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アフター編
3.憂鬱の種
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こうして、水沢をめろめろに惚れさせる為、園部さんが仕事超頑張る日々が始まるのだった。
あくまで上から目線を崩さない水沢もすごいが、そんな彼女を見ても尚好きだと言う園部さんもすごい。 確かに水沢は私から見ても驚くほど格好良くて素敵だと思うけど、その部分は2割くらいで、残りの8割くらいはなんかいつも怒っている。
一度園部さんにじっくりと水沢の惚れた所を聞いてみたい。
さて話は変わるが、私は今現在、目下抱える問題というか悩みがある。まさか私がこのような悩みに直面するなんて思ってもみなかった。
羽坂由里、24年生きてきて初めてのモテ期である。と言っても別に総務の高畠さんや製造部の所沢さんのように何人もの異性からキャアキャア言われてるわけではない。
たった1名にキャアキャア言われているのだ。これが非常に困る。高畠さんとかまじすごいよ。尊敬する。私なら心労できっと倒れてしまう。
園部さんと水沢の戦いが始まった次の日。4月からいきなり増えた溜息を、今一度大きく吐いた。
「羽坂さ~ん。このブランドのタグって金色の箔押しですよね? 印刷紙はこれでよかったですか?」
「ええと、はい。色は合ってます。あ、でも紙は違いますよ。ツヤ無しのエンボス紙でお願いします。色は黒で」
「あ~そっか! もう前の人、マジでなーんにも残してくれなくて。羽坂さんがいてくれてホント助かりましたよ~!」
私のデスク横でニコニコと笑う男性社員。名を岸貴史(きしたかし)さんと言う。四月より分室工場から長期出張してきた社員さんだ。二つ上の26歳である。
年上なのに何だか雰囲気が若い人だな、と思う。もっと年上の笹塚はどう思ってるんだろう。やっぱり若いなとか思ったりするのだろうか。
それはともかく、岸さんは製造部である。前任が暫く研修の講師として大阪支社へ行った為、その間のピンチヒッターとして彼が来たのだ。
ちなみに私の主な仕事は、ブランドタグ印刷の発注・発送だ。ブランドタグとは、洋服などについているあれである。主に笹塚が担当している。
とにかく量が多いので、一部は外注に頼っていた。1年もやれば覚えてしまうような事だけど、種類も多いから、時々ごっちゃになってしまいそうになる。出張してきたばかりの社員さんにしてみれば、何が何だかとなってしまうのも仕方が無い。
全く。製造部も手順書くらい作成してくれたらいいのに。まぁ、種類が多すぎるのが問題なんだけど……全てはこの『なぁなぁ』なワークフローが原因なのだろう。
中小企業にありがちな「そのうち覚える」という感覚。これはあんまりよろしくない。今度社長に意見書でも書いてみよう。
でないと、でないと……。
毎日毎日何度も何度も岸さんがコッチに来るからぁ……。
「ねえ羽坂さーん。新しいタグ印刷なんですけど」
「羽坂さん羽坂さん、このシール印刷、営業さんの指示がちょっとおかしいんですけど」
「営業部から仕様書の改訂が来たんですけど、これこのまま工場にまわしていいんですか?」
そんなの製造部の奴に聞けよぉぉ! なんでいちいち営業部に来るんだよぉぉ! 私だって一課の営業が持って来る発注書からデータ打ったりするだけで、そう詳しいわけじゃないんだよぉぉ!
そして必ずと言っていいほど、岸さんがデスクに戻る時。
「ね、羽坂さん。夜、一緒にご飯食べにいきません?」
「今度の休み空いてますか?」
これだ……これが困る。仕事の話なら、まぁ100歩譲って許すけど、これが嫌で溜息が増えてるのだ。
水沢が園部さんしつこい鬱陶しいと言ってたのもわかる。こんなの毎日も言われたら断るのがしんどくなって当たり前だ。なんで毎日断ってるのに毎日聞いてくるんだろう。しかもこっちが仕事中に、デスクで堂々と……。
「あの、岸さん。何度も言ってますが、あまり仕事中にそういう事言うのは……」
「ええ? だってー。羽坂さん全然時間くれないじゃないですか。朝の掃除の時や昼休みの時はいつも水沢さんと一緒にいるし、定時はぴったりに帰るし」
不満そうに口を突く岸さん。彼は水沢が苦手なのである。だから彼女と一緒にいるとあまり声をかけてこない。でも仕事中は水沢も忙しいから、こうやって私に声をかけてくるのだ。
ちなみになんで苦手かというと、歓迎会も兼ねた春の飲み会で水沢に一喝されたから。私は少し離れた所で飲んでたから詳細は知らないけど、どうやら岸さんが新人の派遣の子にしつこく声をかけていたらしい。それで「いい加減にしてください。ここは合コンじゃないんですよ」と水沢が言い放ったのだ。
さすがクィーン水沢様である。自分は散々飲み会で笹塚にしつこく迫ったくせに、それを棚に上げてそういう事言う所とか超格好良いと思う。そして、それ以降岸さんは水沢に苦手意識を持ってしまった。
しかし、それにしても何故次のターゲットが私になるんだろーか? 今だにわからない。
「ねっ、今日はいいでしょ? 明日は土曜日で休みだし。二人で飲みに行きましょうよ~」
「いえ。あの、ですね。これも何度も言ってますが、私、恋人がいるんです。二人で行けるわけないじゃないですか」
「ちょっと位ならいいじゃないですか。彼氏さんに許可もらってくださいよー」
いやいや。許可なんかくれるわけないだろ。一度バカ正直に笹塚に「これこれこんな訳で許可を貰ってこいって言われたんですけど」って言ったらすげえ怒られた挙句、本気で腹上死するんじゃないかと思うくらいその……あれをされたといいますか……ようするに抱き潰されたといいますか……。そして「二度とそんな事言うな」と言われ、何度も復唱させられ。前から、下から突かれながら、最後のほうは半泣きになりながら「もう二度と言いません」と誓わされた。
もうあんなに怒らせたくない……。
わたしはしにたくない……。
笹塚怖い……。
「許可とか下りる訳ないですから。もういい加減にしてください。ホント困りますので、そういうのは」
「う~ん、困らせるつもりはないんだけどなぁ。一度だけでいいのに。僕にもチャンスを下さいよ~」
何のチャンスだ、何の。
全く、恋人いるって言ったら諦めるって誰が言ったんだよ。水沢か。
私があまりに毎日岸さんから誘われていて、それが気に障ったらしい水沢に「さっさと彼氏いるって言いなさいよ。思わせぶりな態度をするからいつまでも勘違いされるのよ」と注意された。
思わせぶりな態度などしたつもりは一切ないが、彼氏がいると言えば諦めるものなのかと思い、早速「私彼氏がいるから」と言って断った。しかし、結果は――。
……まぁ、このザマである。
ぜんぜん諦めてくれない。本当になぜだ? この私にそこまでの魅力があるとは思えない。一体私の身に何が起こったのだろう。これはもう人生のモテ期が来たのだとしか思えない。対象は1人のみだが。
そんな訳でここ最近は仕事が終わると逃げるようにサッサと帰っていた。ちんたらしてると岸さんがロビーで待ってたりする。マジ怖い。恋愛脳恐るべしだ。
「あんたも災難ねぇ。変なのに目つけられて」
「全くだよ……。なんであんな必死になるんだろう。他にも女の子一杯いるでしょうに」
「ふふ、それはね? 羽坂しか隙のありそうな子がいないからよ。後は対象外もいるでしょうけどね? 私とか」
定時になって、ロッカーで着替えながら水沢に同情され、横山主任に笑われる。
……隙のありそうな子? 私には隙があるのだろうか。そんなつもりもないんだけどな。他の人とどう違うんだろう。
「羽坂の優しい所が仇というか……そんな感じね。派遣の子には水沢が一喝してから近づかなくなったし、私みたいな既婚者や、総務の谷口さんみたいな10も年上の女性は対象外。後の子は彼氏がいるか、高畠さん狙いだし……となると、フロアの中では、羽坂しかいないじゃない?」
「そうは言いますが、私だって彼氏いますのに……」
「彼氏がいても、付け入る隙がありそうに見えるのね。あなたは人に甘いから。それは良い所でもあるんでしょうけど、今回は仇となったわね」
「アンタは根本的に人に対して冷たくできない子なのよ。どうせ新聞断るのも一苦労なんでしょう?」
水沢の言葉にグサッとくる。全くその通りだ。私は訪問営業にものすごく弱い。何度も断ってるのに何故彼らは諦めてくれないのだろう。新聞勧誘然り、牛乳配達然り、宗教然り。
まぁそれでも、アパートに来る営業は居留守すればいい。しかし会社で岸さんが相手になるとそうもいかない。ホント、心中は居留守したい気持ちでいっぱいである。
「はぁ、なんで嫌がってるの分かってもらえないんだろう」
「そのうち折れるって思ってるからよ。つまりアンタは彼氏がいてもその程度にしか見られてないわけ」
「ぐぅ……」
ロッカーの鏡で見る私の顔が非常に歪んでいる。
じゃあなんと言えばいいんだ。私は笹塚とラブラブでメロメロで、彼以外見えない程好きで、もうえっちとかしてて愛し合いまくってるんですって暴露すれば諦めるのだろうか。
どんな罰ゲームだ、それ。
「まぁ、アンタが断り続けていれば、そのうち諦めるわよ。岸さんはまだ技術部や工場にはあまり行ってないみたいだし。そっちにも女の子いるんだから」
「うう、他で人身御供が見つかるのを待つしかないって事か」
がっくりする。どうせ諦めるならばもう、早く諦めてくれ。大体分室から出張とはいえ、女に声かけてるヒマがあるなら1つでも多く仕事をして欲しい……。
そんなことを思って、大きく溜息をついた。
あくまで上から目線を崩さない水沢もすごいが、そんな彼女を見ても尚好きだと言う園部さんもすごい。 確かに水沢は私から見ても驚くほど格好良くて素敵だと思うけど、その部分は2割くらいで、残りの8割くらいはなんかいつも怒っている。
一度園部さんにじっくりと水沢の惚れた所を聞いてみたい。
さて話は変わるが、私は今現在、目下抱える問題というか悩みがある。まさか私がこのような悩みに直面するなんて思ってもみなかった。
羽坂由里、24年生きてきて初めてのモテ期である。と言っても別に総務の高畠さんや製造部の所沢さんのように何人もの異性からキャアキャア言われてるわけではない。
たった1名にキャアキャア言われているのだ。これが非常に困る。高畠さんとかまじすごいよ。尊敬する。私なら心労できっと倒れてしまう。
園部さんと水沢の戦いが始まった次の日。4月からいきなり増えた溜息を、今一度大きく吐いた。
「羽坂さ~ん。このブランドのタグって金色の箔押しですよね? 印刷紙はこれでよかったですか?」
「ええと、はい。色は合ってます。あ、でも紙は違いますよ。ツヤ無しのエンボス紙でお願いします。色は黒で」
「あ~そっか! もう前の人、マジでなーんにも残してくれなくて。羽坂さんがいてくれてホント助かりましたよ~!」
私のデスク横でニコニコと笑う男性社員。名を岸貴史(きしたかし)さんと言う。四月より分室工場から長期出張してきた社員さんだ。二つ上の26歳である。
年上なのに何だか雰囲気が若い人だな、と思う。もっと年上の笹塚はどう思ってるんだろう。やっぱり若いなとか思ったりするのだろうか。
それはともかく、岸さんは製造部である。前任が暫く研修の講師として大阪支社へ行った為、その間のピンチヒッターとして彼が来たのだ。
ちなみに私の主な仕事は、ブランドタグ印刷の発注・発送だ。ブランドタグとは、洋服などについているあれである。主に笹塚が担当している。
とにかく量が多いので、一部は外注に頼っていた。1年もやれば覚えてしまうような事だけど、種類も多いから、時々ごっちゃになってしまいそうになる。出張してきたばかりの社員さんにしてみれば、何が何だかとなってしまうのも仕方が無い。
全く。製造部も手順書くらい作成してくれたらいいのに。まぁ、種類が多すぎるのが問題なんだけど……全てはこの『なぁなぁ』なワークフローが原因なのだろう。
中小企業にありがちな「そのうち覚える」という感覚。これはあんまりよろしくない。今度社長に意見書でも書いてみよう。
でないと、でないと……。
毎日毎日何度も何度も岸さんがコッチに来るからぁ……。
「ねえ羽坂さーん。新しいタグ印刷なんですけど」
「羽坂さん羽坂さん、このシール印刷、営業さんの指示がちょっとおかしいんですけど」
「営業部から仕様書の改訂が来たんですけど、これこのまま工場にまわしていいんですか?」
そんなの製造部の奴に聞けよぉぉ! なんでいちいち営業部に来るんだよぉぉ! 私だって一課の営業が持って来る発注書からデータ打ったりするだけで、そう詳しいわけじゃないんだよぉぉ!
そして必ずと言っていいほど、岸さんがデスクに戻る時。
「ね、羽坂さん。夜、一緒にご飯食べにいきません?」
「今度の休み空いてますか?」
これだ……これが困る。仕事の話なら、まぁ100歩譲って許すけど、これが嫌で溜息が増えてるのだ。
水沢が園部さんしつこい鬱陶しいと言ってたのもわかる。こんなの毎日も言われたら断るのがしんどくなって当たり前だ。なんで毎日断ってるのに毎日聞いてくるんだろう。しかもこっちが仕事中に、デスクで堂々と……。
「あの、岸さん。何度も言ってますが、あまり仕事中にそういう事言うのは……」
「ええ? だってー。羽坂さん全然時間くれないじゃないですか。朝の掃除の時や昼休みの時はいつも水沢さんと一緒にいるし、定時はぴったりに帰るし」
不満そうに口を突く岸さん。彼は水沢が苦手なのである。だから彼女と一緒にいるとあまり声をかけてこない。でも仕事中は水沢も忙しいから、こうやって私に声をかけてくるのだ。
ちなみになんで苦手かというと、歓迎会も兼ねた春の飲み会で水沢に一喝されたから。私は少し離れた所で飲んでたから詳細は知らないけど、どうやら岸さんが新人の派遣の子にしつこく声をかけていたらしい。それで「いい加減にしてください。ここは合コンじゃないんですよ」と水沢が言い放ったのだ。
さすがクィーン水沢様である。自分は散々飲み会で笹塚にしつこく迫ったくせに、それを棚に上げてそういう事言う所とか超格好良いと思う。そして、それ以降岸さんは水沢に苦手意識を持ってしまった。
しかし、それにしても何故次のターゲットが私になるんだろーか? 今だにわからない。
「ねっ、今日はいいでしょ? 明日は土曜日で休みだし。二人で飲みに行きましょうよ~」
「いえ。あの、ですね。これも何度も言ってますが、私、恋人がいるんです。二人で行けるわけないじゃないですか」
「ちょっと位ならいいじゃないですか。彼氏さんに許可もらってくださいよー」
いやいや。許可なんかくれるわけないだろ。一度バカ正直に笹塚に「これこれこんな訳で許可を貰ってこいって言われたんですけど」って言ったらすげえ怒られた挙句、本気で腹上死するんじゃないかと思うくらいその……あれをされたといいますか……ようするに抱き潰されたといいますか……。そして「二度とそんな事言うな」と言われ、何度も復唱させられ。前から、下から突かれながら、最後のほうは半泣きになりながら「もう二度と言いません」と誓わされた。
もうあんなに怒らせたくない……。
わたしはしにたくない……。
笹塚怖い……。
「許可とか下りる訳ないですから。もういい加減にしてください。ホント困りますので、そういうのは」
「う~ん、困らせるつもりはないんだけどなぁ。一度だけでいいのに。僕にもチャンスを下さいよ~」
何のチャンスだ、何の。
全く、恋人いるって言ったら諦めるって誰が言ったんだよ。水沢か。
私があまりに毎日岸さんから誘われていて、それが気に障ったらしい水沢に「さっさと彼氏いるって言いなさいよ。思わせぶりな態度をするからいつまでも勘違いされるのよ」と注意された。
思わせぶりな態度などしたつもりは一切ないが、彼氏がいると言えば諦めるものなのかと思い、早速「私彼氏がいるから」と言って断った。しかし、結果は――。
……まぁ、このザマである。
ぜんぜん諦めてくれない。本当になぜだ? この私にそこまでの魅力があるとは思えない。一体私の身に何が起こったのだろう。これはもう人生のモテ期が来たのだとしか思えない。対象は1人のみだが。
そんな訳でここ最近は仕事が終わると逃げるようにサッサと帰っていた。ちんたらしてると岸さんがロビーで待ってたりする。マジ怖い。恋愛脳恐るべしだ。
「あんたも災難ねぇ。変なのに目つけられて」
「全くだよ……。なんであんな必死になるんだろう。他にも女の子一杯いるでしょうに」
「ふふ、それはね? 羽坂しか隙のありそうな子がいないからよ。後は対象外もいるでしょうけどね? 私とか」
定時になって、ロッカーで着替えながら水沢に同情され、横山主任に笑われる。
……隙のありそうな子? 私には隙があるのだろうか。そんなつもりもないんだけどな。他の人とどう違うんだろう。
「羽坂の優しい所が仇というか……そんな感じね。派遣の子には水沢が一喝してから近づかなくなったし、私みたいな既婚者や、総務の谷口さんみたいな10も年上の女性は対象外。後の子は彼氏がいるか、高畠さん狙いだし……となると、フロアの中では、羽坂しかいないじゃない?」
「そうは言いますが、私だって彼氏いますのに……」
「彼氏がいても、付け入る隙がありそうに見えるのね。あなたは人に甘いから。それは良い所でもあるんでしょうけど、今回は仇となったわね」
「アンタは根本的に人に対して冷たくできない子なのよ。どうせ新聞断るのも一苦労なんでしょう?」
水沢の言葉にグサッとくる。全くその通りだ。私は訪問営業にものすごく弱い。何度も断ってるのに何故彼らは諦めてくれないのだろう。新聞勧誘然り、牛乳配達然り、宗教然り。
まぁそれでも、アパートに来る営業は居留守すればいい。しかし会社で岸さんが相手になるとそうもいかない。ホント、心中は居留守したい気持ちでいっぱいである。
「はぁ、なんで嫌がってるの分かってもらえないんだろう」
「そのうち折れるって思ってるからよ。つまりアンタは彼氏がいてもその程度にしか見られてないわけ」
「ぐぅ……」
ロッカーの鏡で見る私の顔が非常に歪んでいる。
じゃあなんと言えばいいんだ。私は笹塚とラブラブでメロメロで、彼以外見えない程好きで、もうえっちとかしてて愛し合いまくってるんですって暴露すれば諦めるのだろうか。
どんな罰ゲームだ、それ。
「まぁ、アンタが断り続けていれば、そのうち諦めるわよ。岸さんはまだ技術部や工場にはあまり行ってないみたいだし。そっちにも女の子いるんだから」
「うう、他で人身御供が見つかるのを待つしかないって事か」
がっくりする。どうせ諦めるならばもう、早く諦めてくれ。大体分室から出張とはいえ、女に声かけてるヒマがあるなら1つでも多く仕事をして欲しい……。
そんなことを思って、大きく溜息をついた。
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