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12歳《中等部》
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しおりを挟む僕らが出迎える前に馬車は訓練場の前に着いていたのか4人の男女が訓練場の前に立っていた。
「姉ちゃん!兄ちゃ「ネヴィル。」」
飛び出しそうになったネヴィルを手で制して微笑みを向ける。今は貴族。せめて人の目が無くなった時にでもいつも通りに接してくれ。
さてと。身分が1番高い僕から名乗らないといけないか。
「急な呼びたてを受けてくれてありがとう。ネヴィルの兄のクラウス・フォン・シルヴェスターだよ。こっちは弟のテオ・フォン・シルヴェスター。知ってると思うけどネヴィル・フォン・シルヴェスターだ。立ち話もなんだし中で話をしようか。ネヴィル、お客様に訓練場のご案内を。僕らは先に戻ってるから終わったら連れておいで。」
「わ、分かった!」
久しぶりに会うんだし話したいこともあるよね。
テオ様は何か言いたそうだけど僕が「ね?」と言ったら渋々着いてきてくれた。
可愛い。
「ネヴィル、なるべく早く戻ってくるんだよ。」
僕はテオ様と二人でお茶会しよ。
本当はネヴィル帰ってくるの遅くていいよ。
「テオ、剣の手合わせは頼むけどあまりいじめちゃダメだよ。ネヴィルは貴族としての基本くらいできるようになればいいからね。」
「最低レベルはどこですか?」
「ん~。まぁテオが悪くないなって思えばいいんじゃないの?僕も見てるし心配することは無いよ。」
テオ様は厳しそうだからなぁ。そこは僕が見てあげないと。
▽
▽
「ネヴィル、遅かったね。」
テオ様といっぱい話せたからもっと遅くても良かったけど。
「さぁ座って。お茶でも飲みながら話でもしようよ。」
4人とネヴィルを席につかせて話したいことを話す。魔法使いだろうか、パーティの紅一点はケーキに目を輝かせてる。
「食べながらでいいよ。どれが気になるのかな?」
そっと指さしたのはチョコレートケーキ。テオ様が出してるケーキの1つだ。
メイドに指示を出してケーキをさらに移させる。1人が食べ始めたら皆勝手に食べるでしょ。
「好きにとっていいからね。ネヴィルはどう?」
「えと、これで。」
ネヴィルにケーキを与えて僕も小さめのケーキを皿に置く。
おずおずと他の男どもも皿に取る。
これでやっと話が進められる。
「おかわりも幾らでもどうぞ。それで話なんだけど。」
お茶を口に含んで喉をうるおす。やっぱりアルフレートと比べると味落ちするな。
「まずシルヴェスターに相応しいか僕とテオでテストする。」
ピタリと動きが止まった冒険者たち。
熟練なだけあってちゃんと条件を聞こうとする姿勢、嫌いじゃないよ。
「剣術はテオ、魔法は僕、パーティとしての強さは見てないからほかはテストはしない。僕らに勝てとは言わないけどシルヴェスターに相応しい実力を見せて欲しい。」
「認められなければどうなりますか?」
別に辞めてもらうだけだよ。ネヴィルには悪いけど代わりはいるし。ネヴィルの話し相手のためなら呼ぶことだって厭わないからね。
「うん?そうだね。今日の分の依頼料は払って明日からまた別の教師を探すよ。」
「秘密を知られたから殺したりとか…?」
「ないよ。そもそもシルヴェスターの秘密がこんなところにあるわけないでしょ。ネヴィルのことなら隠してないしね。」
訓練場だよ?秘密にしたいこともない。少し特殊な魔法をかけてるけどそれだった皇宮の闘技場と対して変わらないものだ。
僕の話は終わったからテオ様に目配せする。何かあるならどうぞって感じに。
「いくら平民の血が混ざっていようともネヴィルはシルヴェスターの血筋だ。誘拐や外に連れ出すなら貴様らは死を持って償うことになる。たかが平民の分際の命であがなえる罪では無いがそれしかない。その時は甘んじて受け入れろ。」
テオ様は真面目だなぁ。そんな事しないと思うけど。
「そんなことするの義母様意外いないよ。じゃあ、あと1時間もしたらテストをしようか。魔法のテストは今使える最難関の魔法と得意魔法を僕に見せること。以上。」
「剣術は俺と手合わせをして俺か兄上を認めさせることだ。」
分かりやすいぶん、実力もわかりやすい。文句のないテストだね。
「体を温めるのもお茶会を続けるのも好きにしてね。ここの訓練場なら好きに使っていいから。」
ぼくは魔法担当だから特にすることもない。
「あの…私の最上級魔法はここを壊してしまうと思うのですが問題ありませんか?」
「あぁ。大丈夫だよ。打つ前は僕が結界魔法張るしここには刻魔法も付与してるから好きに打って。」
「…はぁ。」
「もし結界の強度が足りないなら教えてよ。その時にまた考えるから。」
「…分かったわ。」
信用してないなぁ。僕だって結構強い結界張れるからね。それだけ自信があるんだろうけど…お手並み拝見かな。
冒険者のランクも一人で活動してる僕に負けてるし。正直僕に勝てるとは思えない。
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