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幕間 親友たちの叫び

第0.5章 人物紹介&用語解説

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■人物紹介

●主人公
花園はなぞの アリス
 第1章開始より約七年前の、小学四年生十歳のアリス。
 幼馴染みの晴香に教わった三つ編みおさげがお気に入りの髪型。
 読書好きが転じて、不思議なことや突拍子もないことを空想するのが好きな、夢見る少女。
 無邪気で奔放で屈託のない彼女は、誰にでも歩み寄り心を開き手を取ることのできる優しさを持つ。
 魔女レイによって『まほうつかいの国』にいざなわれ、幾多の冒険の末悪政を敷く女王と戦い、それを打ち倒した。
『始まりの魔女』ドルミーレをその心の内に内包し、その『始まりの力』を使う。そしてかつてドルミーレの物だったとされる『真理のつるぎ』を持つ。
『まほうつかいの国』にて一年ばかり姫君として玉座につくが、自身の中に眠るドルミーレをいつの日か打倒するため、自ら一時全てを失う決意をした。
 その後、身柄は『まほうつかいの国』から消失した。

●魔法使い
・レオ
『まほうつかいの国』に住む十一歳の少年。
 燃えるような赤い長髪が特徴的な、短気で活発な子供。顔が怖い。
 頭を使うことは苦手で、体を動かすことや実践的なことを好むが、警戒心が強く疑り深い性格。男として友人を守らなければいけないという使命感が、余計に彼をそうさせる。
 魔法使いの家の子供として、幼馴染みのアリアと修練を積む日々を過ごしていたが、アリスと出会うことでそれは一変した。
 何も知らずに無謀なことをするアリスを放っておけず、女王の手から彼女を守ったことをきっかけに、その旅に同行することとなる。
 アリスが姫君に戴冠した後はアリアと共に自身の街にもどり、王族特務の任に着くために修練に励んでいた。

・アリア
『まほうつかいの国』に住む十二歳の少女。
 黒髪をポニーテールにした髪型で、年の割にしっかりとした理知的な顔立ち。
 幼馴染みのレオとは対照的に座学に秀でており、知識が豊富で手広い魔法を使う。直接戦闘的な魔法よりも、サポート系の魔法の方が得意。
 三人の中で一番の年長であり冷静で聡明な彼女は、しっかりしているため保護者ぶることがあるが、その感性は年相応。
 アリスを妹のように可愛がり、良き理解者としてその心を支えてきた。過保護に過ぎる嫌いがある。

・イヴニング・プリムローズ・ナイトウォーカー / 真宵田まよいだ 夜子よるこ
 王族特務の魔法使いにして、『まほうつかいの国』最強の魔法使いと言われている女性。
 その容姿は第1章開始時より七年前のこの時も一切の変わりがない。アリスには母親と同じ三十代頃のように見えた。
 時折アリスの前に奇妙な登場をしては、為になるのかならないのかわからない言葉を投げかけて、また唐突に去る。
 アリスのこと、そしてその中にいるドルミーレに関することを深く知っているようだが、詳しく語りはしない。
 飽くまでアリスに手を貸すつもりはないというスタンスを取りつつ、その場そのままのことを伝えるという形で度々選択肢を提示することも。
 アリスが自身の運命に苦悩する中、その問題を先送りにする道を提示したが……。

・スカーレット・ローズ・ハートレス
『まほうつかいの国』の女王。
 炎のように逆立った真っ赤な髪に、真紅の瞳、豪華で華美な真っ赤なドレスといった全身赤い出立の女性。
 その齢は四十代後半の中年だが、十は若く見える整った綺麗な顔立ちをしている。しかし常に癇癪を起こし怒りに満ちた表情をしているため、その美しさは醜く歪んでいる。
『まほうつかいの国』の王族は、古の時代この世界と国を救った英雄の血を継いでおり、彼女はその末裔である。
 その血筋と王族であるというプライドが、彼女を我が儘で横暴で粗悪な性格に歪めてしまった。
 国の全ての物は自分の所有物だと豪語し、全ての贅を独り占めにし、独りよがりで自分勝手な、政策とも言えぬ暴虐を尽くしていた彼女は国民からの信頼を完全に失っていた。しかし国王としての権力と、彼女自身の一流の魔法使いである実力を振るい、人々を押し込めていた。
『まほうつかいの国』以外の他種族を下等な存在だと見下し、国内に住む彼らを差別し迫害していた。
 救国の剣である『真理のつるぎ』を持つアリスに敗れ、剣を奪うことで反撃を試みるも眠れるドルミーレの怒りを買い焼死した。
 その怒りと苛立ちを表すように炎の魔法を好む。
 婿にとった夫は仲違いをした結果に処刑し、娘がいたようだがその所在を知る者はいないという。天涯孤独の暴君だった。

●魔女
氷室ひむろ あられ
 冬のとある日に出会った謎の少女。雪の降る中一人道端で縮こまる彼女をアリスが見つけ、友達となった。
 彼女が魔女であることをアリスは知ることのないまま友好を深め、深い友情が『寵愛』の繋がりを結んだ。
 それがきっかけとなり、眠りについていたドルミーレと『始まりの力』が僅かに頭を見せることとなった。
 アリスが『まほうつかいの国』に行ってからも、『寵愛』の繋がりを辿って何度もアリスの心を助けてきた。

・レイ
 アリスを『まほうつかいの国』に招き入れた張本人の魔女。
 その容姿は第1章開始時より七年前のこの時も一切の変わりがない。中性的な美形の顔立ちの謎多き人物。
『魔女の森』の奥にある神殿に居を構え、魔法使いに虐げられる魔女の現状を打開するために行動をしている、と言っている。
 その一環としてドルミーレを内包するアリスに目をつけ、自らの元に引き入れた。
 しかしアリスの心に触れることでその思いは変わっていき、『ドルミーレの力を持つ者』としてではなくアリス個人に魅力を見出し、求めるようになった。

・クロアティーナ(クロア)
『魔女の森』にてレイと行動を共にしている魔女。
 黒いドレスに身を包み、落ち着いて物腰の柔らかい淑女を思わせる女性。成人したての年頃。
 活動的に出歩くレイとは対照的に、彼女は神殿にいることが多く、アリスの面倒をよく見ていた。
 アリスのことを我が子のように可愛がり、共に過ごす日々に充足感を覚えていた。彼女の人生において、一番満ち足りた時間といっても、過言ではなかった。

・クリアランス・デフェリア
『魔女の森』で出会った透明人間の少女で魔女。アリスと同年代の年頃。
 体の全てが透明になってしまい、また衣服も魔法で生成した物は透明になってしまうため、誰からも視認されず一人寂しく生きていた。
 しかし偶然アリスに見つけられたことで、彼女は初めて人の温もりを知り、救われた。
 誰にも見つけてもらえないことに寂しさと孤独を感じていたが、彼女は本来内気かつ恥ずかしがり屋なため、人と関わるのがそもそも苦手だった。アリスという心の拠り所を得たことで孤独は埋まり、それに満足し、執心した。
 アリスが森を飛び出したことをきっかけに、自身も変わることを決意し、その結果透明になってしまう現象を克服した模様。しかし恥ずかしいからと、再会したアリスにその顔を見せることを拒んだ。
 魔女たちのレジスタンス活動に紛れ非道を行う者の名前としてその名が上がり、また特徴も類似しているようだが……。

神宮かんのみや 透子とうこ
 黒髪が綺麗な美少女。ミス・フラワー及び夜子とは既知のようだが、詳細は不明。
 姫君・花園 アリスの記憶と力を封印した張本人。

●『どうぶつの国』出身者
・ワンダフル
『まほうつかいの国』内にある『どうぶつの国』出身者たちの街に住む、二足歩行のコーギーの青年。
 ピシッと決まったシャツにネクタイを締めた身なりの正しい服装で、しかしその内面は朗らかで陽気でハキハキとした気のいい性格。
 旅の途中で訪れたアリスたちを歓迎し、街を案内し面倒を見た。
 しかしアリスたちが禁域を目指していることを聞きつけ、街と『どうぶつの国』出身者の立場の改善を考え、国の兵に通報した。
 しかしそれは失策となり、兵隊に街ごと焼き払われそうになるところをアリスに助けられ反省する。
 またいつの日か街を案内することを約束し、アリスたちの旅立ちを見送った。

・ココノツ
『どうぶつの国』を統べる長老の一人。約二千三百歳。
 金色の滑らかな毛並みを持つ、高貴な九尾の狐。華美な着物のような衣に身を包み、煌びやかな髪飾りをたくさん身につけたその姿は、まるで花魁のよう。
 やわらかくはんなりと、独特の抑揚で紡ぐその言葉からは気品が漂う。
 ドルミーレの匂いがするアリスに興味を持ち屋敷へと招き入れ、『まほうつかいの国』では途絶えた『始まりの魔女』の伝承を聞かせた。
 彼女自身ドルミーレとはわずかに関わりがあったようではあるが、深い間柄ではなかった模様。また、夜子とも面識がある様子。
 アリスの心の純粋さを見抜して信頼し、『まほうつかいの国』の兵隊たちの脅しに屈せず、アリスたちを守ろうと立ちはだかった。
 当時のドルミーレの凶悪さを知っているが故に、その匂いがするアリスが同じ道を歩まないかを案じながら、彼女たちの旅立ちを見送った。

●『ようせいの国』出身者
・ソルベ
『まほうつかいの国』内にある氷結した地域に住む氷の妖精の一人。
 青い肌にお団子ヘアの青い髪、そして青いワンピースを着た真っ青な姿。背中からは虫のもののような透明な羽が生えている。
 妖精は雌雄同体のため、人間の価値観においての中性的な外見をしており、声色もまた性別の断定ができない。だがどちらかと言えば外見は女性的で、声色は男性的に近い。外見は人間の子供に似た姿をしてるが、齢は三千歳ほど。
 明るく陽気な性格で、アリスから『始まりの力』を感じ声をかけ、自身の村に招き入れた。
 子供のような容姿とハイテンションな性格のためそうは思いにくいが、長年の経験があるため理知的でありまた知識が豊富である。アリスたちに『始まりの力』や魔法のルーツなどの様々な話を聞かせた。
 ドルミーレとは面識があり、ドルミーレが『始まりの力』に慣れ、魔法という形に確立させるまでその力の使い方の手助けをした大勢の妖精のうちの一人。
 他所からやって来た炎の妖精たちとの争いに頭を悩ませていたが、アリスによって当分の問題が解決し、和解するに至った。

・チャッカ
 燃える山に住み着いた炎の妖精の一人。
 真っ赤な肌に真っ赤な服を来た全身赤の出で立ちで、その頭には髪の代わりに炎がメラメラと燃えている。
 短気で激情型であり、まるでヤンキーのようなトンガった喋り方をする。
 本来は『まほうつかいの国』内に管轄する地域があったが、女王によって追い出され、逃げるようにして氷の妖精たちの地域にたどり着いた。
 自分たちが生き残るため、氷の妖精たちを追い出して一帯を奪おうとしており、なんども炎を飛ばして氷を溶かそうとしていた。
 しかしアリスによってその攻撃を押さえられ、しかし消えそうになったところを救われる。更には氷の妖精との属性の相性による衝突を解決してもらい、なんとかその地での安泰な生存が可能になった。
 争う理由がなくなったことにより氷の妖精と和解し、アリスとは友達になった。

●その他
・ミス・フラワー
『魔女の森』の中に咲く巨大な白い百合の花。
 その花びらの中央には人の物と思える目と口と花があり、人の言葉を話す。またその茎を自らの意思でクネクネと動かし、葉を手のように振ることもできる。
 歌うようなキレイな女性の声で話し、陽気に気楽に言葉を並べる。
 アリスのことを前から知っているような口ぶりをし、何故か執拗に『アイリス』と呼ぶ。

・ドルミーレ
 二千年前に存在した、全ての魔法の起源であり、『魔女ウィルス』の発生源である『始まりの魔女』。
 古の時代、人間たちに魔女と恐れられた。その強大な力を危惧した人々と、救国の剣を携えた英雄の手により討伐される。
 アリスの心の中に眠っており、アリスが強く力を望んだ時、うざったそうにその力を使わせていた。
 アリスが自身の領域内の城に訪れ、『真理のつるぎ』を手に取ったことで刺激され、寝ぼけたように意識を浮上させつつも明確にアリスに干渉した。
 しかし彼女自身に今のところ目覚める意思はなく、力を使いたければ勝手にすればいいと再び眠りについた。
 女王スカーレットが『真理のつるぎ』に触れたことに非常に怒りを示し、アリスの意思を無視して感情のままに火を放ち焼き殺した。
 その胸の内はドス黒い怨念と孤独、負の気に満ちており、他者を拒絶し繋がりを否定する。



■用語解説

・『魔女の森』
『まほうつかいの国』内にある魔女たちの聖地。
 スケール感が崩壊する巨大な植物に覆われており、まるで巨人の世界に足を踏み入れたような錯覚に陥るほど。
 魔女以外は立ち入りできない結界が張られているため、『まほうつかいの国』において唯一魔女が安息できる場所と言える。
 しかし国の最南端の僻地にあるため、そこまで難を逃れられる魔女は少ない。
 森の最奥にはドルミーレを祀っているとされる神殿がある。

・もう一つの世界
『まほうつかいの国』が存在する、アリスの住んでいた現代の世界とは異なる世界。
 世界は神秘に満ちており、現代では理解できない摩訶不思議なシステムで成り立っている。
 この世界にはいくつかの国が存在し、そこに住むヒトビトは各々の独自の神秘を所有し、それに則った法則により繁栄している。
『まほうつかいの国』、『どうぶつの国』、『ようせいの国』などが存在する。

・『まほうつかいの国』
 魔法使いが統べる人間の国。
 魔法使いの国とあるが住民全てが魔法を扱えるわけでなく、むしろその割合は少ない。しかしそれ故に魔法使いである時点で一般市民よりも位が高いとされている。
 魔法という神秘を崇高なものとしている魔法使いは、神秘の漏洩を控えるため、基本的に一般人の前での魔法行使を避ける。
 しかし魔法で栄えた国家であるため、魔法を活用して生成した道具・魔具は一般人にも流通している。

・『どうぶつの国』
 人語を介する動物たちが暮らす国。
 様々な種類の動物が暮らしており、その外見は普通の動物と大きな変わりがない。
 しかし二足歩行で行動する者が多く、衣服を身につけヒトとしての文化を構築している。
 中には数千年単位で生きる長寿の者もおり、そういった者は長老として国の運営の一端を担う。
 かつて魔法を学ぶためと集団で『まほうつかいの国』に渡ったが、他種族に魔法を扱うことはできず断念。以降は魔具の研究や仕入れをするため残留していた。
 しかし女王スカーレットの悪政の結果、他種族は差別と迫害を受け、『まほうつかいの国』での立場は悪くなっていた。
 長老ココノツは本国への撤退を考えていたが、街がアリスの領域とされたため、残留を決めた。

・『ようせいの国』
 自然の権化ともいえる、自然の力を司る妖精が住む国。
 世界に存在するあらゆる属性がヒトの形を象ったものであり、自然そのものの存在。
 人間によく似た容姿だが、雌雄同体であり老化もないため、人間の価値観で見た目を判断することは難しい。
 各属性の妖精たちはその属性で一個の存在であり、そこから枝分かれして分体をつくり、各々の属性を分担して管理する。
 その為どんなに大所帯な属性の妖精でも、彼らは元を辿れば同一人物であり、思考や感情を共有している。しかし個体毎に人格はあり、個性も異なる。
 自然の権化であるためその属性の性質をそのまま持っている。氷の妖精ならその身体は氷のように冷たく、暑さに弱く炎に近づけば解けてしまう。
 古の時代、ドルミーレが『始まりの力』に慣れ、魔法として確立させるまでの間、その力の使い方を手助けした。
 ドルミーレが討伐されて、人間が魔法に触れてからは要請を受けて『まほうつかいの国』内の力の流れを自然を介して管理する手伝いをしていた。
 しかし女王スカーレットの差別と迫害を受け、管轄地域を追い出された者もいる。
 妖精は、自らの属性の自然に働きかけ、力の流れをコントロールする神秘、『精術』を持つ。

・『始まりの魔女』の伝承
『まほうつかいの国』において『始まりの魔女』ドルミーレは忌まわしきものとされ、彼女に関するあらゆる伝聞は闇に葬られた。
 しかし一部の上位の魔法使いは、その過去を心得ている。
 国外に流れた話は口に蓋をする者がいないために残っており、『どうぶつの国』の長老ココノツによってアリスたちに語られた。
 古の時代、強大な力を持っていた女ドルミーレを、人々は恐れ慄き、白い剣を携えた英雄がこれを滅ぼした。
 討たれたドルミーレは英雄の剣を奪い取って闇に染め、果てに呪いを国中に撒き散らしたという。
 英雄は、後に『まほうつかいの国』と呼ばれる国を治める王となった。
 伝承が途絶えた『まほうつかいの国』においても、『白い剣を携えた英雄が国を救った』という部分は語り継がれており、王族は英雄の末裔である。
 しかし、その白い剣────救国の剣は古より失われたとされていた。

・『真理のつるぎ
 純白の西洋剣。かつて『始まりの魔女』を打ち滅ぼした英雄の剣であり、救国の剣。
 あらゆる論理を一つの真理の元に両断する絶対の剣。あらゆる問いかけの答え。唯一無二の真実を示す剣。歪みを正し、あるべき姿へと誘いざなう真理という概念の結晶。真理が形を作り、振り下ろすもの全てに真理を下す魔剣。全ての魔法を斬り払う能力を持つ。
 過去に二度、世界と国を救った実績を持ち、救国と救済の宿命と性質を得た。そのうちの一度は、『始まりの魔女』の討伐であるが、そもそもその剣を生み出したのはドルミーレだった。
 何らかの経緯により英雄の手に渡り、その剣に貫かれることによりドルミーレは死亡したが、彼女はその際剣を奪い返した。
 それにより剣は闇の色に黒く染まり、そのまま長らく彼女の城の玉座に突き刺さったままとなっていた。
 しかしアリスがその手に握ったことにより、以前の純白を取り戻した。
 それは本来、『混沌』に対抗するための『真理』の武装だったという。

・『領域の制定』
 世界の一部を自分のものに切り替え、占領する最上級の空間魔法。
 結界とは比べ物にならない絶対的空間遮断であり、超一流の魔法使いでも行使する事は非常に困難。
『始まりの魔女』ドルミーレ及び『始まりの力』だからこそ行使できるレベルの魔法。
 制定された領域内は術者が定めたルールが敷かれ、拒絶されたもの現存を即座に否定し、侵入を阻む。
 領域内には術者の力が充満するため、内部の力の流れをコントロールしたり、制限することも可能。

・西のお花畑とドルミーレの城
 古の時代、人々から迫害を受けたドルミーレが国の一角に領域をつくり閉じこもった地域が、現在禁域とされていた西のお花畑だった。
 そこは一面濃い霧に包まれており、外界から中を窺うことはできず、何者も立ち入ることはできない。
 国はそこを禁域と定め立ち入りを感じだが、そもそも誰一人として立ち入る事はおろか近づくこともできない。
 ドルミーレを抱くアリスと許容された者のみが例外である。
 霧の内側は足の踏み場のないほどの花畑。その中に、ドルミーレが居を構え、そして最期を迎えた城がある。
 現在はアリスによって領域の制限は解かれたが、長い間禁域とされていたため、基本的に誰も足を踏み入れようとはしない。

・魔女のレジスタンス
 魔法使いに反旗を翻し、武力を持ってこれを成す魔女たちのこと。
 この時点ではワルプギスは結成されておらず、またその他にも組織だったものは存在していなかった。
 あくまで個人的なものか、或いは非統率的な集団暴動。
『始まりの魔女』ドルミーレの力を抱くアリスが女王に反抗して国中を解放して回っていることに感化され、レジスタンス活動が激化した。
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