死が二人を分かたない世界

ASK.R

文字の大きさ
上 下
52 / 191
魔界編:第1章 薬

《R-18》それは媚薬のような

しおりを挟む
※性的描写を含みます


 ユキが僕の耳付きフードを下げる、こめかみから何度も頭を愛おしそうに撫でられてくすぐったい。
 魔力補給を家じゃないところでするのか……少し抵抗があったが、さっきの騒動の最中、僕の胸の内はユキへの独占欲が占めた、ユキに焦がれる強い気持ちは発散されないまま、まだ中で燻っている。

 近づいてくるユキの綺麗な顔の、真っ白で綺麗な頬に触れて、少し背伸びをしてキスを受け入れた。当然触れるだけのキスで終わるはずもなく、中へと入ってきた舌が口内をなぞっていく。

「んんっ……ふぅっ」
 ユキとのキスは気持ちいい、口の中全部が彼に支配されてしまったような感覚になる。服の中に手が入ってきて、胸を撫でられたり揉まれたりすると、どうしても体がその気になってくる。

 僕の足の間にユキが足をねじ込んで、グリグリと一番敏感なところを足で刺激してくる。
「んんっー!! んっ、はぁ……ダメっユキ!」
 そんな事されたら、どうしたって反応してしまう。ただでさえ僕は、ユキとのキスだけでもそうなってしまうのに……両肩を掴んで体を離そうとすると、胸の突起を弄られて体が跳ねる。
「やぁっ……だめぇ」
「だめ? 気持ち良さそうだけど」
 家じゃない他部署のこんな所で、一体どこまでやるつもりなんだ! 必死で息を整えるが、ドキドキと心臓が速くなったまま戻らない。

「こんな所で……誰かに聞かれたらっ!」
「あぁ、そうだな、聞き耳は良くない」
 ユキが僕の耳の横の壁にズブっと指を刺した、一体なにを!? と思った瞬間、いった~! と吉助さんの叫び声が聞こえてきた。

「っ!!??」
「アイツ壁に耳当ててやんの」
「——っ! 嘘でしょ! 今の聞かれてたって事!?」
「安心しろ、鍵も掛けてるし防音もしてる……誰にも真里の可愛い声を聞かせたりしないから」
 耳元で囁かれて、耳の裏を舐められると立っていられないような感覚になる。両手で口を押さえると、ユキが僕の一番敏感なところを、ズボン越しに人差し指と中指で擦り始めた。

「くっ……うぅっ……ユキっ……やっ」
「大丈夫だから、声聞かせて? その方が沢山回復するから」
 ユキにとってはこれは魔力補給……分かっては居ても、いやらしい事をされているのだから、恥ずかしいに決まっている。
「後ろは触らないから……な? だからもう少し触らせて」
 そう耳元で言いながらも、僕のお尻をもう片方の手で揉みしだいている……触らないって、あの場所のことだけを言っているのだろうか。いい加減立っているのが辛くなってきた、ユキに首筋や耳を舐められるたび、腰や足がガクガクする。

「座るか?」
 ユキにそう聞かれて、コクコクと首を縦に振った。そっと割れ物でも置くように、丁寧に床に座らされたかと思うと、ズボンを勢いよく引き下ろされた。
「あっ、やっ!」
「飴作るの手伝いたいんだろ? 舐めて」
 ユキが虹色の飴を口移しで僕の口の中にねじ込んできた。甘い……すごく甘い! そして熱い! 高濃度の魔力がジワっと溶け出してきて、口の中が痺れるような感覚になる。その痺れが口から背筋まで快感になって走って、自然と体がビクビクと震える。
 これが、媚薬のような魔力の快感!?

 ユキの唇が離れると、今度は僕の膝を掴んで大きく開いた。さっきので感じてしまって、先走りが溢れるそこをじっと見つめられる……恥ずかしい、見ないで!
「やだぁっ!」

 そこを隠すか、顔を隠すか……迷った一瞬で、ユキは僕のものを咥えていた。
「——っ!!! あああっ!!」
 快感に思わず開いた口に、ユキの指が捻じ込まれる。
「はーっ、はーっ……ああっ」
 下顎をロックされて口が閉じれない……このままじゃ声が抑えられない。ユキが喉の奥まで僕のを咥えて、ヌルヌルした口内で絞り取られるように刺激されたら……。
「ああっ! あああっー!」
 もうダメ……何も考えられない。
 その時ユキが口の中の飴玉に触れて、飴は液体のようにドロっと溶けた。

 指を抜かれて、今度は下顎を押さえられて、口を閉じるしか無くなる。液体をごくりと飲み込むと、先ほどとは比べものにならないほどの快感が、体中に走った。

「んんんんっーーっ!!!!?」
 イきそうとか考える暇もなかった、反射的に射精していた。
 体が後ろにのけぞって、あまりにも強い快感から逃げようとするが、全然おさまる気配がない。
 全て出し切っても体が跳ねて、目の前がチカチカするのが止まらない。

 あまりの刺激の強さに僕は床に横になった、熱くなった体に、床の冷たさが気持ちいい。
「あぁぁぁっ……ぁぁっ……」
 静かに呼吸をしたいのに、口から息を吸っても吐いても勝手に震える声が出る。

「はぁ……ごちそうさま! 強すぎたか?」
 何も返せない、返す余裕なんてない! ボロボロと涙が出てきた。泣きながら震える声で呼吸を整えていると、ユキが僕の肩をさすろうとしてきて、思わずユキの手を払った。

「ま、真里ぉ……ごめん……!」
「ごめ……まって」
 違う、怒ってるんじゃないんだ、触らないで欲しいだけ。今ユキに触られると、感じ過ぎてまたイってしまいそうだった……だからそんな悲しそうな顔して、耳垂らしてこっち見ないで、すごく可愛いから!
 思わずフッと笑ってしまうくらいには落ち着いてきた。

「はぁー……その飴、効果が強すぎるんじゃない?」
「っ! 真里が俺の事好きすぎるんだろう」
 うっ……それは否定できないところだ。
 ユキが紙コップに水を生成して渡してきたけど、かなり薄い魔力で作ったと言っていたにも関わらず、僕はユキの作った水にも敏感に反応してしまった。もう体がバカになってる……。
 仕方がないので紙コップに自分で水を生成した、水はいつもシャワーで作っているから余裕だ。じゃあさっきの飴は? 僕にも作れる?

 さっきの飴の魔力の含有量を思い出す……思い出しただけで、ちょっと体がムズムズする気がするけど、確か透明のフィルムに巻かれていて……こんな感じかな?

 手の平を開くと、ユキの紫色とはまた違った、赤みを帯びた虹色の飴が出来上がっていた。
「ユキ、これでどうかな」
「作ったのか! 覚えてられないくらい感じてたように見えたけど」
 自分でもよく思い出せたなと、感心してるところだよ。

 ユキが透明のフィルムを剥がして、パクッと口に放り込む。
「うぐっ……!」
 なんとも言えない呻き声を出して、ユキが前かがみになった……よし、プチ報復は成功だ。

「真里、完璧だ……完璧だが、俺はこれを誰にも食べさせたくないな、真里の魔力で快感を得る奴がいるのは許へない」
 飴を含んだまま喋っているからか、最後の方少し可愛くなった。

「それ、そっくりそのまま僕が思ってる事なんだけど……?」
「ほーか……そうだな、すまない」
 ユキが口から飴をぬとっと出して、僕の方を向いた……ユキのズボンは苦しそうに張り詰めている。

 ……。

 ……ここで挿れさせてって言われたらどうしよう! 自分が仕掛けた悪戯の経過に冷や汗が出てくる。

「これ……勿体無いから食べたいんだけど」
「う、うん」
「奥で舐めながら抜いてくるから、見ないで……?」
「っ! わかった!」
 恥ずかしそうに顔を赤らめて言うユキが、異常に可愛くて……僕が作った飴で感じてるユキが見たいと思ってしまった! だからって、手伝おうかなんて言えないし……!

 僕は覗きに行きたい欲求と、羞恥心との間で苦悩した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

次男は愛される

那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男 佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。 素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡ 無断転載は厳禁です。 【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

処理中です...