神に同情された転生者物語

14.突然の出会い

 
教会を出て、街をブラつく。


  俺は、これからの事を考えていた。
地球で生きていた頃に出来なかったことを異世界でやろうと考えた。

「やっぱり、奥さんが欲しい……。」

  一回はこんな俺でも奥さんはいた。
けれど、仕事仕事でまともな会話ができずに、一年で結婚生活が終わったと思う。

  曖昧なのは、いつ家を出て行ったのかわからないからだ。

  奥さんには、本当に申し訳なく思っている。

  俺は、ザービネスに会ったときに前の奥さんが幸せに過ごしてるか聞いていた。

  前の奥さんは、再婚をしていて子供が三人いて毎日を楽しく過ごしていると聞いた。

 ハルトさんと結婚していた事を忘れてるぐらいに幸せですよと余計な事を言っていた。


 「ハァー。幸せになりたい。」
 




  街の外れにある奴隷商の前を通ると、声を掛けられ振り向く。

  店の従業員らしい男性は、笑顔で挨拶をする。

「こんにちは！どうですかー？少し、見ていきませんか？いいのが揃ってますよ～♪」

  俺は、躊躇わずにお店の中をみてまわかった。

  驚いたことに、中は想像していたものよりも綺麗な内装だった。

「へぇー。結構、綺麗なんだなぁ～。」


「一応、こちらも商売ですからね！借金奴隷の子は、若い子が沢山いますよ～！」


「若い子は、何歳くらいからですか？」


「一番若い子で10歳ですね！」


「は、は、犯罪だー！！」


「いえいえ。借金奴隷ですよ？犯罪奴隷ですと若くても25歳ですかね。」


  いやいや、40歳近いおっさんが10歳の子を性………いやいや不味いだろ！
  今は、15歳だけどそれでも犯罪だよ！ダメダメ！


「えーっと。取り敢えず、一通り見てまわりたいんですけど。」


「畏まりました！」


  俺は、一通り見て回る事にした。

すると、最後に見て回った子は獣人族の女性だった。

（か、か、かわいい……ヤベー。すごい可愛いんだけど！！）


「……惚れた」


〈ハルトー。腹へったー！〉

  俺は、ギンの声で現実に戻った。


「あの、この子はいくらぐらいですか？」


「お気に召しましたか？この子は、大金貨2枚になります。」


俺は、悩むことなく即決した。

「買います！」


「ありがとうございます！今すぐ準備をします。引き取りは、今日でよろしいですか？」


「うーん。明日、引き取りでいいですか？準備をしたいので！」


「畏まりました。手続きだけしてしまいますね。」

  買ってしまった。奴隷を買ってしまった。


「俺は幸せになるんだ！幸せにならなきゃダメなんだ！幸せになりたい！」