上 下
81 / 212
8歳

78

しおりを挟む

「教師はなぜ?」

「知ってること教える教師なんていらなくない?興味のある話もしないし。暗記なら1人の方が捗るよ。」

好きかって言わないでよね。
覚えてるのに横からべらべらど口を動かすのやめて欲しくて母様に言ったら次の日からいなくなっただけだ。
僕も「ちょっと口閉じれる?」と言ったのに言う事聞かないし。向こうが悪い。

だから母様から1番初めに習った風魔法は音を消す魔法。あの小うるさい教師のせい。


「私はそこから学ぶこともあると思いますね。ですよね、テオ様。」

「まぁ...兄上だからな。」

だからその僕だから・・・・って言うのやめて欲しい。
うるさいから母様辞めさせたの。

みんな僕のこと信用しすぎなんだよね。
錬金術の才能しかないし。それも僕がクラウスの中に入ったせいで半減してる気もしなくない。


「みんなそれ言うよね。僕だって完璧じゃないんだよ。偏見ばかりしちゃってさ。」


「クラウス様は子供ながらに大人顔負けの経営をしてますからね。」

「母様の後を追ってるだけだ。誰にでもできるさ。」

本当に誰でもできるよ。僕じゃなくても代わりはいる。世界ってそういうものでしょ。

前世で僕の死を傷んでくれたのは家族だけじゃないのかな。
僕がいたら社会の金回りが少し良くなるくらいの利点しかない。家族にとったら金食い虫。いいとこなしだったもんね。
僕も死ぬのは怖かったからなんだかんだ生きてたけど、生きるのもしんどかった。体力無さすぎて眠ることも出来なかった。今じゃ毎日熟睡だもん。

それにもう悲しんでくれる家族もいないし僕がいる利点はこの世界にはない。
ただただ僕がテオ様を愛でたいがために生きてる。
なんて幸せなんだろう。前世では味わえなかった充足感。

幸せ~♡



「兄上は前公爵夫人とよく似ているのか?」

そこ気になるの?父様に似てないから母様に似てると思うけど。


「全く似ていません。」

「父様よりも母様に似ているとよく言われるよ。」

父様に似てるところなんて魔力くらいじゃないの。
魔力の質も似てないから2人と色も違うし。
母様は薄緑。父様は灰色。僕は漆黒。誰にも似てない。
別にいいけど。この髪色だけは前世の僕と同じで好きなんだ。


「幼い頃から奥様に付き従っていますが...奥様はクラウス様のように強くはありませんでしたから。」

「僕の知ってる母様は強かったけれど演技か。」

「シルヴェスター公爵夫人になられてからは別人のように強くなられましたよ。元々侯爵家のためと言って強い方ではありましたがもっと強くなられました。」

「ふぅん。そういや映像石あるよ。テオ、気になるなら見る?」

「いいんですか?みたいです。」

はわぁ可愛い~!いいよ!全部見せてあげる。
僕は母様のこと母親と見ないからあまりみないんだよね。
母様の残した映像いい機会だし見てみようかな。

死んでそこそこ経つけど思い出して悲しくなることもないしね。寂しいなはあるよ。8年一緒にいたんだもん。寂しいなぁとは思う。今でも義母様のいる部屋を開けたら義母様とは似ても似つかない静かな女性がいるんじゃないのかなって思うよ。

「母様かぁ。懐かしいな。」

「今思い出されたように言うんですね。」

「まぁね。忙しかったからろくに思い出す時間もなかったよ。」

アルフレートは少し眉を下げてそのまま部屋から出ていった。
珍しい。いつも引っ付いてくるのに。

食事が終わって部屋から出てらアルフレートは外にいた。なんかやり残した仕事でもあったのかな。





しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

氷の華を溶かしたら

こむぎダック
BL
ラリス王国。 男女問わず、子供を産む事ができる世界。 前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。 ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。 そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。 その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。 初恋を拗らせたカリストとシェルビー。 キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で…… だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?! ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に? 攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 俺の死亡フラグは完全に回避された! ・・・と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ラブコメが描きたかったので書きました。

運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました

十夜 篁
BL
 初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。 そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。 「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!? しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」 ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意! 「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」  まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…? 「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」 「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」 健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!? そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。 《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

処理中です...