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第0.5章 まほうつかいの国のアリス
78 レジスタンスとよくない噂2
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いろんなところで魔法がとびかって、人の叫び声や大きな爆発の音が聞こえたり。
町の建物はガラガラくずれて、炎があがったり煙がまったり。
そんな大騒ぎの中、とつぜんだれかに引っぱられたわたしは、びっくりしすぎて心臓が止まっちゃうかと思った。
薄暗い路地裏はお日様の光があんまり届かないし、町中の騒がしい物音もちょっとだけ遠くなってる。
そんな中に急に連れ込まれたんだから、悲鳴を上げそうになってもしょーがないよ。
でもなんとか叫ぶのも飛び上がるのもガマンして、わたしを引っぱりこんだ人のことを急いで見ようとした。
けど、薄暗いせいでその人のことはよく見えない。
すぐ近くにいてわたしの手首をにぎってるのに、その人が真っ黒な服を着てることくらいしかわからなかった。
一体だれなんだろうと思って、ちぢこまりながらおそるおそる目をこらすと、その人の口元がニンマリ笑うのが見えた。
そして、なんだかなつかしい声で、楽しそうに口を開く。
「やっと会えた。久しぶりだね、アリスちゃん」
「も、もしかして……レイくん……?」
キリッとさわやかで、でも優しいこの声をわたしはよく知ってた。
だから声を聞いた瞬間、すぐにそれがだれだかわかったんだ。
すると薄暗い中でもその姿がよくわかってきて、全身黒い服のレイくん見えてきた。
男の子だか女の子だかわかりにくい『ちゅーせーてき』なキレイなお顔。
いつもニコニコやさしくさわやかにわらってるのも、前とぜんぜんかわってない。
レイくんはわたしに名前をよばれたのがうれしかったのか、さらにニコッとした。
黒いニット帽からのびてるサラサラの黒髪が、薄暗い中でもキラキラして、なんだか王子様みたいにさわやかに見える。
「レイくん! レイくんだ! どうしてこんなところにいるの!?」
「それはもちろんアリスちゃんに会うためだよ。ようやく会えてうれしいよ」
久しぶりにレイくんに会えてうれしくて、わたしはぎゅっと抱きついた。
そんなわたしのことを優しく受け止めれくれたレイくんは、そのままゆっくり頭をなでてくれる。
とってもなつかしい感覚だった。
『魔女の森』にいた時は、いっつもこうやってやさしくしてもらってた。
不思議なお話を聞かせてもらったり、一緒に遊んだり。
あの頃はとっても楽しかったな……。
「────あ! レイくん、ごめんなさい。わたし、あの時急にとびだしちゃって……」
久しぶりのレイくんに甘えているうちにわたしは大事なことを思い出して、あわてて手をはなしてあやまった。
あの時のわたしは、おうちに帰らなちゃってことで頭がいっぱいで、レイくんの声がぜんぜん聞こえてなかった。
それで迷子になっちゃって、夜子さんに言われた通りに森を出てて、今までずっと旅をすることになったんだ。
あの時ちゃんとレイくんの言うことを聞いてれば、もしかしたらあっという間におうちに帰れたかもしれない。
「良いんだよそんなことは。僕の方こそごめんね。ちゃんと君に説明してあげていれば、あんなにパニックにさせずにすんだかもしれない」
怒られるんじゃないかってビクビクしているわたしに、レイくんはにっこり笑ってそう言ってくれた。
わたしの前にちょこんとしゃがんで、頭をなでてくれながら。
その顔はとってもやさしくて、なでてくれる手がとってもやわらかくて、わたしはとってもホッとした。
「それよりも君が無事で本当に良かった。あれから僕はアリスちゃんのことをずっと遠くから見守っていたんだよ。本当はすぐにでも迎えに行きたかったんだけれど、君はずっと魔法使いのお友達と一緒だったから、なかなか出ていけなくてね」
レイくんはわたしの手を包むようににぎりながら言った。
わたしに向けてくれる目はとっても優しいけど、チラチラと町の様子を気にしていて、その『ふんいき』はすこしだけピリピリしている感じがした。
「でもこうしてたまたまアリスちゃんが一人になったから、ようやく声をかけられた。『始まりの力』を使えるようになっているみたいだし、これで全く問題なしだ。さぁ、一緒に神殿に帰ろう。クロアも待ってるよ」
「あ……えっと、その……」
レイくんはわたしのことをまじまじと見て満足そうに笑うと、立ち上がって手を引いた。
まるで、もうおうちに帰る時間だよってお母さんが迎えにきてくれたみたいに自然に。
本当だったらそれはとってもうれしくて、あの森や神殿に帰りたいし、クロアさんにも会いたい。でも、今は……。
「あのね、レイくん。ごめんなさい。今は、帰れないよ……」
引ってくれた手に、わたしはぐいっと『ていこう』した。
レイくんはそれに驚いた顔をして、わたしのことをのぞき込む。
わたしはとっても『もうしわけない』気持ちでいっぱいになりながら、おそるおそるレイくんの顔を見上げた。
「どうしたんだい、アリスちゃん」
「あのね、いやってわけじゃないの。帰りたいよ? それは本当なの。でもわたし、今やらなきゃいけないことがあって。それをするまでは、レイくんたちのところ、帰れないよ……」
「……そっか。もしかしたらそう言うんじゃないかなぁとは思ってたよ。女王への、反乱だね?」
「う、うん……」
今度こそ怒られる。そう思って体を小さくしたわたしに、それでもレイくんは優しい声で言った。
もう一度わたしの前にしゃがみ込んで、とびっきり優しい目でわたしの目をまっすぐに見てくる。
「アリスちゃんは、『始まりの力』が使えるようになってから、この国を女王の支配から解放して回っていたもんね。君のその行動は、魔女の中でも有名になってるんだ。みんな、君に勇気づけられてる」
「この国に来て、いろんな人にあって、お友達もいっぱいできた。だからわたし、みんなを助けたいの。そうすれば、レイくんとクロアさんのことも助けられるでしょ? だからわたし、まずは女王様を倒さなきゃって思ってるの」
「そっかぁ。本当に、アリスちゃんは優しい子だね」
そう言ってレイくんはわたしの頭をくしゃくしゃっとなでた。
「確かに今の女王はこの国に悪政を敷いている。あんな女王が君臨し続けていたら、この国は衰退していくだろう。友達思いのアリスちゃんが、それをどうにかしたいって思うのは当然だよね。だったら僕は、そんな君の意思を無下にはできないよ」
「いいの? わたしレイくんのお手伝いをするって、助けるって約束したのに。後回しにしちゃっても怒らない?」
「怒らないさ。だって君は、僕たちのことも考えてくれた上で、女王を倒そうって思ってくれたわけだろう? ならアリスちゃんは別に約束を破ったわけじゃない。怒る理由なんてないさ」
「よかったぁ……」
思わずぽろっとため息がこぼれて、そんなわたしにレイくんはニコッとした。
でもそのニコニコ顔は、すぐにちょっと困った顔になった。
「ただ残念な事に、僕が解決したいと思ってる魔女と魔法使いの問題は、女王を倒したとしても変わらないんだ。魔女が虐げられているのは、大昔からの確執と、もっと根本的な問題だからね」
「そ、そうなんだ……」
「うん。でもさっきも言ったけど、君の活躍を受けて多くの魔女は勇気づけられてる。だから今、この町ではレジスタンスが戦っているのさ」
「レジスタンス……?」
聞きなれない言葉が飛び出して、わたしは首をかしげる。
レイくんはそんなわたしにニコッとしてから、町の様子を気にするように遠くに目を向けた。
「そう。忌み嫌われ虐げられる魔女の立場を改善すべく、魔女の中には魔法使いに戦いを挑む子たちがいる。それがレジスタンス。今この町では、魔女のレジスタンスと魔法使いの魔女狩りが戦っているのさ」
町の建物はガラガラくずれて、炎があがったり煙がまったり。
そんな大騒ぎの中、とつぜんだれかに引っぱられたわたしは、びっくりしすぎて心臓が止まっちゃうかと思った。
薄暗い路地裏はお日様の光があんまり届かないし、町中の騒がしい物音もちょっとだけ遠くなってる。
そんな中に急に連れ込まれたんだから、悲鳴を上げそうになってもしょーがないよ。
でもなんとか叫ぶのも飛び上がるのもガマンして、わたしを引っぱりこんだ人のことを急いで見ようとした。
けど、薄暗いせいでその人のことはよく見えない。
すぐ近くにいてわたしの手首をにぎってるのに、その人が真っ黒な服を着てることくらいしかわからなかった。
一体だれなんだろうと思って、ちぢこまりながらおそるおそる目をこらすと、その人の口元がニンマリ笑うのが見えた。
そして、なんだかなつかしい声で、楽しそうに口を開く。
「やっと会えた。久しぶりだね、アリスちゃん」
「も、もしかして……レイくん……?」
キリッとさわやかで、でも優しいこの声をわたしはよく知ってた。
だから声を聞いた瞬間、すぐにそれがだれだかわかったんだ。
すると薄暗い中でもその姿がよくわかってきて、全身黒い服のレイくん見えてきた。
男の子だか女の子だかわかりにくい『ちゅーせーてき』なキレイなお顔。
いつもニコニコやさしくさわやかにわらってるのも、前とぜんぜんかわってない。
レイくんはわたしに名前をよばれたのがうれしかったのか、さらにニコッとした。
黒いニット帽からのびてるサラサラの黒髪が、薄暗い中でもキラキラして、なんだか王子様みたいにさわやかに見える。
「レイくん! レイくんだ! どうしてこんなところにいるの!?」
「それはもちろんアリスちゃんに会うためだよ。ようやく会えてうれしいよ」
久しぶりにレイくんに会えてうれしくて、わたしはぎゅっと抱きついた。
そんなわたしのことを優しく受け止めれくれたレイくんは、そのままゆっくり頭をなでてくれる。
とってもなつかしい感覚だった。
『魔女の森』にいた時は、いっつもこうやってやさしくしてもらってた。
不思議なお話を聞かせてもらったり、一緒に遊んだり。
あの頃はとっても楽しかったな……。
「────あ! レイくん、ごめんなさい。わたし、あの時急にとびだしちゃって……」
久しぶりのレイくんに甘えているうちにわたしは大事なことを思い出して、あわてて手をはなしてあやまった。
あの時のわたしは、おうちに帰らなちゃってことで頭がいっぱいで、レイくんの声がぜんぜん聞こえてなかった。
それで迷子になっちゃって、夜子さんに言われた通りに森を出てて、今までずっと旅をすることになったんだ。
あの時ちゃんとレイくんの言うことを聞いてれば、もしかしたらあっという間におうちに帰れたかもしれない。
「良いんだよそんなことは。僕の方こそごめんね。ちゃんと君に説明してあげていれば、あんなにパニックにさせずにすんだかもしれない」
怒られるんじゃないかってビクビクしているわたしに、レイくんはにっこり笑ってそう言ってくれた。
わたしの前にちょこんとしゃがんで、頭をなでてくれながら。
その顔はとってもやさしくて、なでてくれる手がとってもやわらかくて、わたしはとってもホッとした。
「それよりも君が無事で本当に良かった。あれから僕はアリスちゃんのことをずっと遠くから見守っていたんだよ。本当はすぐにでも迎えに行きたかったんだけれど、君はずっと魔法使いのお友達と一緒だったから、なかなか出ていけなくてね」
レイくんはわたしの手を包むようににぎりながら言った。
わたしに向けてくれる目はとっても優しいけど、チラチラと町の様子を気にしていて、その『ふんいき』はすこしだけピリピリしている感じがした。
「でもこうしてたまたまアリスちゃんが一人になったから、ようやく声をかけられた。『始まりの力』を使えるようになっているみたいだし、これで全く問題なしだ。さぁ、一緒に神殿に帰ろう。クロアも待ってるよ」
「あ……えっと、その……」
レイくんはわたしのことをまじまじと見て満足そうに笑うと、立ち上がって手を引いた。
まるで、もうおうちに帰る時間だよってお母さんが迎えにきてくれたみたいに自然に。
本当だったらそれはとってもうれしくて、あの森や神殿に帰りたいし、クロアさんにも会いたい。でも、今は……。
「あのね、レイくん。ごめんなさい。今は、帰れないよ……」
引ってくれた手に、わたしはぐいっと『ていこう』した。
レイくんはそれに驚いた顔をして、わたしのことをのぞき込む。
わたしはとっても『もうしわけない』気持ちでいっぱいになりながら、おそるおそるレイくんの顔を見上げた。
「どうしたんだい、アリスちゃん」
「あのね、いやってわけじゃないの。帰りたいよ? それは本当なの。でもわたし、今やらなきゃいけないことがあって。それをするまでは、レイくんたちのところ、帰れないよ……」
「……そっか。もしかしたらそう言うんじゃないかなぁとは思ってたよ。女王への、反乱だね?」
「う、うん……」
今度こそ怒られる。そう思って体を小さくしたわたしに、それでもレイくんは優しい声で言った。
もう一度わたしの前にしゃがみ込んで、とびっきり優しい目でわたしの目をまっすぐに見てくる。
「アリスちゃんは、『始まりの力』が使えるようになってから、この国を女王の支配から解放して回っていたもんね。君のその行動は、魔女の中でも有名になってるんだ。みんな、君に勇気づけられてる」
「この国に来て、いろんな人にあって、お友達もいっぱいできた。だからわたし、みんなを助けたいの。そうすれば、レイくんとクロアさんのことも助けられるでしょ? だからわたし、まずは女王様を倒さなきゃって思ってるの」
「そっかぁ。本当に、アリスちゃんは優しい子だね」
そう言ってレイくんはわたしの頭をくしゃくしゃっとなでた。
「確かに今の女王はこの国に悪政を敷いている。あんな女王が君臨し続けていたら、この国は衰退していくだろう。友達思いのアリスちゃんが、それをどうにかしたいって思うのは当然だよね。だったら僕は、そんな君の意思を無下にはできないよ」
「いいの? わたしレイくんのお手伝いをするって、助けるって約束したのに。後回しにしちゃっても怒らない?」
「怒らないさ。だって君は、僕たちのことも考えてくれた上で、女王を倒そうって思ってくれたわけだろう? ならアリスちゃんは別に約束を破ったわけじゃない。怒る理由なんてないさ」
「よかったぁ……」
思わずぽろっとため息がこぼれて、そんなわたしにレイくんはニコッとした。
でもそのニコニコ顔は、すぐにちょっと困った顔になった。
「ただ残念な事に、僕が解決したいと思ってる魔女と魔法使いの問題は、女王を倒したとしても変わらないんだ。魔女が虐げられているのは、大昔からの確執と、もっと根本的な問題だからね」
「そ、そうなんだ……」
「うん。でもさっきも言ったけど、君の活躍を受けて多くの魔女は勇気づけられてる。だから今、この町ではレジスタンスが戦っているのさ」
「レジスタンス……?」
聞きなれない言葉が飛び出して、わたしは首をかしげる。
レイくんはそんなわたしにニコッとしてから、町の様子を気にするように遠くに目を向けた。
「そう。忌み嫌われ虐げられる魔女の立場を改善すべく、魔女の中には魔法使いに戦いを挑む子たちがいる。それがレジスタンス。今この町では、魔女のレジスタンスと魔法使いの魔女狩りが戦っているのさ」
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