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第7章 リアリスティック・ドリームワールド
98 蛸の海
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闇に覆われた視界は、何一つとして捉えることができなかった。
すぐ隣にいる氷室さんの顔すら、どんなに目を凝らしたって見えない。
あらゆる光を遮断された闇の空間は、まるで地獄に落とされたかのような絶望感を叩きつけてくる。
何も見えないことがこんなに恐ろしいのかと、突きつけられて改めて実感した。
ただ見えていないというだけで、足は一歩も動かないし、不安で体が震える。
このまま放置されたら、きっと気が狂ってしまうだろう。
けれど、何も見えないとしても、この手を氷室さんが握ってくれている。
それだけで自分はここにいるだと実感できて、心を落ち着けることができた。
その存在を確かめるように、握る手に力を入れる。
そうすることで冷静さを取り戻した私は、すぐさま対抗に出た。
周囲を覆い尽くす闇はクロアさんの魔法によるもの。
ならばその幻想を掌握することは容易い。
包み込んでくる闇に意識を向け、霧を晴らすようにその靄を掻き乱す。
世界を闇に塗りつぶしていた黒い靄が攪拌され、暑い雲が切り裂かれるように開ける。
そうしてまた微かな木漏れ日が差し込んできて、薄暗くも視界が戻った。
次の瞬間、大きく目を見開いたクロアさんの顔が、私の目の前に現れた。
「ッ────────!?」
声にならない悲鳴が喉から飛び出し、驚愕と恐怖に体が固まる。
吐息がかかるほどの至近距離に迫っていたクロアさんの顔は、ニンマリと歪んだ笑みを浮かべていた。
暗闇に紛れ接近してきていたクロアさんの手を逃れる時間がなかった。
迎撃することも身を翻すことも間に合わない。
クロアさんは私を抱きしめるように腕を伸ばしてきている。
「…………!」
そんな彼女に、氷室さんが横から氷を放った。
ギリギリのタイミングではあったけれど、その手が私に触れる一瞬前に、空気を凍結させた氷の波がクロアさんに覆い被さった。
しかし、それは彼女の蛸の脚によって振り払われる。
同時に氷室さん自身も振り回された殴打を受け、吹き飛ばされた。
「氷室さん!」
吹き飛ばされた勢いで私の手から離れてしまう氷室さん。
咄嗟のことに意識がそっちに向いてしまって、私は目の前のクロアさんから目を逸らしてしまった。
その瞬間にクロアさんが私を熱く抱擁した。
その細腕からは想像できない力強さで私を抱き、固く締め付ける。
「姫様! やっとこの手に! わたくしがお守り申し上げます! あの者の手になど、もう二度と触れさせやしません!」
「は、放して!」
力で対応しても仕方がないと悟った私は、自身から強い光を放った。
私自身が恒星にでもなったかのように光を輝かせ、周囲を瞬時に光で照らす。
その輝きを眼前で受けたクロアさんには強い目眩しとなって、反射的に私を手放した。
その隙を逃さず、光をまとったまま光速で離脱する。
大きく飛び退き、そして氷室さんが吹き飛ばされたところまで一直線に駆けつけた。
合流した氷室さんは幸い大きなダメージは受けていないようで、私たちはまた二人並んでクロアさんへと向いた。
「姫様が、わたくしに抵抗を!? わたくしはただ姫様をお守りしようとしているだけだというのに! あぁ、あなたの、あなたのせいです!!!」
目が眩み悶えていたクロアさんだけれど、すぐに体勢を立て直した。
その恨みを全て氷室さんへと向け、思い通りにいかない苛立ちを喚き散らす。
「あなたが姫様を誤ちへと誘う。あなたが邪魔なのです! わたくしの姫様から、離れなさい!!!」
悲鳴のような叫びと共に、黒々とした蛸の脚が放たれる。
闇をまといて差し向けられたその脚は、地を這う黒い靄と混ざり合い、波のように押し寄せた。
転臨の力を現して下半身を蛸にする彼女の脚の数は、通常のそれと同じく八本。
けれど闇と入り混じって地を流れからそれは、数え切れないほどの数だった。
地面に満たされていた闇の靄が全て蛸の脚になったように、無数の脚の闇が流れ込んでくる。
身の丈を越える草花や、丘のような木の根を乗り越えて飲み込んで、ヌメヌメとした蛸の脚が濁流のように迫ってくる。
この世のものとは思えない、身の毛もよ立つ光景に吐き気を催しそうになる。
けれどそれをグッと飲み込んで、私は一歩氷室さんの前に出た。
押し寄せる蛸の脚の濁流に向けて、『真理の剣』に魔力を込めた斬撃の波動を叩き込む。
白い輝きを持って放たれた斬撃の閃光は、迫りくる蛸の脚たちと正面からぶつかり合い、衝突した部分を掻き消した。
それを確認した私は続け様に剣を振るって、私たちを飲み込まんとする蛸の脚を打ち消し続けた。
そうして切り開かれた道筋に向けて、氷室さんが魔法を放とうとした。
しかし、その先にいるであろうクロアさんの姿はもうなかった。
「潰れて死になさい!」
怨念のこもったその声は、頭上から飛んできた。
私たちが慌てて空を見上げると、木々の巨大な葉っぱの代わりに大きく広げられた蛸の脚が天を覆っていた。
八本の脚を力の限り広げたクロアさんが、まるで獲物を捕食するかのように氷室さんに向けて飛び掛かった。
人一人の体積を軽く上回る巨大な蛸の脚が氷室さんを覆い尽くすように伸び、押し潰さんとクロアさんが迫る。
「ッ…………!」
八本の脚が氷室さんを捕らえようとした寸前、彼女が私を突き飛ばした。
クロアさんは飽くまで氷室さんを狙っていたようだったけれど、そのダイナミックな攻撃は私にも猛威を振るいそうだったからだ。
「氷室さん!」
私がその場を離れたのと同時に、ズドンと鈍い音を立ててクロアさんの脚が氷室さんを包み込んだ。
巨大な蛸の下半身を持つクロアさんは、女性とはいえ高重量を持つように見える。
そんな彼女に押し潰され、その脚に揉みくちゃにされればひとたまりもない。
絶望感が全身を駆け抜け、私は慌てて体勢を立て直した。
その脚に覆われ囚われている氷室さんを助けようと、『真理の剣』を強く握って飛び込もうとする。
「姫様は、少々大人しくしていてくださいな」
しかし、近づくことは叶わなかった。
私が地を蹴ろうと瞬間、足元が沼のようにズプリと沈んだからだ。
地面を這っていた闇の靄が、私の足を掬った。
そうしてバランスを崩した私に、靄から次々と蛸の脚が伸びてきて、両脚に絡まり腕もを捕らえる。
私はまたしても、蛸の脚に絡まれて身動きが取れなくなってしまった。
すぐ隣にいる氷室さんの顔すら、どんなに目を凝らしたって見えない。
あらゆる光を遮断された闇の空間は、まるで地獄に落とされたかのような絶望感を叩きつけてくる。
何も見えないことがこんなに恐ろしいのかと、突きつけられて改めて実感した。
ただ見えていないというだけで、足は一歩も動かないし、不安で体が震える。
このまま放置されたら、きっと気が狂ってしまうだろう。
けれど、何も見えないとしても、この手を氷室さんが握ってくれている。
それだけで自分はここにいるだと実感できて、心を落ち着けることができた。
その存在を確かめるように、握る手に力を入れる。
そうすることで冷静さを取り戻した私は、すぐさま対抗に出た。
周囲を覆い尽くす闇はクロアさんの魔法によるもの。
ならばその幻想を掌握することは容易い。
包み込んでくる闇に意識を向け、霧を晴らすようにその靄を掻き乱す。
世界を闇に塗りつぶしていた黒い靄が攪拌され、暑い雲が切り裂かれるように開ける。
そうしてまた微かな木漏れ日が差し込んできて、薄暗くも視界が戻った。
次の瞬間、大きく目を見開いたクロアさんの顔が、私の目の前に現れた。
「ッ────────!?」
声にならない悲鳴が喉から飛び出し、驚愕と恐怖に体が固まる。
吐息がかかるほどの至近距離に迫っていたクロアさんの顔は、ニンマリと歪んだ笑みを浮かべていた。
暗闇に紛れ接近してきていたクロアさんの手を逃れる時間がなかった。
迎撃することも身を翻すことも間に合わない。
クロアさんは私を抱きしめるように腕を伸ばしてきている。
「…………!」
そんな彼女に、氷室さんが横から氷を放った。
ギリギリのタイミングではあったけれど、その手が私に触れる一瞬前に、空気を凍結させた氷の波がクロアさんに覆い被さった。
しかし、それは彼女の蛸の脚によって振り払われる。
同時に氷室さん自身も振り回された殴打を受け、吹き飛ばされた。
「氷室さん!」
吹き飛ばされた勢いで私の手から離れてしまう氷室さん。
咄嗟のことに意識がそっちに向いてしまって、私は目の前のクロアさんから目を逸らしてしまった。
その瞬間にクロアさんが私を熱く抱擁した。
その細腕からは想像できない力強さで私を抱き、固く締め付ける。
「姫様! やっとこの手に! わたくしがお守り申し上げます! あの者の手になど、もう二度と触れさせやしません!」
「は、放して!」
力で対応しても仕方がないと悟った私は、自身から強い光を放った。
私自身が恒星にでもなったかのように光を輝かせ、周囲を瞬時に光で照らす。
その輝きを眼前で受けたクロアさんには強い目眩しとなって、反射的に私を手放した。
その隙を逃さず、光をまとったまま光速で離脱する。
大きく飛び退き、そして氷室さんが吹き飛ばされたところまで一直線に駆けつけた。
合流した氷室さんは幸い大きなダメージは受けていないようで、私たちはまた二人並んでクロアさんへと向いた。
「姫様が、わたくしに抵抗を!? わたくしはただ姫様をお守りしようとしているだけだというのに! あぁ、あなたの、あなたのせいです!!!」
目が眩み悶えていたクロアさんだけれど、すぐに体勢を立て直した。
その恨みを全て氷室さんへと向け、思い通りにいかない苛立ちを喚き散らす。
「あなたが姫様を誤ちへと誘う。あなたが邪魔なのです! わたくしの姫様から、離れなさい!!!」
悲鳴のような叫びと共に、黒々とした蛸の脚が放たれる。
闇をまといて差し向けられたその脚は、地を這う黒い靄と混ざり合い、波のように押し寄せた。
転臨の力を現して下半身を蛸にする彼女の脚の数は、通常のそれと同じく八本。
けれど闇と入り混じって地を流れからそれは、数え切れないほどの数だった。
地面に満たされていた闇の靄が全て蛸の脚になったように、無数の脚の闇が流れ込んでくる。
身の丈を越える草花や、丘のような木の根を乗り越えて飲み込んで、ヌメヌメとした蛸の脚が濁流のように迫ってくる。
この世のものとは思えない、身の毛もよ立つ光景に吐き気を催しそうになる。
けれどそれをグッと飲み込んで、私は一歩氷室さんの前に出た。
押し寄せる蛸の脚の濁流に向けて、『真理の剣』に魔力を込めた斬撃の波動を叩き込む。
白い輝きを持って放たれた斬撃の閃光は、迫りくる蛸の脚たちと正面からぶつかり合い、衝突した部分を掻き消した。
それを確認した私は続け様に剣を振るって、私たちを飲み込まんとする蛸の脚を打ち消し続けた。
そうして切り開かれた道筋に向けて、氷室さんが魔法を放とうとした。
しかし、その先にいるであろうクロアさんの姿はもうなかった。
「潰れて死になさい!」
怨念のこもったその声は、頭上から飛んできた。
私たちが慌てて空を見上げると、木々の巨大な葉っぱの代わりに大きく広げられた蛸の脚が天を覆っていた。
八本の脚を力の限り広げたクロアさんが、まるで獲物を捕食するかのように氷室さんに向けて飛び掛かった。
人一人の体積を軽く上回る巨大な蛸の脚が氷室さんを覆い尽くすように伸び、押し潰さんとクロアさんが迫る。
「ッ…………!」
八本の脚が氷室さんを捕らえようとした寸前、彼女が私を突き飛ばした。
クロアさんは飽くまで氷室さんを狙っていたようだったけれど、そのダイナミックな攻撃は私にも猛威を振るいそうだったからだ。
「氷室さん!」
私がその場を離れたのと同時に、ズドンと鈍い音を立ててクロアさんの脚が氷室さんを包み込んだ。
巨大な蛸の下半身を持つクロアさんは、女性とはいえ高重量を持つように見える。
そんな彼女に押し潰され、その脚に揉みくちゃにされればひとたまりもない。
絶望感が全身を駆け抜け、私は慌てて体勢を立て直した。
その脚に覆われ囚われている氷室さんを助けようと、『真理の剣』を強く握って飛び込もうとする。
「姫様は、少々大人しくしていてくださいな」
しかし、近づくことは叶わなかった。
私が地を蹴ろうと瞬間、足元が沼のようにズプリと沈んだからだ。
地面を這っていた闇の靄が、私の足を掬った。
そうしてバランスを崩した私に、靄から次々と蛸の脚が伸びてきて、両脚に絡まり腕もを捕らえる。
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