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第5章

飼育環境を整える。

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♢第一首都 グレイズランド

定休日の朝。
今日は隣街のマーケットへ買い物に出かける。

「マーケットってどんな所なの?」
「行けばわかるよ。なんでもありって感じ」

鉄道で一駅。
俺の住んでいる街も大きいけれど
ここは中央政府とかがあるからもっと近代的で
高い建物がいくつも建ち並ぶ。

その中でも一番の賑わいを見せるのが“Foots”だ。
ここは7階建ての各フロアに様々な品物が売っていて
1階と地下は主に食品など。
2階の雑貨やキッチン用品も気になるけれどー

「5階のペット用品売場までお願い」
「はい、かしこまりました」

ズゥン.....

階段で登るのはキツイからフロアリフトに乗った。
これは一箱に一人魔術師が常駐していて
魔力で上げたり下げたりして指定の階まで運んでくれる。
さすが都会...うちの街ではまだ見かけないシステムだ。

「なんだかフワフワするねー!」
(.......うぅ、少し気持ちが悪いかも)

凄く便利な乗り物だけれど
降りた後のこの変な感覚にはまだ慣れない...

さて、今日のお目当てはコレだ。

「水槽と鳥かごってどこにありますか?」
「魚関係は奥で、鳥かごは鳥獣コーナーの壁側です」
「ありがとう」

この2つを買いに来たのだ。
一応地元でも売っているのだけれど
ここは品物も良いし色々と見ているだけでも楽しい。
あと.....

「これだよねっ!フローリア限定グッズ」
大きくレジ横に貼られたポスターをカレンが指差す。

そう、これも目当てだ。
今なら1000コイン購入で一枚引ける彼女のくじ。
フローリアとキャンペーンコラボしていて
非売品のグッズが当たるらしい。


♢アクアリウムコーナー

最近アクアリウムが流行しているから
水槽の種類や大きさも様々。
俺はこれで魚を飼うわけではなくて
この前ガチャで当てた“ドラゴン”を飼う予定。

「シードラならこれくらいがおススメですよ」
(.......絶対にウソ言ってるだろコイツ)

10cmほどのシードラに3mもある水槽を勧めてきた。
確かに狭いと可愛そうだけれどさすがにこれは...

大きく育てるつもりもないし
結局横が90cmくらいの一般的なサイズに決めて
次は鳥獣コーナーへと向かう。


♢壁側の鳥獣用ケージ売り場

店員さんはさっきから
“んーそうですよね...” “あーこうですよね...”
それしか言わない。

というのも、中に入れたいのは“ロングリフォン”
今は小鳥サイズでも育つと3mくらいになるらしい。
一時的に使うだけだけど成長スピードは不明。

「でもこの前みたいに逃げちゃうよねー」
「そう、こいつ逃げるんですよ」「そうでしたか...」

先日グリフォンを部屋に放していたら見事に脱走し
半径2km以内を捜索する羽目になった。
いまいち俺に懐いていない。


だから、トリカゴ。
入れておけばとりあえず安心できるし
“ポッケ”にしまっておくよりも仲良くなれると思う。

「では中型の魔術ロックがかかるものが良いかと」

どれも丈夫な爪で壊されそうな気がしたから
勧められた頑丈な作りの籠にした。


♢レジカウンター横の特設会場

レジでもらった券を持ち、いざクジ引会場へ。
限定のストラップはもう無くなっていたが
まだクリアファイルやマグカップ
そしてメインの一等ライブチケットは残っている。
俺は祈りながらガチャを引く要領でくじを5枚引いた。

ガサガサガサ.....
(ライブチケットライブチケットライブチケット...)


「ライブ...チケット.....(力無く崩れ落ちる)」


........そんな日もあるさ。忘れよう。
でも大判ポスターが当たったから部屋に飾れるし
目当ての物も買えたから大満足。

結構重たいけれど早く使いたいから
宅配にしないで二つとも背負って家へと帰る事に。
両手は塞がっているし顔も上がらない状態だ。

「カレン、キミに任務を命ずる」
「そのポスターを傷付ける事なく持ち帰ってほしい」
「わかりましたぁー!(敬礼)」

家に戻って部屋に荷物を運び入れると
俺は水槽と鳥かごは二の次にして
さっそく壁にフローリアの限定ポスターを貼った。
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