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人間たるもの考察すべし!

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あれから数日が経ち、今か今かと手紙を待ち侘びていたわたくし達の元に、ガブリエル殿下から手紙が届けられました。
ちょうど休日で一緒にわたくしの家に居たわたくし達はソファに座り、手紙を開きます。平日でも変わらないのではという意見は聞きませんわ。

内容は予想通り、姫様からのお返事についてでした。

「とりあえず今問題なのはここだよね。あの二人が上手くいかないことには何もかもが破綻する。現に、僕が提出したはずの婚約届けが受理されてないみたいだし。姫はなんて?」
「受理されていない…?それは、どういう…?いえ、色々と気になる言葉がございましたが、仰る通り今は姫様と殿下ですわ。一応お返事は届いたみたいです。」
「内容は?」
「詳しいことは分かりませんが、どうにも要領を得ないようで…。もしかしたら姫様まで届いていない可能性が出てまいりました。」

殿下からの手紙には、筆跡や文体は似せていたが普段とまるで様相が違っていたと書かれており、なにやら不穏な気配を感じます。
というか殿下、そういうことも分かりますのね。
流石、将来は賢王になられるだろうと謳われる王太子です。

「なるほど。現状、隣国で内部分裂が起こっているとか権力争いがどうとかいう話は聞かないから大丈夫だとは思うけど、そうなるとちょっと厄介だよね。」
「えぇ。とにかく一度会ってきちんと話すべきだと思います。」
「そうだね。姫の次の訪問は、あー、殿下が行く方が早いのか。」

殿下と姫様は月に一度、どちらかの国でお茶会を開かれます。所謂逢瀬というものですわね。もちろんお茶会と銘打っておりますが、舞台観劇でしたり庭園散策でしたりと様々な所に出掛けられていらっしゃるようです。
とても仲睦まじく、お二人共朗らかな雰囲気でしたので、現状にとても違和感がありますのよね…。

「はい。まぁ殿下に何かあるわけでも無いとは思いますので、隣国でお話し合いをしていただいても構いませんけれど、姫様の周囲の方々がどう考えていらっしゃるのか分からないのは不安要素ですわね。」

殿下の剣の腕前はお爺様も認めておいでですので。
護衛の騎士にも勝るとも劣らない実力の持ち主なのです。

「うん。出来ればこっちでしてくれると楽。」

どちらにせよ、姫様のご様子を見るまでなんとも言えないということですし、ここで話し合っていても進展は難しいかと思われます。

「ならばやはり、姫様に来ていただくことにしましょう!」
「ティア?」
「殿下に、頑張ってもらわなければ。」
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