47 / 65
第47話 ゴーレム技師、魔王のごとき理不尽な力で他の勇者候補を一掃する
しおりを挟む
「全員、集まったみたいだな」
森の中に、20人以上の勇者候補が集結していた。
意地の悪い笑みを浮かべた男が仕切っている。
「俺は勇者の称号には興味がない。だが、あのゴーレム使いには用がある。あの男には勇者になってもらっては困るのさ。だからこうして、1人金貨50枚なんて大金を渡してお前たちを抱きこんだわけだ」
集まった勇者候補は全員、ずっしりと重い袋を抱えている。
『個人ではこんな金額は出せない。この男の背後には、巨大な組織がある』
金を受け取った勇者候補達は全員そのことに気付いているが、誰も口には出さない。
「さぁ行くぞ。あのゴーレム使いを完膚なきまでに、冒険者としての自信をなくすほどに叩きのめしてくれ!」
「「「おおおおおぉー!」」」
勇者候補達は、ナットの砦へ向かって侵攻し始めた。
――――
砦の中は、複雑に壁が入り組む迷宮になっていた
1人の勇者候補が迷宮の壁を登る。すると、塔からゴーレムたちが一斉に矢を射かけてきた。
勇者候補が慌てて壁から降りる。
「壁は登れないな。壊すのも時間がかかる。2手に分かれて迷宮を攻略するぞ」
金で勇者候補達を雇った男の指示で、勇者候補達が迷宮を進んでいく。
「うわ!?」
1人の勇者候補が悲鳴を上げる。
勇者候補は、落とし穴にはまっていた。それもかなり深い
「クリスタルは無事だ! こんな穴程度でケガする俺たちじゃねぇ。這い上がりさえすればふぐ復帰できる!」
”バキン!”
「……え?」
落とし穴に落ちた勇者候補が自分の胸元を見ると、小型のゴーレムがクリスタルを破壊していた。
落とし穴にあらかじめ潜んでいたのだ。
こうして落とし穴に落ちた勇者候補は脱落した。
「やられた、落とし穴の中にも使い魔がいる!」
1人の勇者候補が叫ぶと、呼ばれたかのように迷宮の奥から巨体のゴーレムが現れる。そして、別の通路からも。
「ヤバい! 巨大使い魔だ、挟み撃ちにされる前に逃げろ!」
勇者候補たちがパニックになって逃げる。そして、落とし穴に落ちていく。
迷宮の奥から、今度は赤いミニゴーレムが現れた。
「なんだ? こんなちっこい使い魔ごときで俺たちを止められ――」
爆発。
赤いミニゴーレムの中の火薬がさく裂し、近くにいた勇者候補を吹き飛ばす。
壁に叩きつけられる勇者候補。衝撃でクリスタルは壊れていた。
「やばい、中に火薬が入ってる! この赤い小さい使い魔が一番危険だ!」
迷宮の奥から、わらわらと赤いミニゴーレムが出てくる。
「「うわあああああァ! いっぱい出てきた!!」」
パニックになった勇者候補達が迷宮の中を逃げ惑う。
本当は火薬入りゴーレムを作るには時間がかかるので、本物の火薬入りゴーレムは1体だけで残りはただ赤く塗っただけのミニゴーレムなのだが、勇者候補達がそんなことを知るはずもない。
勇者候補達はもう、無様に逃げ惑うことしかできなかった。
あるものはミニゴーレムの爆発でクリスタルを破壊され、
あるものは落とし穴に落ち、
あるものは大型ゴーレムに叩きのめされ、
砦に突入した勇者候補は全滅した。
『勇者候補が最後の1人となった! 試験終了だ!』
魔法で拡大された試験監督マキオスの声が、山中に響く。
『ナット=ソイルレット君。おめでとう、君が新しい勇者だ!』
森の中に、20人以上の勇者候補が集結していた。
意地の悪い笑みを浮かべた男が仕切っている。
「俺は勇者の称号には興味がない。だが、あのゴーレム使いには用がある。あの男には勇者になってもらっては困るのさ。だからこうして、1人金貨50枚なんて大金を渡してお前たちを抱きこんだわけだ」
集まった勇者候補は全員、ずっしりと重い袋を抱えている。
『個人ではこんな金額は出せない。この男の背後には、巨大な組織がある』
金を受け取った勇者候補達は全員そのことに気付いているが、誰も口には出さない。
「さぁ行くぞ。あのゴーレム使いを完膚なきまでに、冒険者としての自信をなくすほどに叩きのめしてくれ!」
「「「おおおおおぉー!」」」
勇者候補達は、ナットの砦へ向かって侵攻し始めた。
――――
砦の中は、複雑に壁が入り組む迷宮になっていた
1人の勇者候補が迷宮の壁を登る。すると、塔からゴーレムたちが一斉に矢を射かけてきた。
勇者候補が慌てて壁から降りる。
「壁は登れないな。壊すのも時間がかかる。2手に分かれて迷宮を攻略するぞ」
金で勇者候補達を雇った男の指示で、勇者候補達が迷宮を進んでいく。
「うわ!?」
1人の勇者候補が悲鳴を上げる。
勇者候補は、落とし穴にはまっていた。それもかなり深い
「クリスタルは無事だ! こんな穴程度でケガする俺たちじゃねぇ。這い上がりさえすればふぐ復帰できる!」
”バキン!”
「……え?」
落とし穴に落ちた勇者候補が自分の胸元を見ると、小型のゴーレムがクリスタルを破壊していた。
落とし穴にあらかじめ潜んでいたのだ。
こうして落とし穴に落ちた勇者候補は脱落した。
「やられた、落とし穴の中にも使い魔がいる!」
1人の勇者候補が叫ぶと、呼ばれたかのように迷宮の奥から巨体のゴーレムが現れる。そして、別の通路からも。
「ヤバい! 巨大使い魔だ、挟み撃ちにされる前に逃げろ!」
勇者候補たちがパニックになって逃げる。そして、落とし穴に落ちていく。
迷宮の奥から、今度は赤いミニゴーレムが現れた。
「なんだ? こんなちっこい使い魔ごときで俺たちを止められ――」
爆発。
赤いミニゴーレムの中の火薬がさく裂し、近くにいた勇者候補を吹き飛ばす。
壁に叩きつけられる勇者候補。衝撃でクリスタルは壊れていた。
「やばい、中に火薬が入ってる! この赤い小さい使い魔が一番危険だ!」
迷宮の奥から、わらわらと赤いミニゴーレムが出てくる。
「「うわあああああァ! いっぱい出てきた!!」」
パニックになった勇者候補達が迷宮の中を逃げ惑う。
本当は火薬入りゴーレムを作るには時間がかかるので、本物の火薬入りゴーレムは1体だけで残りはただ赤く塗っただけのミニゴーレムなのだが、勇者候補達がそんなことを知るはずもない。
勇者候補達はもう、無様に逃げ惑うことしかできなかった。
あるものはミニゴーレムの爆発でクリスタルを破壊され、
あるものは落とし穴に落ち、
あるものは大型ゴーレムに叩きのめされ、
砦に突入した勇者候補は全滅した。
『勇者候補が最後の1人となった! 試験終了だ!』
魔法で拡大された試験監督マキオスの声が、山中に響く。
『ナット=ソイルレット君。おめでとう、君が新しい勇者だ!』
0
お気に入りに追加
1,801
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
私の物を奪っていく妹がダメになる話
七辻ゆゆ
ファンタジー
私は将来の公爵夫人として厳しく躾けられ、妹はひたすら甘やかされて育った。
立派な公爵夫人になるために、妹には優しくして、なんでも譲ってあげなさい。その結果、私は着るものがないし、妹はそのヤバさがクラスに知れ渡っている。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
宝箱の中のキラキラ ~悪役令嬢に仕立て上げられそうだけど回避します~
よーこ
ファンタジー
婚約者が男爵家の庶子に篭絡されていることには、前々から気付いていた伯爵令嬢マリアーナ。
しかもなぜか、やってもいない「マリアーナが嫉妬で男爵令嬢をイジメている」との噂が学園中に広まっている。
なんとかしなければならない、婚約者との関係も見直すべきかも、とマリアーナは思っていた。
そしたら婚約者がタイミングよく”あること”をやらかしてくれた。
この機会を逃す手はない!
ということで、マリアーナが友人たちの力を借りて婚約者と男爵令嬢にやり返し、幸せを手に入れるお話。
よくある断罪劇からの反撃です。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる