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第二章~ヒューマンの国~
46話 念願のマイホーム 鍛冶場編その1
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「ドワルフ起きて! もう朝だよ」
ゆらゆらと揺らして俺を起こそうとするドーコ。どうにも沢山の種類の酒を一気に飲んだからちょっとだけ具合が悪いみたいだ。俺は拾った卵を抱き枕の様にして寝ていた。
「わかった今起きるから、大体今は何時なんだ?」
「8時だよ! 早く家に行ってどんなのかみようよ!」
昨日寝たのが3時くらいだったから大体5時間睡眠か。確かに俺も早く家に向かってどんな設備か見たかった。
「あーそうだな。早速向かうか。店長はどうした? 挨拶していこうと思ったんだが」
「店は夜しか開けないから大体店長は今の時間は寝てるんだよだから挨拶はまた今度飲みに来た時にでもしよ」
それもそうか朝から開いてる酒場なんて滅多にないな。
「じゃあ地図に書いてある場所に早速向かうか!」
「うん!」
★ ★ ★
「ほー結構土地は広いけど鍛冶場の大きさはドーコの家より小さいな。その分家は2人で住むには大きいな。あと3人ぐらい住めそうだぞ」
「家が大きくても鍛冶場が小さかったら意味がないよ……このサイズだとギリギリ2人で作業できるぐらいだね」
「そもそも何でドーコの家の鍛冶場はあんなに大きかったんだ? 1人で済んでたのに」
「鍛冶場の大きさはそのドワーフの裕福さを表すんだよ! これだったらかなり貧乏と思われちゃうよ」
「土地も余ってるし早くお金を稼いでまずは鍛冶場を大きくするのを目標にやっていくか」
「そうだね! 次期長の家がこんな小さな鍛冶場だったらドワーフのみんなに笑われちゃうよ」
「あーっ!!! そうだ俺重要な事を忘れてたぞ!!!」
「何急に大きな声出してびっくりするじゃん!!!」
「いやすまんすまん。俺まだ最強防具作ってないんだって」
「そういえばそんなこと言ってたね。でもオリハルコンの盾あるんだし大丈夫じゃない?」
「俺たちはエルフの里に向かって行くんだろ? 聞いた話によればAランクでも選りすぐりじゃないと辛いそうじゃないか! それに俺の今ある防具って鎧は壊れたから兜と盾だけだぞ! そんなので安全スローライフが送れるわけがないじゃないか!」
「ヒューマンの国にいる以上は防具がなくても安心だと思うけどね」
「いやわからないぞ。またスタンピードが」
「大丈夫だってば! ヒューマンの国は流石に冒険者がすぐ守るから! それに鍛冶場を大きくしなきゃいけないのにドワルフの防具なんて作っても一銭にもならないよ!」
「確かにそうだが……あーくそ! わかったわかったでも鍛冶場を大きくする資金が貯まったら俺の防具を作るからな!」
「それなら大丈夫かな?」
「それにしても鍛冶場をそれくらい大きくするつもりなんだ?」
「ん? そんなのこの土地一杯に決まってるよ!」
決まってるのか。
「そんな馬鹿でかい鍛冶場作ってどうするんだよ。拠点とはいえ一時的なものだぞ?」
「じゃあ配信をつけてみんなに聞いてみる?」
「いやなんか荒れそうだから大人しくドーコ様の言う通りにしておくよ」
「それでよーし」
「じゃあまず鍛冶場の中に入っていくか」
「うん!」
中は埃一つなくこの前まで誰かが住んでいたかのように綺麗で整っていた。シュドからこの話を聞いた時点でここまで予測していたんだろう。伊達に商人ギルド長をしてるわけじゃないってことだな。
ドーコは備え付けの備品をチェックしたり炉の出力を試したりしている。
「うーん綺麗に整ってるし備品も良いんだけど道具と炉の出力がねー」
「何か問題があったか?」
「うん。やっぱりヒューマンの国だからドワーフ鋼には対応してない炉の出力だね。あと道具もドワーフ鋼には対応してないみたい」
「と言う事はどのみち俺の最強装備は作れなかったってことか。でもドワーフ鋼が売られてたって事は適応した炉もこの国にはあるんだろ?」
「うん多分。でも相当高いだろうね」
「炉の出力を上げるのってそんなにお金がかかるものなのか?」
「いやそれを4つぐらい買うとなるとね」
もうでかくする構想まで練っているのか。気が早いって言うかちゃっかりしてると言うか。
「で、具体的にいくらぐらいかかりそうなんだ?」
「ざっと考えて500万リラは必要だね」
「ちょっと待て俺たちドワーフが休まず半年働いてやっと得られるのが150万リラだったよな?」
「うん。そうだよ」
「ドワーフは良いものを作るから裕福なんだよな?」
「うん」
「じゃあ500万リラっていうのは大体普通の人だったらどれくらいかかるもんなんだ?」
500万リラって言ったら最大容量の魔法鞄と同じ値段だな。
「うーん聞いた事があんまりないけど普通の商人だったら5年ぐらいかな?」
「馬鹿ドーコ!!!」
「何で急に罵倒するのさ!」
「俺たちは恩人のエマに一刻も早く恩返ししないといけないんだぞ! それを2人しかいないのに4つも炉を作るために500万リラも稼いでられるか!」
「2人でも私たちは【ドワーフの神】と【ドワーフの神の眷属】持ちなんだよ! だったら2つぐらい1人で炉を回せるよ! それにエルフの里まで着いてきてくれる冒険者なんてかなりの金額を支払わないと雇えないんだから!」
うーんドーコにドーコの考えがあったようだな。確かにエルフの里に行くまでの冒険は大変だとドウェインも言っていた。しっかりとしか資金を集めておいて損はないだろう。今日は配信予定はないが配信をつけて意見交流をエマとしたいな。
「なぁドーコ。配信つけても良いか? 出来ればエマと連絡が取りたいんだ」
「まぁ良いけどドワーフの村のみんなにこの鍛冶場を見られるのは恥ずかしいなぁ」
そんなに恥ずかしいことなのか? 許可も得たし配信をつける『今後の方針決定』でいいか。
ゆらゆらと揺らして俺を起こそうとするドーコ。どうにも沢山の種類の酒を一気に飲んだからちょっとだけ具合が悪いみたいだ。俺は拾った卵を抱き枕の様にして寝ていた。
「わかった今起きるから、大体今は何時なんだ?」
「8時だよ! 早く家に行ってどんなのかみようよ!」
昨日寝たのが3時くらいだったから大体5時間睡眠か。確かに俺も早く家に向かってどんな設備か見たかった。
「あーそうだな。早速向かうか。店長はどうした? 挨拶していこうと思ったんだが」
「店は夜しか開けないから大体店長は今の時間は寝てるんだよだから挨拶はまた今度飲みに来た時にでもしよ」
それもそうか朝から開いてる酒場なんて滅多にないな。
「じゃあ地図に書いてある場所に早速向かうか!」
「うん!」
★ ★ ★
「ほー結構土地は広いけど鍛冶場の大きさはドーコの家より小さいな。その分家は2人で住むには大きいな。あと3人ぐらい住めそうだぞ」
「家が大きくても鍛冶場が小さかったら意味がないよ……このサイズだとギリギリ2人で作業できるぐらいだね」
「そもそも何でドーコの家の鍛冶場はあんなに大きかったんだ? 1人で済んでたのに」
「鍛冶場の大きさはそのドワーフの裕福さを表すんだよ! これだったらかなり貧乏と思われちゃうよ」
「土地も余ってるし早くお金を稼いでまずは鍛冶場を大きくするのを目標にやっていくか」
「そうだね! 次期長の家がこんな小さな鍛冶場だったらドワーフのみんなに笑われちゃうよ」
「あーっ!!! そうだ俺重要な事を忘れてたぞ!!!」
「何急に大きな声出してびっくりするじゃん!!!」
「いやすまんすまん。俺まだ最強防具作ってないんだって」
「そういえばそんなこと言ってたね。でもオリハルコンの盾あるんだし大丈夫じゃない?」
「俺たちはエルフの里に向かって行くんだろ? 聞いた話によればAランクでも選りすぐりじゃないと辛いそうじゃないか! それに俺の今ある防具って鎧は壊れたから兜と盾だけだぞ! そんなので安全スローライフが送れるわけがないじゃないか!」
「ヒューマンの国にいる以上は防具がなくても安心だと思うけどね」
「いやわからないぞ。またスタンピードが」
「大丈夫だってば! ヒューマンの国は流石に冒険者がすぐ守るから! それに鍛冶場を大きくしなきゃいけないのにドワルフの防具なんて作っても一銭にもならないよ!」
「確かにそうだが……あーくそ! わかったわかったでも鍛冶場を大きくする資金が貯まったら俺の防具を作るからな!」
「それなら大丈夫かな?」
「それにしても鍛冶場をそれくらい大きくするつもりなんだ?」
「ん? そんなのこの土地一杯に決まってるよ!」
決まってるのか。
「そんな馬鹿でかい鍛冶場作ってどうするんだよ。拠点とはいえ一時的なものだぞ?」
「じゃあ配信をつけてみんなに聞いてみる?」
「いやなんか荒れそうだから大人しくドーコ様の言う通りにしておくよ」
「それでよーし」
「じゃあまず鍛冶場の中に入っていくか」
「うん!」
中は埃一つなくこの前まで誰かが住んでいたかのように綺麗で整っていた。シュドからこの話を聞いた時点でここまで予測していたんだろう。伊達に商人ギルド長をしてるわけじゃないってことだな。
ドーコは備え付けの備品をチェックしたり炉の出力を試したりしている。
「うーん綺麗に整ってるし備品も良いんだけど道具と炉の出力がねー」
「何か問題があったか?」
「うん。やっぱりヒューマンの国だからドワーフ鋼には対応してない炉の出力だね。あと道具もドワーフ鋼には対応してないみたい」
「と言う事はどのみち俺の最強装備は作れなかったってことか。でもドワーフ鋼が売られてたって事は適応した炉もこの国にはあるんだろ?」
「うん多分。でも相当高いだろうね」
「炉の出力を上げるのってそんなにお金がかかるものなのか?」
「いやそれを4つぐらい買うとなるとね」
もうでかくする構想まで練っているのか。気が早いって言うかちゃっかりしてると言うか。
「で、具体的にいくらぐらいかかりそうなんだ?」
「ざっと考えて500万リラは必要だね」
「ちょっと待て俺たちドワーフが休まず半年働いてやっと得られるのが150万リラだったよな?」
「うん。そうだよ」
「ドワーフは良いものを作るから裕福なんだよな?」
「うん」
「じゃあ500万リラっていうのは大体普通の人だったらどれくらいかかるもんなんだ?」
500万リラって言ったら最大容量の魔法鞄と同じ値段だな。
「うーん聞いた事があんまりないけど普通の商人だったら5年ぐらいかな?」
「馬鹿ドーコ!!!」
「何で急に罵倒するのさ!」
「俺たちは恩人のエマに一刻も早く恩返ししないといけないんだぞ! それを2人しかいないのに4つも炉を作るために500万リラも稼いでられるか!」
「2人でも私たちは【ドワーフの神】と【ドワーフの神の眷属】持ちなんだよ! だったら2つぐらい1人で炉を回せるよ! それにエルフの里まで着いてきてくれる冒険者なんてかなりの金額を支払わないと雇えないんだから!」
うーんドーコにドーコの考えがあったようだな。確かにエルフの里に行くまでの冒険は大変だとドウェインも言っていた。しっかりとしか資金を集めておいて損はないだろう。今日は配信予定はないが配信をつけて意見交流をエマとしたいな。
「なぁドーコ。配信つけても良いか? 出来ればエマと連絡が取りたいんだ」
「まぁ良いけどドワーフの村のみんなにこの鍛冶場を見られるのは恥ずかしいなぁ」
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