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序章: The god for someone is present
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チハルが持ってきたモーニングスターも、彼女の発案により父親に作らせたものだ。
おそらくはこの異世界のどこかにこれと似た武器はあるかもしれないが、田舎暮らしの鍛冶職人がそうした珍品と出会う確率は低い。
だから都市部でもないこの武器屋は多くの客で繁盛する。
「ところでチハルよ」
モーニングスターを買い取ったマルデュがふと振り返った。
「はい?」
「お前さん、今年で幾つだ?」
「十五になりましたけど? それがなにか?」
「・・・・・・そうか。じゃあな」
マルデュはそっけなく返すと店を出た。ただその寸前に、マルデュは店主の父親と一瞬、目を合わせた。
「珍しいですね。マルデュさんがそんなことを聞くなんて」
「チハル」
マルデュだけでなく、父親の様子も何やらおかしい。
「はい? 父さん」
「しばらくは店の外に出るな。少なくとも、来年までは」
「どうしてですか?」
「どうしてもだ!」
チハルの父親は、職人気質というか、理由だけははっきりさせる男だった。
チハルの提案する武器のことで意見がある時も、必ず背景には理由がある。
だから、こんな風に何も言わず彼女の行動を制限することはこれまで一度もなかった。
結局、その理由は数日後には明らかにはなることも、チハルは知らなかった。
おそらくはこの異世界のどこかにこれと似た武器はあるかもしれないが、田舎暮らしの鍛冶職人がそうした珍品と出会う確率は低い。
だから都市部でもないこの武器屋は多くの客で繁盛する。
「ところでチハルよ」
モーニングスターを買い取ったマルデュがふと振り返った。
「はい?」
「お前さん、今年で幾つだ?」
「十五になりましたけど? それがなにか?」
「・・・・・・そうか。じゃあな」
マルデュはそっけなく返すと店を出た。ただその寸前に、マルデュは店主の父親と一瞬、目を合わせた。
「珍しいですね。マルデュさんがそんなことを聞くなんて」
「チハル」
マルデュだけでなく、父親の様子も何やらおかしい。
「はい? 父さん」
「しばらくは店の外に出るな。少なくとも、来年までは」
「どうしてですか?」
「どうしてもだ!」
チハルの父親は、職人気質というか、理由だけははっきりさせる男だった。
チハルの提案する武器のことで意見がある時も、必ず背景には理由がある。
だから、こんな風に何も言わず彼女の行動を制限することはこれまで一度もなかった。
結局、その理由は数日後には明らかにはなることも、チハルは知らなかった。
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