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20.王宮に呼ばれました

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次の日、宿屋で寝ていると扉がトントンとなる。

「ふぁー。眠いなぁ~。」

俺がベッドから起き上がる前に、フェンリースが代わりに出た。

扉を開けるとそこには、身なりのいい男性が立っていた。

「ハルト様、お迎えに参りました。」


「………?」


「どちら様ですか?」

フェンリースが質問をすると男性は答えた。

「連れてくるようにとリューカス様から言われております。」


「リューカス様?誰だっけ?」


「ご主人様、第一王子様の名前です。」


「あ~!トガーさん達の依頼主って言ってなかった?なんで、俺が呼ばれるんだ?」


「トガー様達のパーティーも呼ばれておりますので馬車の方へ御越しください。」


「わかりました。今すぐに準備します。」


俺達は、すぐに準備をすることになった。


「ご主人様、髪の毛に寝癖があります。今すぐに整えますね!」


「フェンリースありがとう!」










俺達は、馬車に乗せられ王宮へと出発した。


「それで、どういうことなんですか??」

 俺は、一緒に乗っているトガーさんにギロッと睨み付けた。

トガーさんは、俺よりもフェンリースに睨み付けられる方が効くらしい。

「ご主人様が聞いているのだ!素直に答えろーー!!」


「うぅぅ。わかった。言うよ。」

トガーさんの話では、リューカス様があの香りの正体をどうしても突き止めたいと言い張って、トガーさんに依頼をしたらしい。
 トガーさんを率いる獣人パーティーは、臭いに敏感だから簡単には見つかると思ったらしい。

しかし、香りが途中で突然消えた事によって難度が上がったと言うことだった。


「それで、どうして俺が王宮に呼ばれるのかわかりませんが?」


「実は、もしこの香りの正体が料理だったら作った人物と料理を王宮に持ってくるようにと言われたんだ。」


「なるほど。ようするに、料理を作って食べさせろって事ですね?」


「たぶん、そういう事だと思う。すまない。昨日、ハルトからカレーライスを食べさせてもらった後、依頼主のリューカス様に報告したんだ。まさか、こんなに早く行動するとは思わなかった。」



王宮に着くとすぐさま謁見の広間へと案内された。


「うわ~異世界だなぁ……。」
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