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第8章 私の一番大切なもの
83 ドルミーレにない力
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瞬きの間に、周囲に大量の黒猫が現れた。
広間内のあらゆる影から現れた猫たちが、私たちの周りをぐるぐると駆けながら飛びかかってくる。
形状こそ猫だけれど、影によって作られたそれらは、私たちを拘束しようとするかのように妙に間伸びしている。
ゴムのようにその姿を伸び縮みさせ、黒い帯の如く猫たちが旋回する。
私は再びその魔法を掌握し、打ち消してしまおうとした。
けれど、私たちの周囲で駆け回る魔法を捉えることができても、その主導権を奪い取ることができず、打ち消すどころか進行を押さえることすらできなかった。
ハッキリとはわからないけれど、夜子さんの魔法からとても強力な力と意志を感じる。
今まで触れてきどの魔法よりも重たく、私の幻想ではとても飲み込めそうにない。
私は咄嗟に切り替えて、『真理の剣』を呼び出して握り、迫り来る猫たちに向けて振るった。
純白の剣から放たれる白光煌めく魔力の波動は、常闇の猫を全て食い、その魔法を瞬時に解いて見せた。
「私はもう君を甘く見ない。だから、君も気を抜かないことだ」
猫を払った私に、夜子さんは静かな声で言った。
「私たちはドルミーレと再会を果たすため、二千年の時を生きてきた。いくら君が力を使いこなしてきたとはいえ、私たちの魔法は他の誰のものとも比べ物にはならないよ。君が使える程度の力で、私の魔法を御し切れると思わないことだ」
「ッ…………」
夜子さんはそう淡々と、ただ事実を語る。
確かに今の夜子さんの魔法は重く深く、卓越した実力を感じさせた。
いくら私が幻想を掌握する力を持っていたとしても、彼女が持つ重みは凌駕できない。
二千年を生きてきたと言う彼女は、言わば幻想そのもののようなものだ。
「二千年、二千年だ。想像できるかい? 私自身だって実感なんてないよ。それくらいに途方もない時の中を、私たちは我を失いそうになりながら生きてきた。ただひたすら、親友に会うために。だからもうここで、転けるわけにはいかないんだ」
「夜子さん……」
「君ならわかるだろう、アリスちゃん。大切な友を想う気持ちが。守りたい気持ちが。また会いたいという気持ちが。私たちはね、もう何を投げ打ったとしても、ドルミーレを守るって決めたんだ」
夜子さんの茶髪が黒く染まり、頭からは猫の耳が生える。
瞳は縦に鋭い肉食獣のそれへと煌めきを変え、彼女の身長程もある長い尻尾が二本揺らめく。
夜子さんの身に巣食う『魔女ウィルス』がその力を遺憾なく解き放ち、異形の威圧が空間を埋め尽くした。
もう何度も目にした悍ましさではあるけれど、それでも人の理解を超えたその気配は、背筋を凍らせる。
「今でも私は、アリスちゃんのことを友達だと思ってる。君のことは君のことで、友人の子のように可愛く思ってる。だから可能な限り君のことを思いやってあげたいけれど、でもそれには限度があるからね。ドルミーレを脅かそうとするのなら、君を力尽くで止めることを私は躊躇わないよ」
「夜子さんの気持ちはわかりました。それでも私は、夜子さんと今ここで争うつもりはありません……!」
降り掛かってくる身の毛もよ立つ威圧感に身構えながらも、私は首を振って叫んだ。
迫り来るものは振り払うしかないけれど、でも私は戦いたくなんてない。
少なくとも今は、そんなことをしている場合じゃないから。
「ドルミーレの親友で、彼女を擁護する夜子さんたちは、私にとって敵かもしれない。でも今は、今だけは戦ってる場合じゃない。少なくとも私たちは、ジャバウォックを止めるという共通の目的を持ってるんですから!」
「目的が同じでも、立てる道筋が違うのだから仕方がないじゃないか。それに、こんなに意見が対立してるっていうのに、今更争わないなんて無理な話だろう」
「無理でも、しない。だって、こんなことは時間の無駄だから……!」
私だって二人には思うところが山のようにあって、それを全てぶつけたい激情がある。
でもそれを必死で堪えて、飲み込んで立ち上がっているのは、氷室さんを助けるため、そしてクリアちゃんを止めるためだ。
最優先にしなければならないそれを目の前に、他のことで立ち止まっている時間なんてない。
「二人がドルミーレを案じているのはわかりました。信じたくないけど、でも確かにドルミーレと親友だったんでしょう。なら、ジャバウォックが降り掛かることに怯えるのもわかります。でも、それでも! 私はこの力を持って、立ち向かわなきゃ行けないんです!」
「堂々巡りだよ、アリスちゃん。これ以上主張をぶつけ合っても仕方がない。それこそ時間の無駄だ。果てしない時を堪えてきた私たちはもう、今し損じるわけにはいかないんだよ!」
私のわがままのような訴えに、夜子さんは苛立ちを隠さない。
もう話し合うつもりなどないと、彼女の足元の影が波打って、影の刃が波動のように床を這ってこちらに放たれた。
複数同時に放たれたそれは、散会して私たちを複数方向から襲う。
「それでも、それでも私を信じて欲しいと、そう言っているんです!!!」
しかし私はそれを、『真理の剣』の大振り一振りで全て掻き消した。
黒い影を白い輝きが覆い尽くし、混ぜこぜになって霞となって消える。
「心配なのはわかる。不安なのはわかる。もしもをなくしたい、万が一を回避したい、それも全部わかるけど! でも、慎重になればいいってものじゃない。少なくとも私は、守られたいだなんて思ってない!」
『真理の剣』を強く握り、身体の中を駆け巡る力を最大限に高める。
ドルミーレの邪魔がなくなった今、『始まりの力』は際限なく湧き上がり、私の体から嵐のように吹き荒れる。
私が把握しきれていない、使いこなしきれていないであろう、膨大すぎる力が私から溢れている。
そんな私に、夜子さんは眉をひそめた。
「確かに私はまだまだ未熟です。ドルミーレの力を持とうと私は所詮幻影みたいなものだし、私自身はそこら辺のただの女の子と変わらない。それでも私はここまできた。沢山の人たちの力を借りてだけれど、私はここまで自分の力で進んできた。二人にとってはちっぽけな小娘かもしれないけど、私はもう、誰かに守ってもらわなきゃいけないほど、弱くなんかない!」
そう啖呵を切ってみたものの、半分は強がりだ。
私はまだまだ弱く、友達の支えがなければすぐに挫けてしまう。
けれどそれでも、ただ流されるままに翻弄されて、自らの運命を嘆くだけのかつての私とは違う。
大切な人たちと手を取り合って、自らの力で立ち上がり、然るべきものと立ち向かうことができる。
だからこそ今の私は、この過ぎた力を自らの意思で扱えているのだから。
もちろんドルミーレ本人には及ぶべくもないけれど。
でも、この身を支える心の力では、決して負けてなんていないんだから。
「ジャバウォックがドルミーレの天敵? そんなの私には関係ない。どんなに恐ろしくたって、私の大切なものを脅かすなら、私は絶対に負けない。あなたたちが大切だと言うドルミーレが恐れるのだとしても、私は絶対に恐れたりなんてしない。だって私には、この心で繋がってくれている友達がいるから!」
「そんなこと、何も知らないから言えるんだ! 君よりも遥かに力を扱えたドルミーレですら、ジャバウォックに勝つことは容易じゃなかった。例え君が彼女にないものを持っていたとしても、君が持っていないものの方が遥かに大きい!」
「それを決めるのは夜子じゃない。私です!!!」
「……!?」
珍しくムキになって声を上げる夜子さんに、私は力強く吠えた。
「私は彼女の夢だけれど、でも私は彼女じゃない。彼女と同じなんかじゃない。私は、私を支えてくれる友達との絆の強さを信じてる。それが、どんな困難をも切り開く力を持ってるって、そう信じてる!」
世界の趨勢を握る力だとか、それが世界を生み出しただとか、脅かしただとか。
そんな突拍子もない、抱えきれないような運命の中で、私が前を向いてこられたのは友達のお陰だから。
その力の根源である『始まりの魔女』と直面しても、私が折れずにこうして今ここにいられるのも、友達の支えだから。
私は、自分が彼女に劣っているとは思わない。
「私は氷室さんを守る。クリアちゃんを倒して、その罪を償わせる。絶対に! でももし、もし万が一ジャバウォックの危険が現れてしまったとしても、私がみんなを守る!」
私は沢山の人たちに守られてきた。
友達に支えられ、助けられて、そしてそれはお母さんや夜子さんにも。
そうやって繋いだ命、それによって得た力は私だけのものだ。
魔法とか『始まりの力』とか、そういうあからさまな力じゃなくて。
私がみんなと繋いできた絆が生み出した、心を奮い立たせる力を私は持ってる。
私を守ってくれたみんなの想いが与えたくれた力は、みんなを守りたい私の力になってくれるから。
「だから夜子さん、私を信じてください! もし本当に、私のことを想ってくれる気持ちがあるのなら。私の身を案じるんじゃなくて、力を貸してください!」
突き進むという意志が力になって、私の周りで魔力が白く煌めく。
力の奔流がドクドクと暴れて、私を中心に波状に広がる。
その力と輝きを身にまとって、私は夜子さんへと懇願した。
広間内のあらゆる影から現れた猫たちが、私たちの周りをぐるぐると駆けながら飛びかかってくる。
形状こそ猫だけれど、影によって作られたそれらは、私たちを拘束しようとするかのように妙に間伸びしている。
ゴムのようにその姿を伸び縮みさせ、黒い帯の如く猫たちが旋回する。
私は再びその魔法を掌握し、打ち消してしまおうとした。
けれど、私たちの周囲で駆け回る魔法を捉えることができても、その主導権を奪い取ることができず、打ち消すどころか進行を押さえることすらできなかった。
ハッキリとはわからないけれど、夜子さんの魔法からとても強力な力と意志を感じる。
今まで触れてきどの魔法よりも重たく、私の幻想ではとても飲み込めそうにない。
私は咄嗟に切り替えて、『真理の剣』を呼び出して握り、迫り来る猫たちに向けて振るった。
純白の剣から放たれる白光煌めく魔力の波動は、常闇の猫を全て食い、その魔法を瞬時に解いて見せた。
「私はもう君を甘く見ない。だから、君も気を抜かないことだ」
猫を払った私に、夜子さんは静かな声で言った。
「私たちはドルミーレと再会を果たすため、二千年の時を生きてきた。いくら君が力を使いこなしてきたとはいえ、私たちの魔法は他の誰のものとも比べ物にはならないよ。君が使える程度の力で、私の魔法を御し切れると思わないことだ」
「ッ…………」
夜子さんはそう淡々と、ただ事実を語る。
確かに今の夜子さんの魔法は重く深く、卓越した実力を感じさせた。
いくら私が幻想を掌握する力を持っていたとしても、彼女が持つ重みは凌駕できない。
二千年を生きてきたと言う彼女は、言わば幻想そのもののようなものだ。
「二千年、二千年だ。想像できるかい? 私自身だって実感なんてないよ。それくらいに途方もない時の中を、私たちは我を失いそうになりながら生きてきた。ただひたすら、親友に会うために。だからもうここで、転けるわけにはいかないんだ」
「夜子さん……」
「君ならわかるだろう、アリスちゃん。大切な友を想う気持ちが。守りたい気持ちが。また会いたいという気持ちが。私たちはね、もう何を投げ打ったとしても、ドルミーレを守るって決めたんだ」
夜子さんの茶髪が黒く染まり、頭からは猫の耳が生える。
瞳は縦に鋭い肉食獣のそれへと煌めきを変え、彼女の身長程もある長い尻尾が二本揺らめく。
夜子さんの身に巣食う『魔女ウィルス』がその力を遺憾なく解き放ち、異形の威圧が空間を埋め尽くした。
もう何度も目にした悍ましさではあるけれど、それでも人の理解を超えたその気配は、背筋を凍らせる。
「今でも私は、アリスちゃんのことを友達だと思ってる。君のことは君のことで、友人の子のように可愛く思ってる。だから可能な限り君のことを思いやってあげたいけれど、でもそれには限度があるからね。ドルミーレを脅かそうとするのなら、君を力尽くで止めることを私は躊躇わないよ」
「夜子さんの気持ちはわかりました。それでも私は、夜子さんと今ここで争うつもりはありません……!」
降り掛かってくる身の毛もよ立つ威圧感に身構えながらも、私は首を振って叫んだ。
迫り来るものは振り払うしかないけれど、でも私は戦いたくなんてない。
少なくとも今は、そんなことをしている場合じゃないから。
「ドルミーレの親友で、彼女を擁護する夜子さんたちは、私にとって敵かもしれない。でも今は、今だけは戦ってる場合じゃない。少なくとも私たちは、ジャバウォックを止めるという共通の目的を持ってるんですから!」
「目的が同じでも、立てる道筋が違うのだから仕方がないじゃないか。それに、こんなに意見が対立してるっていうのに、今更争わないなんて無理な話だろう」
「無理でも、しない。だって、こんなことは時間の無駄だから……!」
私だって二人には思うところが山のようにあって、それを全てぶつけたい激情がある。
でもそれを必死で堪えて、飲み込んで立ち上がっているのは、氷室さんを助けるため、そしてクリアちゃんを止めるためだ。
最優先にしなければならないそれを目の前に、他のことで立ち止まっている時間なんてない。
「二人がドルミーレを案じているのはわかりました。信じたくないけど、でも確かにドルミーレと親友だったんでしょう。なら、ジャバウォックが降り掛かることに怯えるのもわかります。でも、それでも! 私はこの力を持って、立ち向かわなきゃ行けないんです!」
「堂々巡りだよ、アリスちゃん。これ以上主張をぶつけ合っても仕方がない。それこそ時間の無駄だ。果てしない時を堪えてきた私たちはもう、今し損じるわけにはいかないんだよ!」
私のわがままのような訴えに、夜子さんは苛立ちを隠さない。
もう話し合うつもりなどないと、彼女の足元の影が波打って、影の刃が波動のように床を這ってこちらに放たれた。
複数同時に放たれたそれは、散会して私たちを複数方向から襲う。
「それでも、それでも私を信じて欲しいと、そう言っているんです!!!」
しかし私はそれを、『真理の剣』の大振り一振りで全て掻き消した。
黒い影を白い輝きが覆い尽くし、混ぜこぜになって霞となって消える。
「心配なのはわかる。不安なのはわかる。もしもをなくしたい、万が一を回避したい、それも全部わかるけど! でも、慎重になればいいってものじゃない。少なくとも私は、守られたいだなんて思ってない!」
『真理の剣』を強く握り、身体の中を駆け巡る力を最大限に高める。
ドルミーレの邪魔がなくなった今、『始まりの力』は際限なく湧き上がり、私の体から嵐のように吹き荒れる。
私が把握しきれていない、使いこなしきれていないであろう、膨大すぎる力が私から溢れている。
そんな私に、夜子さんは眉をひそめた。
「確かに私はまだまだ未熟です。ドルミーレの力を持とうと私は所詮幻影みたいなものだし、私自身はそこら辺のただの女の子と変わらない。それでも私はここまできた。沢山の人たちの力を借りてだけれど、私はここまで自分の力で進んできた。二人にとってはちっぽけな小娘かもしれないけど、私はもう、誰かに守ってもらわなきゃいけないほど、弱くなんかない!」
そう啖呵を切ってみたものの、半分は強がりだ。
私はまだまだ弱く、友達の支えがなければすぐに挫けてしまう。
けれどそれでも、ただ流されるままに翻弄されて、自らの運命を嘆くだけのかつての私とは違う。
大切な人たちと手を取り合って、自らの力で立ち上がり、然るべきものと立ち向かうことができる。
だからこそ今の私は、この過ぎた力を自らの意思で扱えているのだから。
もちろんドルミーレ本人には及ぶべくもないけれど。
でも、この身を支える心の力では、決して負けてなんていないんだから。
「ジャバウォックがドルミーレの天敵? そんなの私には関係ない。どんなに恐ろしくたって、私の大切なものを脅かすなら、私は絶対に負けない。あなたたちが大切だと言うドルミーレが恐れるのだとしても、私は絶対に恐れたりなんてしない。だって私には、この心で繋がってくれている友達がいるから!」
「そんなこと、何も知らないから言えるんだ! 君よりも遥かに力を扱えたドルミーレですら、ジャバウォックに勝つことは容易じゃなかった。例え君が彼女にないものを持っていたとしても、君が持っていないものの方が遥かに大きい!」
「それを決めるのは夜子じゃない。私です!!!」
「……!?」
珍しくムキになって声を上げる夜子さんに、私は力強く吠えた。
「私は彼女の夢だけれど、でも私は彼女じゃない。彼女と同じなんかじゃない。私は、私を支えてくれる友達との絆の強さを信じてる。それが、どんな困難をも切り開く力を持ってるって、そう信じてる!」
世界の趨勢を握る力だとか、それが世界を生み出しただとか、脅かしただとか。
そんな突拍子もない、抱えきれないような運命の中で、私が前を向いてこられたのは友達のお陰だから。
その力の根源である『始まりの魔女』と直面しても、私が折れずにこうして今ここにいられるのも、友達の支えだから。
私は、自分が彼女に劣っているとは思わない。
「私は氷室さんを守る。クリアちゃんを倒して、その罪を償わせる。絶対に! でももし、もし万が一ジャバウォックの危険が現れてしまったとしても、私がみんなを守る!」
私は沢山の人たちに守られてきた。
友達に支えられ、助けられて、そしてそれはお母さんや夜子さんにも。
そうやって繋いだ命、それによって得た力は私だけのものだ。
魔法とか『始まりの力』とか、そういうあからさまな力じゃなくて。
私がみんなと繋いできた絆が生み出した、心を奮い立たせる力を私は持ってる。
私を守ってくれたみんなの想いが与えたくれた力は、みんなを守りたい私の力になってくれるから。
「だから夜子さん、私を信じてください! もし本当に、私のことを想ってくれる気持ちがあるのなら。私の身を案じるんじゃなくて、力を貸してください!」
突き進むという意志が力になって、私の周りで魔力が白く煌めく。
力の奔流がドクドクと暴れて、私を中心に波状に広がる。
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