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第二章 悪魔と妖精
アルの願い
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フワフワの髪に、俺の三つ下とは思えないほどの童顔、ツルッとしたすべすべの卵のようなほっぺ。アルさんアルさんと見えない尻尾をつけ、俺のようにパタパタと振って嬉しそうに近づいてくる…犬っころみたいなアイツ…この世界のことが何も分からず怯えていたのが懐かしく感じる…。それなのに…
「あーん!ユキたんがアルの弟子だなんて!!ずるいよ~ホント…!!」
キルがクネクネと俺か書類を整理している隣で小煩く喚いた。
「…チッ!!ぅるせーな!!」
ものすごく機嫌が悪いのが自分でもわかる。でも、その理由がわからない…。クソッ…!!もどかしい!
キルはそんな俺を見て微笑ましそうに笑っている。なんだアイツ…。俺をちっちゃい子供のような目で見てきて…。
「というか…お前仕事は?なんで俺んとこいる…」
え~?だって暇なんだも~ん!!と答えになってない返答が帰ってきた。何を聞いてもフニャフニャと返されそうなので、俺はため息をつき、仕方なく書類の整理を再開した。
「手伝おうか~?それ、ユキちゃんのアレコレのデタラメ文書作ってるんでしょ?」
そうだ。コイツの言う通り、俺はユキの後見人としてユキに関する偽の住人書類や経歴、戸籍…まぁ、キルがいうアレコレを作っている。
「いや、いい。お前に任せるとテンション上がって凄まじいこと書き出しそうだからな」
ふーん、とニヤニヤ気持ち悪く見てきた。なんだよ…さっきから…。
「明日から君の家に戻るんだよね~?そこで師弟ライフを優雅に過ごすんだよね~?師匠だからって、弟子に変な事強要しちゃダメだよ~?」
変な事ってなんだよ…と言ったあと理解した。うわぁ、想像しちゃった…。俺はカァーと恥ずかしさのあまり顔がホカホカあったまった。多分今俺すごく赤面してるんだろな…クソッ、アイツ笑ってる…。
…ユキに申し訳ない…………。
「な~に赤面してるのかな~?」
ウリウリツンツンとウザイこいつ…。殺意がわく…。
俺は手元の書類に目を落とした。とにかく記入に専念して雑念を消そう。
バタン!!と扉が勢い良く開けられた。記入に集中していた俺はビックリしてインクをぶちまけてしまった。あー…本当についてない。
俺は扉を開けた人物を睨んだ。想像はできていたがナルキスの野郎だった。ナルキスだけかと思ったら、もう一人いた。
ユキだ…。
俺はさっきのことを思い出して顔を背けた。そんな俺の反応を見て面白そうにナルキスとキルが見てきた。ユキはオドオドと心配そうに俺を見ている。あー…俺いまガッツリ目を合わせてから背けたな…。多分ユキは何かしてしまったんだろうかと心配しているのであろう…。やっちまったー…。
「アルよ、お前明日一人で帰れ」
は…??俺は固まった。
「…ユキは?」
声を絞り出すように、俺は低く問うた。自分でもビックリするぐらい悲しそうな声をしていて、恥ずかしくなった。
「落ち着け、落ち着け。勘違いするなよ?ただ、お前さー…ユキに魔力の使い方上手く説明出来ないべ?魔力の使い方を間違って死ぬっていうのが過去に何件もある。だから、しばらくの間ここで色々教えてからそっちに向かわせるだけだ。…理解したか?」
確かに俺は魔力の使い方をどう説明すればいいのかわからない。分からないんじゃなくて知らない…。俺の場合、使えるのが当たり前だったから。
理解はした。頭では理解をしている…。でも、胸がモヤモヤして気持ち悪い…。
ユキが心配そうに近づいてきた。ユキは胸に白く大きな分厚い本を重そうに抱えていた。そして、なぜか彼女の頭の上には…綿毛のような…でかいゴミがついていた。
「…ユキ、頭にでかいゴミついてる…」
俺はユキの頭に手をかざした。
カプ………
「っいってえぇぇぇーー!!」
ゴミに噛まれた。俺は急いで噛まれた手を引き抜いた。ダラダラと噛まれたところから血が流れた。ユキがサーと顔を青ざめた。
「~~っ!?アルさん大丈夫ですか!?」
少しユキに俺の血が付いてしまった。俺は慌ててユキの顔に俺の服を押し付け、ゴシゴシ拭いた。
『キューキュキュー!!』
ゴミかと思った綿毛はどうやら妖精だったようだ。白い妖精はユキの頭の上で、ピョンピョンとんで俺に向かってキューキュー叫んでいる。
ユキはワシっと妖精を鷲掴みはさた。俺はギョッとしてユキと妖精を交互に見た。妖精が見えるのか!?
「コラ!モフモフ君!!そんなこと言っちゃダメでしょ!?アルさんも別にわざとじゃないんだから、そんな酷い言葉使っちゃダメでしょ!?」
俺とキルはピキリとフリーズした。俺らの反応を見てクツクツと笑うナルキスとハッとギギギと首を錆び付いたネジのようにゆっくり回して首をすくめるユキ…。
「えっと…私、悪魔と妖精から祝福もらってるみたいで…恩恵が与えられている効果らしいです?」
「なんで疑問形なのさ、あってるあってる」
ナルキスとユキのなんともいえない会話が始まった。
「…アル…色々とドンマイ。夢の師弟ライフはもう少し先になりそうだね」
「お前はさっきからうるさい!!」
俺は慰めを込めて肩に置かれたキルの手をひっぱたいた。
「まぁ、アル…一週間ほど先延ばしになるだけだ。工房や生活区域もユキが来るから色々整理しなきゃだろ?必要なものは言え、すぐ用意する。いいな?」
「……分かった」
なんで俺は不貞腐れてるんだ?年下のこいつに言いくるめられて、どっちが年上だよ…。
はぁー、と俺は深くため息をついた。尻尾に力が入らず、ダラーんと床についてしまっている。耳もぺチャリと閉じてしまった。
体は素直で自分の気持ちに嘘はつかない…それが余計に悔しく、情けなかった。ズキズキと痛む右手が俺を冷静にさせて、今の俺の惨めさがとても辛い。
俺の気持ちがズーンと沈み始めたときパッと誰かが俺の両手を掴んだ。
犬っころのユキだ。
「アルさんアルさん!!」
彼女は例のごとく、見えない尻尾を俺の代わりに元気よくパタパタさせていた。いや、わざとそうしていた。
「見てください!!私、何だかんだでこの世界で半月ぐらい生きちゃいました!!最初は死ぬかと思いましたけど、まだ生きてます!!アルさん、今までアレコレ私のために色々教えてくれましたよね?私…凄くそれが嬉しかったんです」
俺はユキと出会った日を思い出した。彼女は死にかけていた。俺は、柄にもなくユキを助けてしまった。ユキのこぼれ落ちそうな命をすくい上げたのだ。それはなぜ?何のために?
あの時、俺は恨まれたくなかったからと思った…。でも、多分それは自分の気持ちに蓋をした時にこぼれ落ちた嘘だ…。
「なんか、結構私絡みで凄まじいことになっちゃってますけど、ええと…私のせいで色々アルさんの周囲をかき回しちゃって…ごめんなさい…。」
ユキが謝ることは無い…なんでユキが謝る?こちらの世界の不手際でユキは大変な目にあっている。多分この先にも…ユキは辛い目にあう可能性が全くないとは言いきれない。逆にある可能性の方が多い。
「私、すぐにアルさんの工房に『帰ります』たくさん学んで、アルさんの手を煩わせないように、色々マスターして戻ります!!一人で敵を倒せちゃうぐらい、強くなりますから!!」
俺は、痛む右手を無視してユキの手を覆い返して、強く強く握った。小さな手、細い指…まだ、彼女は小さく弱い…だから、彼女は強くあろうとしている。
「なので、待っててください。私が戻ったら、鍛冶のこと…たくさん教えてくださいね、約束ですよ師匠!!」
健気だ…と俺は思った。彼女は俺を励ましているんだ、強くあろうとしているんじゃない、強く見せているだけなんだ。俺を…皆を心配させないために…。
俺は目線をユキと俺の繋がれた手に落とした。
「…ユキ……無理するな、無理はダメだ。自分をダメにしてしまう。…常に、自分に正直になるんだ。分かったな?」
ユキはキョトンとした後、ニコッと笑った。
「はい!!師匠!!」
俺のように絶対になってはいけない…
そう俺は心の中で、ユキに願った。
「あーん!ユキたんがアルの弟子だなんて!!ずるいよ~ホント…!!」
キルがクネクネと俺か書類を整理している隣で小煩く喚いた。
「…チッ!!ぅるせーな!!」
ものすごく機嫌が悪いのが自分でもわかる。でも、その理由がわからない…。クソッ…!!もどかしい!
キルはそんな俺を見て微笑ましそうに笑っている。なんだアイツ…。俺をちっちゃい子供のような目で見てきて…。
「というか…お前仕事は?なんで俺んとこいる…」
え~?だって暇なんだも~ん!!と答えになってない返答が帰ってきた。何を聞いてもフニャフニャと返されそうなので、俺はため息をつき、仕方なく書類の整理を再開した。
「手伝おうか~?それ、ユキちゃんのアレコレのデタラメ文書作ってるんでしょ?」
そうだ。コイツの言う通り、俺はユキの後見人としてユキに関する偽の住人書類や経歴、戸籍…まぁ、キルがいうアレコレを作っている。
「いや、いい。お前に任せるとテンション上がって凄まじいこと書き出しそうだからな」
ふーん、とニヤニヤ気持ち悪く見てきた。なんだよ…さっきから…。
「明日から君の家に戻るんだよね~?そこで師弟ライフを優雅に過ごすんだよね~?師匠だからって、弟子に変な事強要しちゃダメだよ~?」
変な事ってなんだよ…と言ったあと理解した。うわぁ、想像しちゃった…。俺はカァーと恥ずかしさのあまり顔がホカホカあったまった。多分今俺すごく赤面してるんだろな…クソッ、アイツ笑ってる…。
…ユキに申し訳ない…………。
「な~に赤面してるのかな~?」
ウリウリツンツンとウザイこいつ…。殺意がわく…。
俺は手元の書類に目を落とした。とにかく記入に専念して雑念を消そう。
バタン!!と扉が勢い良く開けられた。記入に集中していた俺はビックリしてインクをぶちまけてしまった。あー…本当についてない。
俺は扉を開けた人物を睨んだ。想像はできていたがナルキスの野郎だった。ナルキスだけかと思ったら、もう一人いた。
ユキだ…。
俺はさっきのことを思い出して顔を背けた。そんな俺の反応を見て面白そうにナルキスとキルが見てきた。ユキはオドオドと心配そうに俺を見ている。あー…俺いまガッツリ目を合わせてから背けたな…。多分ユキは何かしてしまったんだろうかと心配しているのであろう…。やっちまったー…。
「アルよ、お前明日一人で帰れ」
は…??俺は固まった。
「…ユキは?」
声を絞り出すように、俺は低く問うた。自分でもビックリするぐらい悲しそうな声をしていて、恥ずかしくなった。
「落ち着け、落ち着け。勘違いするなよ?ただ、お前さー…ユキに魔力の使い方上手く説明出来ないべ?魔力の使い方を間違って死ぬっていうのが過去に何件もある。だから、しばらくの間ここで色々教えてからそっちに向かわせるだけだ。…理解したか?」
確かに俺は魔力の使い方をどう説明すればいいのかわからない。分からないんじゃなくて知らない…。俺の場合、使えるのが当たり前だったから。
理解はした。頭では理解をしている…。でも、胸がモヤモヤして気持ち悪い…。
ユキが心配そうに近づいてきた。ユキは胸に白く大きな分厚い本を重そうに抱えていた。そして、なぜか彼女の頭の上には…綿毛のような…でかいゴミがついていた。
「…ユキ、頭にでかいゴミついてる…」
俺はユキの頭に手をかざした。
カプ………
「っいってえぇぇぇーー!!」
ゴミに噛まれた。俺は急いで噛まれた手を引き抜いた。ダラダラと噛まれたところから血が流れた。ユキがサーと顔を青ざめた。
「~~っ!?アルさん大丈夫ですか!?」
少しユキに俺の血が付いてしまった。俺は慌ててユキの顔に俺の服を押し付け、ゴシゴシ拭いた。
『キューキュキュー!!』
ゴミかと思った綿毛はどうやら妖精だったようだ。白い妖精はユキの頭の上で、ピョンピョンとんで俺に向かってキューキュー叫んでいる。
ユキはワシっと妖精を鷲掴みはさた。俺はギョッとしてユキと妖精を交互に見た。妖精が見えるのか!?
「コラ!モフモフ君!!そんなこと言っちゃダメでしょ!?アルさんも別にわざとじゃないんだから、そんな酷い言葉使っちゃダメでしょ!?」
俺とキルはピキリとフリーズした。俺らの反応を見てクツクツと笑うナルキスとハッとギギギと首を錆び付いたネジのようにゆっくり回して首をすくめるユキ…。
「えっと…私、悪魔と妖精から祝福もらってるみたいで…恩恵が与えられている効果らしいです?」
「なんで疑問形なのさ、あってるあってる」
ナルキスとユキのなんともいえない会話が始まった。
「…アル…色々とドンマイ。夢の師弟ライフはもう少し先になりそうだね」
「お前はさっきからうるさい!!」
俺は慰めを込めて肩に置かれたキルの手をひっぱたいた。
「まぁ、アル…一週間ほど先延ばしになるだけだ。工房や生活区域もユキが来るから色々整理しなきゃだろ?必要なものは言え、すぐ用意する。いいな?」
「……分かった」
なんで俺は不貞腐れてるんだ?年下のこいつに言いくるめられて、どっちが年上だよ…。
はぁー、と俺は深くため息をついた。尻尾に力が入らず、ダラーんと床についてしまっている。耳もぺチャリと閉じてしまった。
体は素直で自分の気持ちに嘘はつかない…それが余計に悔しく、情けなかった。ズキズキと痛む右手が俺を冷静にさせて、今の俺の惨めさがとても辛い。
俺の気持ちがズーンと沈み始めたときパッと誰かが俺の両手を掴んだ。
犬っころのユキだ。
「アルさんアルさん!!」
彼女は例のごとく、見えない尻尾を俺の代わりに元気よくパタパタさせていた。いや、わざとそうしていた。
「見てください!!私、何だかんだでこの世界で半月ぐらい生きちゃいました!!最初は死ぬかと思いましたけど、まだ生きてます!!アルさん、今までアレコレ私のために色々教えてくれましたよね?私…凄くそれが嬉しかったんです」
俺はユキと出会った日を思い出した。彼女は死にかけていた。俺は、柄にもなくユキを助けてしまった。ユキのこぼれ落ちそうな命をすくい上げたのだ。それはなぜ?何のために?
あの時、俺は恨まれたくなかったからと思った…。でも、多分それは自分の気持ちに蓋をした時にこぼれ落ちた嘘だ…。
「なんか、結構私絡みで凄まじいことになっちゃってますけど、ええと…私のせいで色々アルさんの周囲をかき回しちゃって…ごめんなさい…。」
ユキが謝ることは無い…なんでユキが謝る?こちらの世界の不手際でユキは大変な目にあっている。多分この先にも…ユキは辛い目にあう可能性が全くないとは言いきれない。逆にある可能性の方が多い。
「私、すぐにアルさんの工房に『帰ります』たくさん学んで、アルさんの手を煩わせないように、色々マスターして戻ります!!一人で敵を倒せちゃうぐらい、強くなりますから!!」
俺は、痛む右手を無視してユキの手を覆い返して、強く強く握った。小さな手、細い指…まだ、彼女は小さく弱い…だから、彼女は強くあろうとしている。
「なので、待っててください。私が戻ったら、鍛冶のこと…たくさん教えてくださいね、約束ですよ師匠!!」
健気だ…と俺は思った。彼女は俺を励ましているんだ、強くあろうとしているんじゃない、強く見せているだけなんだ。俺を…皆を心配させないために…。
俺は目線をユキと俺の繋がれた手に落とした。
「…ユキ……無理するな、無理はダメだ。自分をダメにしてしまう。…常に、自分に正直になるんだ。分かったな?」
ユキはキョトンとした後、ニコッと笑った。
「はい!!師匠!!」
俺のように絶対になってはいけない…
そう俺は心の中で、ユキに願った。
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