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8歳
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《プロフィティア》
光魔法の中の刻魔法を応用した予知の魔法。理論上は可能。そんな魔法。僕がつくり生み出した魔法。なのに使えるのはルディ。
腹が立つどころの話じゃなくない?手柄を横取りされた気分。
僕の魔法なんだよ。ゲームの中の話だけじゃ心もとないから作り上げたのに僕には発動できなかった。
代わりに見込みあるのって言えばルディだけ。だから錬金術を応用した魔法陣を教えてイメージを掴ませた。そしたらあっけなく発動。「こうか?」って僕の魔法陣に魔力を流し込んで終わり。
これだから才能の塊は。腹の立つ。
ルディが嬉しそうに陛下に報告するのを仮面を貼り付けて眺める。
いいなぁ。僕もテオ様に報告して「すごいです!兄上♡」とか言われたい。テオ様は言わないかな。でもすごいって思って欲しい。
テオ様は探したけど義母様と壁と一体化。それでも目立ってるけどね。義母なんて手に赤ワイン持ってる。また赤だよ。血飲んでるみたい。僕もそっちに行きたいよ。
ルディは久しぶりに両親と話ができたのか年相応の子供のように喜んでる。皇后陛下は口の端が引きつってるから喜んではなさそうだけど口だけは褒めている。良かったね。
母には疎まれ、父は忙しくて相手にしてくれない。
仮面だとしてもこんなふうに相手をしてくれるのは表舞台だけなんだろう。僕は前世の両親の愛を知っている。だから悲しくも寂しくもないよ。
今はテオ様もいるし。
少しだけ間が空いた時に僕も口をだす。もうここに用はないから帰りたいし。パーティなんてしてる暇あるなら領地の決算書を処理したい。
「両陛下、両殿下、子供はそろそろお暇させていただきます。」
「あぁ。遅くまですまなかったな。良い夢を。」
「今度は思いっきり魔法打ちあおうな。」
「はい、第1皇子殿下。次も負けませんから。」
「ふはっ。言ってろ。」
楽しそう。
良かったね。ルディ。
母に教えこまれた一礼を皇族たちにして背を向ける。テオ様連れてかーえろ。
「もう帰ろうと思うんだけど大丈夫?」
「…あと1杯飲んだら。」
どうせこれもシルヴェスターの領地のワインだ。家に入れるより売り飛ばしてるからあまりないけど本当にいいものは家にあるんだよ。
今度出してあげようかな。僕もテオ様もまだ飲めないし。
あ、もちろんテオ様の誕生日の年のワインは置いてある。母様が僕のために選んだワインだよ。絶対に上等だと思う。テオ様にあげるんだ。
「いいですけど…帰れないくらいには飲まないでください。」
「強いから大丈夫よ。」
まぁいいけど。近くにいた使用人にワインをお願いしてテオ様の隣に立ってフロアを見守る。
特に変わったことはない。
このパーティに来て良かったのは僕の紐を見つけたのが嫌味な貴族じゃなくて皇族だったこと。皇族が使ってるってだけで貴族は買い占めたがる。いいプロモーションになったな。
ほーんとルディはいるだけで僕の役に立つ。
あんなの手放せないよね。テオ様とは違う意味で。
それに伯父上の僕への信用のなさもわかった。アレは使えない。ビジネスパートナーだと思ってたのになぁ。まさか裏切られるとは。
それも皇后陛下が勝手に潰してくれるだろう。あの人、人の噂話好きだから絶対に誰が僕を裏切ったのか突き止めて広めてくれる。そこはめっちゃ信用してるんだよね。
「兄上、良かったんですか?」
「うん?」
「殿下が使用している魔法、兄上が考えていたモノでしょう?」
知ってたのか。構想はシルヴェスターの庭で先生と練ってたから聞こえたのかもしれない。
あの先生、変人だからなぁ。今は魔法の成り立ちについて研究してるんだって。頑張れ~って感じ。
「いいんだよ。理論上可能だったんだけどそれを扱う才能はなかっただけ。それなら努力するだけだし問題ないよ。僕にだって光魔法を扱う才能はあるんだから。」
理論上可能って便利な言葉だよね。
頑張らなきゃって思う。まぁ僕みたいな転生だなんて破綻者もいる……け…ど。
あ。そっか。もしかしたらこれから先僕見ないなのもいるかもしれないんだ。気をつけないとな。
「努力。」
「そう。努力。あまり人には見せたくないけどね。よく言うでしょ《天才とは1%の才能と99%の努力である》ってね。」
「初めて聞きました。」
有名な言葉なんだけど。この世界にエジソンなんていないもんね。
化学よりも魔法が発展した世界だもん。これから現れることもないだろうし。
「…そっか。なら覚えておくといいよ。もう少しやろうって気持ちになるから。たまに殿下のように才能だけで成し遂げる人もいるけどね。」
「殿下は努力の人だと思います。もちろん兄上も。」
テオ様からはそう見えるのかな。偉いなぁ。
でもそれは僕だからだよ。ゲームのクラウスはテオ様にそんな無様なとこ見せなかった。クラウスが努力してる描写なんてゲームはもちろん、ファンブックでも一切書かれてない。
まだまだだなぁ。
「本当に良い子だね。僕も鼻が高いよ。だから変なのに捕まらないでね。心配するんだよ、僕もさ。」
あと1杯とか言ってたはずなのにまたワインを手に取ってる義母。
本当に強いんだな。ジュースみたいにがぶがぶ飲んでる。朝起きたら死んでましたとかいわないよね?
光魔法の中の刻魔法を応用した予知の魔法。理論上は可能。そんな魔法。僕がつくり生み出した魔法。なのに使えるのはルディ。
腹が立つどころの話じゃなくない?手柄を横取りされた気分。
僕の魔法なんだよ。ゲームの中の話だけじゃ心もとないから作り上げたのに僕には発動できなかった。
代わりに見込みあるのって言えばルディだけ。だから錬金術を応用した魔法陣を教えてイメージを掴ませた。そしたらあっけなく発動。「こうか?」って僕の魔法陣に魔力を流し込んで終わり。
これだから才能の塊は。腹の立つ。
ルディが嬉しそうに陛下に報告するのを仮面を貼り付けて眺める。
いいなぁ。僕もテオ様に報告して「すごいです!兄上♡」とか言われたい。テオ様は言わないかな。でもすごいって思って欲しい。
テオ様は探したけど義母様と壁と一体化。それでも目立ってるけどね。義母なんて手に赤ワイン持ってる。また赤だよ。血飲んでるみたい。僕もそっちに行きたいよ。
ルディは久しぶりに両親と話ができたのか年相応の子供のように喜んでる。皇后陛下は口の端が引きつってるから喜んではなさそうだけど口だけは褒めている。良かったね。
母には疎まれ、父は忙しくて相手にしてくれない。
仮面だとしてもこんなふうに相手をしてくれるのは表舞台だけなんだろう。僕は前世の両親の愛を知っている。だから悲しくも寂しくもないよ。
今はテオ様もいるし。
少しだけ間が空いた時に僕も口をだす。もうここに用はないから帰りたいし。パーティなんてしてる暇あるなら領地の決算書を処理したい。
「両陛下、両殿下、子供はそろそろお暇させていただきます。」
「あぁ。遅くまですまなかったな。良い夢を。」
「今度は思いっきり魔法打ちあおうな。」
「はい、第1皇子殿下。次も負けませんから。」
「ふはっ。言ってろ。」
楽しそう。
良かったね。ルディ。
母に教えこまれた一礼を皇族たちにして背を向ける。テオ様連れてかーえろ。
「もう帰ろうと思うんだけど大丈夫?」
「…あと1杯飲んだら。」
どうせこれもシルヴェスターの領地のワインだ。家に入れるより売り飛ばしてるからあまりないけど本当にいいものは家にあるんだよ。
今度出してあげようかな。僕もテオ様もまだ飲めないし。
あ、もちろんテオ様の誕生日の年のワインは置いてある。母様が僕のために選んだワインだよ。絶対に上等だと思う。テオ様にあげるんだ。
「いいですけど…帰れないくらいには飲まないでください。」
「強いから大丈夫よ。」
まぁいいけど。近くにいた使用人にワインをお願いしてテオ様の隣に立ってフロアを見守る。
特に変わったことはない。
このパーティに来て良かったのは僕の紐を見つけたのが嫌味な貴族じゃなくて皇族だったこと。皇族が使ってるってだけで貴族は買い占めたがる。いいプロモーションになったな。
ほーんとルディはいるだけで僕の役に立つ。
あんなの手放せないよね。テオ様とは違う意味で。
それに伯父上の僕への信用のなさもわかった。アレは使えない。ビジネスパートナーだと思ってたのになぁ。まさか裏切られるとは。
それも皇后陛下が勝手に潰してくれるだろう。あの人、人の噂話好きだから絶対に誰が僕を裏切ったのか突き止めて広めてくれる。そこはめっちゃ信用してるんだよね。
「兄上、良かったんですか?」
「うん?」
「殿下が使用している魔法、兄上が考えていたモノでしょう?」
知ってたのか。構想はシルヴェスターの庭で先生と練ってたから聞こえたのかもしれない。
あの先生、変人だからなぁ。今は魔法の成り立ちについて研究してるんだって。頑張れ~って感じ。
「いいんだよ。理論上可能だったんだけどそれを扱う才能はなかっただけ。それなら努力するだけだし問題ないよ。僕にだって光魔法を扱う才能はあるんだから。」
理論上可能って便利な言葉だよね。
頑張らなきゃって思う。まぁ僕みたいな転生だなんて破綻者もいる……け…ど。
あ。そっか。もしかしたらこれから先僕見ないなのもいるかもしれないんだ。気をつけないとな。
「努力。」
「そう。努力。あまり人には見せたくないけどね。よく言うでしょ《天才とは1%の才能と99%の努力である》ってね。」
「初めて聞きました。」
有名な言葉なんだけど。この世界にエジソンなんていないもんね。
化学よりも魔法が発展した世界だもん。これから現れることもないだろうし。
「…そっか。なら覚えておくといいよ。もう少しやろうって気持ちになるから。たまに殿下のように才能だけで成し遂げる人もいるけどね。」
「殿下は努力の人だと思います。もちろん兄上も。」
テオ様からはそう見えるのかな。偉いなぁ。
でもそれは僕だからだよ。ゲームのクラウスはテオ様にそんな無様なとこ見せなかった。クラウスが努力してる描写なんてゲームはもちろん、ファンブックでも一切書かれてない。
まだまだだなぁ。
「本当に良い子だね。僕も鼻が高いよ。だから変なのに捕まらないでね。心配するんだよ、僕もさ。」
あと1杯とか言ってたはずなのにまたワインを手に取ってる義母。
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