少女は自重を知らない～私、普通ですよね？

11 商人ギルドギルドマスターのお願い

 宿屋に戻ってから暫くゆっくりとしようと思ったとき、トントンと部屋の扉のノック音がした。

「だれだろう？はーい。」

返事をして、扉を開ける。


「すみません。おやすみの所。下でお客様がお待ちです。」

部屋に来たのは、宿屋の従業員だった。


「お客さん？わかりました。すぐに行きます。」

一旦、部屋の扉を閉めて、準備をする。

「お客さんって誰だろう？知り合いなんて、トトさん達以外いないんだけどな～。」


  準備が出来て、下に降りると身なりが整った男性が待っていた。

  男性に声をかけると、私の方に近づいてきてお辞儀をした。

「私、商人ギルド職員のパルマと申します。ギルドマスターがお呼びですのでお迎えに参りました。」


「えっ？ギルドマスターですか？どうして私なんかを呼んでるんですか？」


「私には、わかりませんので直接お聞きください。」

 こうして、私はそのまま馬車で商人ギルドへ向けて出発した。

 私は、馬車の中で商人ギルドのギルドマスターが何故私を呼んだのかを黙々と考えていた。

（やっぱり、考えても全然分からないよ～。なんかやったかな？）



商人ギルドに着くと、そのままギルドマスターが待つ部屋へと案内された。

トントン。

「入って下さい！」


「失礼します！」


「この度は、急な呼び出しをしてしまい申し訳ない。座ってくれ。」

部屋に入ると、長髪で赤い色で背がスラッと高くスタイルがいい綺麗な女性が立っていた。


うわー！綺麗な人だな。と思っているとクスッと笑われてしまった。

「ごめんなさいね。とても、かわいい顔をしていたから。」

どうやら、変な顔をしていたみたいだった。
 この人が、ギルドマスターなのかな？と考えていると、話が始まった。


「私は、ギルドマスターのネイサといいます。急にお呼びしてしまってごめんなさいね。」

ネイサさんは、やっぱりギルドマスターだったんだ。

 ギルドマスターって女性でもいるんだ。


「いえ！私は、ミサトです。今日は、どう言ったご用件ですか？」


「この街にあるお店で、画期的な料理が発明されました。その料理の名はポトフといいます。」

  ポトフという言葉で何で私が呼ばれたのかがわかった。

この世界って、本当に料理が酷いから少しでも美味しいと大騒ぎになるんだよね。


「……それって、私がトトさんに教えた料理ですよね？」


「そうです！実は、料理についてお呼びしました！もし、宜しければ知っている料理のレシピを登録して頂けないでしょうか！？」