オイラは行商人だからな、お金は持ってるぞ! ちょっと待ってろだぞ」
そう言って立ち上がると、壁の隅に置いていた自分よりも一回りも二回りも大きなリュクサックを持ってくる。
パトラがその中をガサゴソと漁ると少し膨らみのある金貨袋を取り出した。
「凄いわね! お金がいっぱいじゃない!」
セシリアがふりふりと尻尾を振って金貨袋の中を覗いていた。
「えっへん! ちゃんとお客さんと取引する為に国から支給された1000Gを無駄遣いしないで持ってたんだぞ。あ、でも只で入場料を渡すわけにはいかないぞ。フールとセシリアの2人分の入場料20G分のアイテムをオイラに売ってくれたらお金を出そう!」
「なるほど、商人として俺たちに取引を申し立てるか」
「当然だぞ! オイラも売るもんなくて困ってるんだからな」
これはお金が手に入るチャンスなのだが、いかんせん俺達も手持ち無沙汰だ。リザードマンの肉は昨日食べてしまったのでない。今あるものと言えばリザードマン・ロードの鱗と薬草っぽいのが何枚かあるだけ。取り敢えず、鞄からそれらを取り出してパトラに見せる。
「これで良いんだな? じゃあ査定を開始するぞ! ちょっとだけ待ってるんだ」
そう言って、鞄から分厚い本を取り出すとそれと睨めっこしながら査定を始めた。
「むむむ……なるほど、ふむふむ……あ、これがこうでこうだから……んんーー? どっちだこれ? この絵とも似てるなぁ……」
「ねぇフール……大丈夫かしら」
「信じよう……」
頑張って査定しているパトラを前にして色々と不安になっている俺たちだがパトラを信じて査定を待った。
そして、パトラがゆっくりと本を閉じた時が査定終了の合図だった。
「パトラ、どうだ?」
パトラに言葉をかけると下に向けていた顔を上げる。その顔はうるうると涙を浮かべていた。
「うぅ……オイラ舐めてたぁ……この鱗、売値が300Gもするぅ……それに、この薬草も上薬草で1枚20Gで5枚あるから100G……うわぁああああああ400Gも持ってかれるぞぉおおおおお‼︎‼︎ 初っ端からこんな高額買取だなんて聞いてないぞぉーー‼︎‼︎ うわーーん‼︎‼︎」
「パ、パトラちゃん落ち着いてーー! フールどうしよう、パトラちゃん泣いちゃったよ!」
俺が出したアイテムはどうやら高額で取引されてる品々だったらしく、そのショックでパトラが泣き出してしまった。しかし、別にお金が欲しいわけではなく国に入るための手段が欲しいのだ。俺はそっとパトラの手を握る。
「パトラ大丈夫だ。それはお前にあげるよ。国に入る為のお金だけを俺たちにくれないか?」
「ふぇええ⁉︎ でも、そんなことしたらオイラ商人失格だよ……グスン」
「俺たちがパトラの品揃えを増やしてあげたかった。そう考えればパトラは何も悪くないし、俺たちの勝手だろ? な、セシリア?」
「ええ、そうね」
(パトラちゃんの為にアイテムを只であげちゃうなんてフールったら優しすぎだよぉ……素敵♡)
パトラはかなり悩んでいたが、素直に受け取ることを決めた様だ。
「す……すまないんだぞ。本当お前らには感謝しかないんだぞ」
パトラはアイテムをそそくさとリュックの中に入れる。
「じゃあ、早速だけどバールの国に行くぞ‼︎ オイラも早く、お前たちとちゃんと約束を守りたいからな!」
そう言ってパトラはリュックを背負うと、早く早くとお尻をふりふりさせてダンジョンから出る様催促してくる。
「待て待て、取り敢えずこの野営を畳むから少し待っていてくれ。セシリア、手伝ってくれ」
「任せて♪」
俺たちは行商人パトラとの交渉が成立し、パトラが俺たちの分までバールの国の入場料を払ってくれることになった。また一度、国に戻ることにはなるが俺達も少しは収入を手に入れなくてはならないので向かうことにしよう。
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