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 指でクリトリスを弄られながら角度を変えて唇を合わせられて、卑猥な音を立てながら啜られた。
 唾液を含んだ舌が口の中に入ってきて深く舌に吸いつかれて唾液を送られる。飲み込めなかったものは口の端から流れ出る。
 
「っぁ、…はむっ、ん、んむぅ~~ッ……っ!」
「明日いきなりはキツイかもだから、一応中も少しだけ慣らしておこっか。指一本だけ入れさせて」
「……ぁ、え……?」
「大丈夫だって。一本だけだから。こんな濡れてるし、俺の指ぶっといけど余裕で入るよ」

 ぐにゅりと太い男の指が中に遠慮なく入ってきた。

「っゃあっん!?」

 じゅぶっ、じゅぶっと出し入れされ、中をかき混ぜられて肉壁を確認するようにさすられる。
 
「あ、あぁ~ッっ」
「はは、かっわいー!感度よすぎだろ。指一本入れただけでそんな喘ぎ声だせんの?ヤバすぎ。しかも中もとろっとろ。俺の指もとけそー。こん中に俺の先走りでぬるぬるになって、バキバキに硬く勃起したちんこブチ込んだらクソ気持ちいいだろうなぁ~」
「そんなのっ、いや、いやぁ!あ、んっ、ぁ、やら、…や、あぁ……っ!」
「中に指入れながらみうちゃんの勃起クリちゅうちゅう吸ってあげるから、気持ち良く喘いでなよ」

 中の気持ちの良い所を探り当てられてそこをしつこく指で擦られながら腫れ上がった突起を強く吸われた。頭が痺れるような感覚が脳裏を走る。

「ンンッ!…ぁ、あぁ~ッ、…くぅ、…いっ、ちゃっ!んゃ、やだぁっ、いくから、ぃくっ…もう、…~っ!」
「ちゅぅ~、…はぁ、かわい。イっていいよ~」
「んぅ!っん、ぁ、んっ、んっ……あ、ひっ、らめぇ……きっ、あぁう、いっ、ちゃうぅ……っ!」
「我慢しないで、ほら早くイけ、イ~けっ、むぢゅ~ッ」
「やらぁっ、はなしてぇ……ィいぃっ、っぁ~っ、ぁっ、イくイくぅ…っ!!ん゛あぁ~~ッ!」

 膣壁全体が痙攣して収縮しながら先輩の指を締め付けて絶頂した。イってるのに先輩の動きは止まらずにそのまま続けられて、激しくなっていく。
 
「イキ顔くっそ可愛いな。声ももっと聞かせてよ。かわいいみうちゃんの喘ぎ声」
「ぅ、はぁ…っあ、ひッ!?んやァッ、んッ、んっ、んうッ、なん、…っれぇ……イッた!のにぃっ!」
「うん、もっとイって。まだまだみうちゃんのイくイく~が聞きたいな」

 容赦のない愛撫が続け様に先輩から与えられる。与え続けられる愉悦に頭が溶けそうなほどだ。

「中もクリも同時にいじり倒してあげるからね。明日は俺のぶっといちんこで指じゃ届かない奥、擦ってあげるから」
「いっ!?も、ひ、ゃ、あぁ!また、あぁッ、 も、いきたくなッ、……あぁ、んッ!」

 連続絶頂を繰り返してじんじんとしているクリトリスは休む間のなくねっとりと舌先で舐られる。

「あァ~ッ!!――ッ!…」

 
 甘美な責苦は永遠に続いていたように思えた。声が掠れるほど、おねがい、ゆるして、とどれだけ叫んで懇願しても聞き入れてはくれなかった。

 先輩が下着から自分のモノを取り出してきた時はもうヤられる!と思った。
 けれど先輩は自分の手で自身を扱き上げていた。私を弄る手はそのままに、眉根に皺を寄せながら「みうちゃん、みうちゃん」と切ない声を上げて吐精していた。
 
 どれくらい経ったのだろうか。夕方まだ明るい時間から外が真っ暗になるくらいずっとこの行為が続いていた。
 何度イかされたのかわからないほどにめちゃくちゃにされ、くったりと弛緩する体をぎゅうっと筋肉が程よくついたしなやかな体に抱き込まれる。
 耳に熱い吐息が吹き込まれて奥まで届いていく。

「明日俺の女にするから。ゆっくり、じっくり、してあげるから、ね?」

 とろんととろける甘い蜜が耳奥に流し込まれるように先輩は私にささやいた。

「明日学校休みでしょ?朝迎えいくから俺の部屋おいで」
「……っ」
「来るよな?」
「ひっ……ぁ」

 黒曜石の瞳に囚われ、唸るような低い声に怖くなって思わずコクコクと頷いてしまった。

 

 

 ◇


 体を綺麗にして、衣服を整え終わり、成撮なとり先輩が、私を家まで送ると言ってきた。もうこれ以上一緒にいたくない私は断ったけど、それを受け入れてくれない。

「外は真っ暗だし、こんな時間に一人で彼女を歩かせる訳ないでしょ。襲われたりしたらどうすんの」

 言うことは紳士なのに。

 というか襲われるって。さっきまで私を襲ってた本人が言うことじゃない。

 一番危ないのはあなたですよ先輩。

 送ってもらう時はぴったりと体をくっつけてきて、終始ぎゅっと手を握られていた。もちろん恋人繋ぎ。講義後に連れ去られるようにして掴まれた時とは大違いだった。
 さりげなく道路側を歩いてくれてるし、後ろから自転車が通る時なんかはギュッと肩を寄せられてぶつからないようにしてくれていた。
 
 気遣いに一つ気づくと、それ以外のたくさんの気遣いや優しさに気づかされていった。
 
 包み込まれるように優しい力で、大きな先輩の手は肌寒い外の空気に触れた私の手を温めてくれた。
 横顔を盗み見ても、さっきまであんなことをこの人にされていたなんて思えないくらいだ。
 綺麗な横顔が街灯に照らされて、薄暗い中でもその堀の深いくっきりとした顔立ちが目立つ。
 よく見れば、髪は不自然なくらいに真っ黒な色だった。明るい色から黒染めしたせいだろうか。耳たぶにも拡張したような大きな穴もあるのに、ピアスの類は一つもついていない。

 体を好き勝手触られていた時に色々言っていたことは本当だったのかも。

 私のために見た目も変えて、口調はちょっと今日怖い時があったけど、私が怖くないようにって気をつけてくれていたのかもしれない。

 わざわざそんなことをするってことは、私のことを好きまではいかないにしても、少なからず好意があるのだろうか。

 まだそんなことを考えてしまう私。

 可愛い可愛いと何度も言われた。
 私も女子だから、可愛いとか言われて嬉しくないはずはない。

 だけど先輩が私のことを好きな訳ない。私といつセックスをするかを賭け事の対象にしているんだから。だから、抱こうとしているだけ。

 それに先輩は身勝手だ。最後にデートすればもう二度と付き纏わないという約束だったのに、そんな話は最初からなかったかのように明日の約束をさせられた。俺たちは付き合ってるんだからと主張して。

 もし仮に先輩が私に好意を抱いてくれていたとしても、先輩と付き合うなんて到底私には無理な話だと思った。
 だって、あのイケメンでモテモテな成撮先輩だ。女の人なんてよりどりみどりだし、今までだって美人で私なんかよりかわいい女性と噂があった。取っ替え引っ替えして女の人を食ってたって噂もいつも絶えなかった。

 私は今だけ限定のおもちゃみたいなものだろう。
 飽きたら捨てられる、使い捨てのおもちゃ。

 そう思ったら、これ以上先輩に囚われていたくないと言う気持ちが強くなった。

 先輩とは未来なんかない。
 そんな相手に自分の体を委ねたくはなかった。

 自分勝手に行動する先輩も癪に触る。いいように踊らされて、これ以上あの人たちの笑いものにされたくない。

 実家の自分の部屋に帰ってきて、しばらくベッドに倒れるように突っ伏した。手っ取り早く先輩と手を切る方法はないのか、帰り道からずっと考えていた。

 明日になれば先輩に体を奪われてしまう。今度こそきっと最後まで。そうなる前になんとかしないといけない。
 あまり時間もない中で捻り出した苦し紛れの策の事前準備に取りかかった。


 

 
「ちょっと彼氏のフリしてくんない?」
「……は?」
 
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