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12歳《中等部》

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教師の長い話をいつもと同じように魔力と視線で黙らせたら1番にルディが話しかけてきた。先生もいい加減長話やめて欲しい。貴族ってめんどくさいよね。表立って文句言えば僕がマナー知らずと社交界に広まっちゃうし。

「クラウス、行こうぜ。」

「そうだね。テオの教室とは逆方向にあるから先に行く?」

僕はテオ様の迎えに行きたいけどさすがに人前でルディの護衛を放棄するわけにもね。
代わりになるような人この学園にはいないし。はぁ面倒な。

「俺らは先に言っとくか。あの教師話長ぇもんな。」

「そうだね。連絡しておくよ。」

僕だと分かるように闇魔法で鳥を作りだす。そこらへんを飛んでる鳥より少し大きいけどまぁこれで教師も分かるだろう。でも見れば見るほど鴉だね。足三本にでもしちゃおうかな。

「いや、俺がやるわ。俺の魔力感じたらさすがに話やめるだろ。」

まじ?
そりゃあ僕より発言権あるし逆らえないだろうけど。…まぁいいか。本人がやるって言ってるんだし。僕も早くテオ様に会えるし。WinWinだよね。

「殿下のお手を煩わせてしまい申し訳ありません。」

「そう思うなら1回は断っとけよ。」

ルディはなんか嬉しそうに笑ってぐちゃぐちゃと僕の髪を乱してきた。
よくわかんないけどなんか楽しそう。ルディは金色のドラゴンをつくりだしてテオ様の教室の方に飛ばした。

「じゃあ行く?お茶入れるよ。」

「さっさと行こうぜ。」

はぁあぁああぁ。どうせサロンまでの綺麗な道を歩くならテオ様が良かったなぁ。

サロンはお茶を飲む場なだけあって周りの花壇も美しく手入れされてる。もちろんそこに向かう道までも。
金持ち貴族の寄付金による花畑だけどそれだけの価値があるよね。
僕の花も植えてあげようかな。もしかしたらほかの根から栄養を奪い取って僕の花一色になるかもしれないけど。草木型の魔獣と混ぜた花があるんだよね。どんな成長するのかな。楽しみだなぁ。

「お前いつも楽しそうだよな。」

「最近ガーデニングが楽しくてね。この花壇も僕一色で染められるのかとおもえば楽しくて。」

「それ含みがある系か?」

「やってあげようか?」

「人外ばっかになりそうだからやめてくれ。」

そう。じゃあやめとこう。
人体実験かぁ。クラウスなら手を出しそうな分野だよね。もう、虫も植物も動物だって錬金術として使っちゃった。動物はまだ実験段階だけど上手く行けば人間に試したくなっちゃう。
確信がなければしないけどね。

現代でも僕に使われてた薬はマウスに投与して問題なかったものだし。新薬で許可が降りたばっかりだけど治る可能性があるんだ。使うかい?って聞かれて使った薬もある。
僕の薬への対抗が強くてあまり聞かなかったけど少しは楽になった。
上手く使えば人間の技術の進歩。しっぱいすればマッドサイエンティストと呼ばれる人種になるんだよね。
でも試したい。結果を知りたい。っていう気持ちは抑えられない。クラウスのせいなのか僕のせいなのかはたまた両方のせいかはわからないけど。
最悪監禁で済む身分だから無茶できるのがいいよね。

「殿下、どうぞ。」

僕がドアを開けてルディが中に入る。当たり前だけどいつもされてる分勝手が分からないよね。

そのままアルフレートの真似で近くにあったポットに空間魔法から取り出した茶葉をセットする。

テオ様が来る前に完璧にしないとね。

「ケーキはテオが保管してるから待ってね。」

「ふぅん。」

それだけ?まぁいいけど。つまんないの。
あのケーキテオ様も色々手を加えたんだよね。あれこれ僕に道具の改良頼んできたりもしてた。北に作った錬金術塔で改良させたっけ。結局北の視察は行けてないけど発展してるかなぁ。映像石と帳簿で見た感じは発展してたけど実物を見る方が見えないところも見れるからね。

「兄上!殿下!おまたせ致しました!!」

「待ってねぇよ。」

「テオ、お疲れ様。」


息を切らしてもかっこいいテオ様。ほんと可愛い。天使みたい。

「すぐに準備致します。」

「ゆっくりね。だるい話もあるから心が決まったらケーキお願い。」

「どんな厄介事持ってきたんだよ。」

「まぁ色々だよ。」

ことりと切られたケーキを並べてくれる。僕のお気に入りにルディのお気に入り、テオ様のお気に入り。全部少しづつ違うもの。
僕のは洋酒が入ってるんだよ。ちょっとラム酒の味がして好き。昔っからレーズンは好きだったんだよね。

テオ様のはノーマルなもの。僕が4年前に誕生日に出したなんの工夫もされてないやつ。甘いの好きなはずなのにいつもノーマルなの選んでる。分からないけど大人ぶりたいのかな。可愛いね。

ルディのはオペラっていうガトーショコラ。僕が案だしたらつくりあげてくれたんだけどこれをルディがめちゃくちゃ気に入った。たしかに美味しいけどたまにでいいかも。

「兄上…。」

心配そうに眉を下げて席に着いたテオ様。
そんなに気にすることでもない。僕がテオ様のためなら何でもしてあげるしね。

「うん。まぁそんな重い話じゃないよ。父様が来月に帰ってくるってだけ。新しい誰か・・を連れてね。」

「新しい恋人でもできたか?」

「子供かもよ。」






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