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8歳

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夕食の場はテオ様の話で終わった。

今日の訓練は少ししんどかったとか。先生は優しい人だとか。あの人らはテオ様の前で猫被ってる。僕とルディには容赦しないのに。

テオ様はもう少し厳しい訓練がいいんだって。基礎訓練でもいいから剣を振るったり魔法使いたいって文句言ってた。
それなら伝えてあげるのが兄としての勤めかな。それともテオ様に言わせるのが正しいのかな。

僕、子供育てたことないからなぁ。母様も子育てと言うより教育メインだし。乳母はメラニーがしてくれたけどそっちもマナーとかメインだった。

あれをテオ様にしても甘えられない人になりそうだから却下。実際、前世と今世の生活で僕が甘えられない人になってるし。と言うより甘えられる相手がいないのか。
テオ様には僕に甘えて欲しいから教育とか後回しかな。本人がしたいことさせてあげるんだ。

嬉しいことに剣術も魔法も楽しそうだしね。それなら続けて欲しいもん。僕はしんどいけどメンツのために頑張ってる。誰か褒めて欲しい。今度の大会で一位になったらテオ様に頭撫でて貰えるかな。

「兄上は休憩時間になにをしているんですか?」

なにしてるんだろ。前世で好きだった囲碁とか将棋は作って独りでしてるな。この世界にチェスもあるからそれはアルやルディとしてる。ゲームでもミニゲームとしてあったから少しはできる。

「ボードゲームが多いね。チェスも多いけど…異国のボードゲームが多いかな。あとは乗馬とか魔物狩りも行ってるよ。魔物は練習にも素材もかれるからね。」

そのくらいかなぁ。まず暇な時間がないから乗馬も狩りも予定のうちだけど。テオ様を裕福に育てるために全て捧げるつもりだから。このくらい苦じゃない。

「本当に息抜きって言ったらボードゲームかも。テオはボードゲームとかする?」

「チェスなら少しだけ。」

ゲームでもしてたよね。クラウスとルディの次くらいに強かったのがテオ様。
まぁどっちかって言えば強い程度。僕に負けないくらい強くなって自尊心高めて欲しいな。

「今度やる?東のボードゲームも持ってるからそれも教えてあげるよ。」

「いいんですか?」

「貴族の嗜みとしてチェスはすること多いからね。いつでもおいで。」

テオ様が楽しく幸せに生きられるならなんでもいいよ。時間だって絞り出してやる。








夕食は少し長めにとっていっぱいお話した。
楽しかったなぁ。幸せ。これで今日の夜は頑張れる。


テオには言えなかったけど趣味として錬金術がある。貴族は絶対にしない仕事。平民にだって詐欺師だと嫌悪される職業。でもポーションとか生活に蔓延ってるせいで絶対になくならない職業。

完璧に趣味兼仕事なんだけど才能があるからすごい楽しいんだよね。作ろうと思えばなんでも出来るし、それが思いどうりに動いた時の面白さ。なんとも言えない。


錬金術の基本は分離と結合。これさえ出来れば好きなように分子を移動できる。未来の化学を知ってるなら錬金術以上に使える魔法はない。

今回のカイロもどきも、酸素と砂鉄の結合を魔力を流すことで永遠にできるような道具だ。
しかも酸素と鉄の結合は勝手に行われる。なら、錬金術ですることは酸素と砂鉄の分離だけ。

1つ試しに作ってみたけど今は暖かくなる段階。魔法師ではない平民でもできるっていうのが欲しいんだけど試せる人いたかな。この家の使用人は大体が高位貴族だから魔法を使えなくても魔力だけは多いということも有り得る。

少ない魔力でも冬を乗り越えられるくらいの性能が欲しい。
どっかで市場にでも降りないとなぁ。

それとも金で呼ぶか?
1番いいのは領主に試して貰うのがいい。
ならいくつか作って送るか?


…テオ様に聞いてみるか。
こういうのも経験だよね。

まさか1発でカイロができるとは思わなかった。壊れないか耐久性とかも確かめたいね。

それは明日の話かな。
あの獣人の様子みてから寝よ。
壊すわけにもいかないし。

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