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第一章~ドワーフの村~
07話 2人っきりの宴会
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「「かんぱーい」」
ガシッと木でできたジョッキ音が響き渡る。プライベートな時間だし配信は切っておくか。
「早速なんだが、この世界の配信について教えてくれないか? 俺の生命線なんだよ」
「その毎回毎回『この世界』って言うけどどうしてなの?」
「あーそれか……」
ドーコの事を信用していないわけじゃないんだが、正直に俺が転生したなんて事を言って大丈夫なものなんだろうか。だがこのまま隠して付き合っていくなんてことはしたくない。意を決して言う。
「実は俺ここじゃない世界から来たんだ。この世界よりもっと文明が進んでる所からな。そっちの世界でも配信があって俺は配信者だったんだ。それで色々あって倒れて目が覚めたらドワーフの村近くの森にいたってわけなんだ。」
……やっぱりいきなりこんなこと言っても信じてもらえないか。
「逆にしっくり来たよー。そんな唐突に【ドワーフの知恵】を持った人が現れるわけないと思ったよ! しかも1日で【ドワーフの神】に進化するし。なーんか常識も欠けてるなーってずっと思ってたんだよ」
うっ初めて来た異世界なんだから常識も何もないだろうに。
「あとユニークスキルについてなんだが、他にもあってだな」
「はっ!? 1つユニークスキルがあるだけでも珍しいのに2つも!?」
「あーいや3つだ。【エルフの知恵】と【ヒューマンの良心】を持ってる」
「やっぱりドワルフ、非常識だよ……」
呆れられたというか脱力し切ってるな。そうかこの世界ではスキルってのはかなりレアなんだな。そういえば【ヒューマンの良心】は分からないが、【エルフの知恵】はもしかして名前的に進化するんじゃないか? 今俺が使えたのはエリクサーを作るのとナイフを使った時に出来た風属性の何かだな。
これはエルフ族にも是非会って修行を付けてもらいたい。俺の夢は最強装備で安全に暮らす事だが、出来ることが増えて困ることも無いだろう。
「ちょっと待って。【エルフの知恵】は詳しくないけど名前的に【ドワーフの知恵】と似た感じのものなのかな? だとしたら私のマジックアイテム確実にできそうだよね!!!」
「だよねって言われても、さっきも言ったが俺はこの世界の事を何も知らないんだ。そもそもマジックアイテムが何なのかも分かってない。そんなに貴重なものなのか?」
「貴重も何も今ではもう作ることができないって言われてるんだよ。何でも昔に作られたらしいんだけどね。今あるマジックアイテムはその時代に作られた物だけなんだよ」
ほーそうなのか。オーバーテクノロジーって奴か?ピラミッドとかそういう感じか。
「で、それと【エルフの知恵】がどう繋がってくるんだ?」
「これは私の研究結果なんだけど、今配信はつけてないよね?」
「あー宴会が始まった時に切っておいた」
「それなら良かった。じゃあ続けるね。ドワルフは今朝ナイフに力を込めて机ごと切ったじゃない? でもそれを今私が使っても……ほらただ肉が切れるだけ。でもマジックアイテムはその効果を宝石内に留めて誰が使っても効果が発動する様になるんだ」
「ほーほー。じゃあなんだその宝石に【エルフの知恵】を詰めろってことか?」
「まぁ大体そんな感じだね。エルフは宝石魔術が得意らしいんだ。だからきっとマジックアイテムにはエルフの協力が必要なんだよ。それなのにお父さんときたら……ブツブツ」
それでエルフ族の元へと行っていたのか。
「で! どう出来そうかな!?」
身を乗り出して尋ねてくる。っとその前にこちらの約束をまだ果たしてもらっていなかった。
「やってみないことには分からないが、すっかり話が逸れてしまってまだ俺の約束を果たしてもらってないが?」
「エッエッチなこと!?」
「じゃなくて配信についてだ!!!」
「あーそっちかー」
意外とドーコはそういう事に興味があるのか?まぁドワーフの村では髭がないと認められないらしいし青春もできなかったんだろう。俺も出来てないが。それより今は配信だ。
「メインジョブ配信者でサブジョブ無しって言うとドバンが驚いてたんだが結局詳しく聞けず仕舞いでな。そんなに珍しい事なのか?」
「そりゃそうだよ。だってメインジョブっていうのは一番恩恵を得られるジョブだからねー。冒険者だったら、戦士とか剣士をメインにしたいだろうしサブジョブでも配信者の恩恵得られるしね」
「その恩恵ってのは何なんだ? 俺は配信してて何か恩恵を受けてるのか?」
「私も鍛冶以外は興味ないから詳しくないけど、戦士だったらHPが増えたりするよ。配信者をサブジョブにする理由はステータスにボーナスがつくからみたい」
ステータス? よく考えれば俺の画面にはHPとかそういったものは一切表示されてなかった。
「そもそも俺のマイページにはステータスが載ってないんだが、もしかしてメインジョブ配信者だけだとステータスにボーナスって乗らないのか?」
「うーんジョブが生産職しかない人にはステータスが表示されないって言うのは聞いたことがあるね。あっそうだ今フォロワーって何人いるの?」
「……2人」
「まぁ来たばっかりみたいだしな仕方ないよ。」
まさかドーコに励まされる時が来るとは。
「配信者のステータスボーナスが乗るのは確か10フォロワーからだったと思うよ。もしかしたらその時にステータスが出るかもね。まぁ私的にはサブジョブに戦士を入れる事をお勧めするけど」
んー10人が収益化ラインってことか。そこまで高いハードルでは無いが1から始めるとなると結構難しいな。しかもドワーフの村はほぼ出禁状態だし。
「サブジョブってどうやって設定するんだ?」
「そんなこともってまぁ仕方ないよね。ギルドに行けばジョブを選ぶことが出来るよ。でもドワーフのギルドには行けないし、いつかヒューマンの国に行った時しか出来ないね」
出来ないねってそんな簡単に。当分の間はメインジョブ配信者だけか。
「まぁ私が知ってるのはこれぐらいかな。もっと詳しい話が聞きたかったらやっぱりヒューマンの国に行くしかないだろうね」
「そうか……それにしても配信に詳しいな。どうしてだ? ドワーフってあんまり配信見ないんだろ?」
「言わなきゃダメ?」
「言いたくなかったら言わなくていいけどちょっと気になっただけだ。」
ボソッ
「ん?」
「寂しかったから!」
あー確かに1人でずっと研究に打ち込むって言うのは辛いものだろう。そんな時に配信を見たくなる気持ちは分からなくもない。
「もー恥ずかしいこと言わせた代わりに明日からマジックアイテム作りに協力してもらうんだからね!」
「どのみちそのつもりだよ。ドーコにはお世話になってるからな。今頃1人でヒューマンの国に行っていたらのたれ死んでいたかも知れない」
「酔ってるからって夜這いしないでよね!」
「だからしないってば!!!」
明日も朝早そうだ。今度はドーコが起きるより早く起きてみよう。
ガシッと木でできたジョッキ音が響き渡る。プライベートな時間だし配信は切っておくか。
「早速なんだが、この世界の配信について教えてくれないか? 俺の生命線なんだよ」
「その毎回毎回『この世界』って言うけどどうしてなの?」
「あーそれか……」
ドーコの事を信用していないわけじゃないんだが、正直に俺が転生したなんて事を言って大丈夫なものなんだろうか。だがこのまま隠して付き合っていくなんてことはしたくない。意を決して言う。
「実は俺ここじゃない世界から来たんだ。この世界よりもっと文明が進んでる所からな。そっちの世界でも配信があって俺は配信者だったんだ。それで色々あって倒れて目が覚めたらドワーフの村近くの森にいたってわけなんだ。」
……やっぱりいきなりこんなこと言っても信じてもらえないか。
「逆にしっくり来たよー。そんな唐突に【ドワーフの知恵】を持った人が現れるわけないと思ったよ! しかも1日で【ドワーフの神】に進化するし。なーんか常識も欠けてるなーってずっと思ってたんだよ」
うっ初めて来た異世界なんだから常識も何もないだろうに。
「あとユニークスキルについてなんだが、他にもあってだな」
「はっ!? 1つユニークスキルがあるだけでも珍しいのに2つも!?」
「あーいや3つだ。【エルフの知恵】と【ヒューマンの良心】を持ってる」
「やっぱりドワルフ、非常識だよ……」
呆れられたというか脱力し切ってるな。そうかこの世界ではスキルってのはかなりレアなんだな。そういえば【ヒューマンの良心】は分からないが、【エルフの知恵】はもしかして名前的に進化するんじゃないか? 今俺が使えたのはエリクサーを作るのとナイフを使った時に出来た風属性の何かだな。
これはエルフ族にも是非会って修行を付けてもらいたい。俺の夢は最強装備で安全に暮らす事だが、出来ることが増えて困ることも無いだろう。
「ちょっと待って。【エルフの知恵】は詳しくないけど名前的に【ドワーフの知恵】と似た感じのものなのかな? だとしたら私のマジックアイテム確実にできそうだよね!!!」
「だよねって言われても、さっきも言ったが俺はこの世界の事を何も知らないんだ。そもそもマジックアイテムが何なのかも分かってない。そんなに貴重なものなのか?」
「貴重も何も今ではもう作ることができないって言われてるんだよ。何でも昔に作られたらしいんだけどね。今あるマジックアイテムはその時代に作られた物だけなんだよ」
ほーそうなのか。オーバーテクノロジーって奴か?ピラミッドとかそういう感じか。
「で、それと【エルフの知恵】がどう繋がってくるんだ?」
「これは私の研究結果なんだけど、今配信はつけてないよね?」
「あー宴会が始まった時に切っておいた」
「それなら良かった。じゃあ続けるね。ドワルフは今朝ナイフに力を込めて机ごと切ったじゃない? でもそれを今私が使っても……ほらただ肉が切れるだけ。でもマジックアイテムはその効果を宝石内に留めて誰が使っても効果が発動する様になるんだ」
「ほーほー。じゃあなんだその宝石に【エルフの知恵】を詰めろってことか?」
「まぁ大体そんな感じだね。エルフは宝石魔術が得意らしいんだ。だからきっとマジックアイテムにはエルフの協力が必要なんだよ。それなのにお父さんときたら……ブツブツ」
それでエルフ族の元へと行っていたのか。
「で! どう出来そうかな!?」
身を乗り出して尋ねてくる。っとその前にこちらの約束をまだ果たしてもらっていなかった。
「やってみないことには分からないが、すっかり話が逸れてしまってまだ俺の約束を果たしてもらってないが?」
「エッエッチなこと!?」
「じゃなくて配信についてだ!!!」
「あーそっちかー」
意外とドーコはそういう事に興味があるのか?まぁドワーフの村では髭がないと認められないらしいし青春もできなかったんだろう。俺も出来てないが。それより今は配信だ。
「メインジョブ配信者でサブジョブ無しって言うとドバンが驚いてたんだが結局詳しく聞けず仕舞いでな。そんなに珍しい事なのか?」
「そりゃそうだよ。だってメインジョブっていうのは一番恩恵を得られるジョブだからねー。冒険者だったら、戦士とか剣士をメインにしたいだろうしサブジョブでも配信者の恩恵得られるしね」
「その恩恵ってのは何なんだ? 俺は配信してて何か恩恵を受けてるのか?」
「私も鍛冶以外は興味ないから詳しくないけど、戦士だったらHPが増えたりするよ。配信者をサブジョブにする理由はステータスにボーナスがつくからみたい」
ステータス? よく考えれば俺の画面にはHPとかそういったものは一切表示されてなかった。
「そもそも俺のマイページにはステータスが載ってないんだが、もしかしてメインジョブ配信者だけだとステータスにボーナスって乗らないのか?」
「うーんジョブが生産職しかない人にはステータスが表示されないって言うのは聞いたことがあるね。あっそうだ今フォロワーって何人いるの?」
「……2人」
「まぁ来たばっかりみたいだしな仕方ないよ。」
まさかドーコに励まされる時が来るとは。
「配信者のステータスボーナスが乗るのは確か10フォロワーからだったと思うよ。もしかしたらその時にステータスが出るかもね。まぁ私的にはサブジョブに戦士を入れる事をお勧めするけど」
んー10人が収益化ラインってことか。そこまで高いハードルでは無いが1から始めるとなると結構難しいな。しかもドワーフの村はほぼ出禁状態だし。
「サブジョブってどうやって設定するんだ?」
「そんなこともってまぁ仕方ないよね。ギルドに行けばジョブを選ぶことが出来るよ。でもドワーフのギルドには行けないし、いつかヒューマンの国に行った時しか出来ないね」
出来ないねってそんな簡単に。当分の間はメインジョブ配信者だけか。
「まぁ私が知ってるのはこれぐらいかな。もっと詳しい話が聞きたかったらやっぱりヒューマンの国に行くしかないだろうね」
「そうか……それにしても配信に詳しいな。どうしてだ? ドワーフってあんまり配信見ないんだろ?」
「言わなきゃダメ?」
「言いたくなかったら言わなくていいけどちょっと気になっただけだ。」
ボソッ
「ん?」
「寂しかったから!」
あー確かに1人でずっと研究に打ち込むって言うのは辛いものだろう。そんな時に配信を見たくなる気持ちは分からなくもない。
「もー恥ずかしいこと言わせた代わりに明日からマジックアイテム作りに協力してもらうんだからね!」
「どのみちそのつもりだよ。ドーコにはお世話になってるからな。今頃1人でヒューマンの国に行っていたらのたれ死んでいたかも知れない」
「酔ってるからって夜這いしないでよね!」
「だからしないってば!!!」
明日も朝早そうだ。今度はドーコが起きるより早く起きてみよう。
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