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序章: The god for someone is present
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「よう! チハル! 今日も元気だな」
野太いだみ声と共に店内に入ってきたのは腕っぷしに自信のありそうな大男だ。
王都に住む常連客、マルデュだ。
本業は力士、あるいは格闘家と呼ぶのが最も適切だろうか。
アリーナで掛け金を背負いながら戦うことで生計を立てていると言っていた。
この日、わざわざ遠く離れたこの店に訪れたのも、アリーナで戦うための武器、ひいては商売道具を求めているのだろう。
「マルデュさん? 今日はどんな武器をお探しで?」
「とにかく威力のあるやつを頼む」
「それならとっておきのものが」
チハルは店の奥に一度入り、ほぼ彼のために作ったと言っても過言ではない商品を持ってきた。
「何だ、そいつは?」
「モーニングスター、ってご存じないですか?」
「いや、見たこともない武器だな。鎖の先に、トゲトゲの鉄球がついてやがるのか?」
「ええ、それをこうやって使うんですよ」
チハルはたるんでいた鎖を引き、鉄球を軽々と中空に上げた。
「よっと!」
鎖が目に見えない速度で回転を始め、鉄球は遠心力に引きずられて店内を目まぐるしく駆け回る。
「おい! あぶねえよ!」
「どうです! 見ただけで誰も近づけなくなるでしょ?」
「それはわかったからもう振り回すのは止めろ!」
騒ぎを聞きつけて見せの奥から足音がした。
「こらぁ!! チハル! いつも店の中で武器を振り回すんじゃねえって、言っているだろうがぁ!!」
怒鳴りつけるのは鍛冶職人にして、チハルの父親だ。
「大丈夫よ。さっき店内は片づけたから店の物は壊さないって」
「人に当たったら怪我するって言っているんだよ!!」
父親は顔を真っ赤にして指摘するが、結果を言えばその心配は杞憂だった。
そう、故意でない限り、チハルの振り回す武器が物を壊したり人に当たったりすることはないのだ。
それがこの世界に生を受けたチハルに備わる特殊スキル、<アクチュライズ>の効果だった。
野太いだみ声と共に店内に入ってきたのは腕っぷしに自信のありそうな大男だ。
王都に住む常連客、マルデュだ。
本業は力士、あるいは格闘家と呼ぶのが最も適切だろうか。
アリーナで掛け金を背負いながら戦うことで生計を立てていると言っていた。
この日、わざわざ遠く離れたこの店に訪れたのも、アリーナで戦うための武器、ひいては商売道具を求めているのだろう。
「マルデュさん? 今日はどんな武器をお探しで?」
「とにかく威力のあるやつを頼む」
「それならとっておきのものが」
チハルは店の奥に一度入り、ほぼ彼のために作ったと言っても過言ではない商品を持ってきた。
「何だ、そいつは?」
「モーニングスター、ってご存じないですか?」
「いや、見たこともない武器だな。鎖の先に、トゲトゲの鉄球がついてやがるのか?」
「ええ、それをこうやって使うんですよ」
チハルはたるんでいた鎖を引き、鉄球を軽々と中空に上げた。
「よっと!」
鎖が目に見えない速度で回転を始め、鉄球は遠心力に引きずられて店内を目まぐるしく駆け回る。
「おい! あぶねえよ!」
「どうです! 見ただけで誰も近づけなくなるでしょ?」
「それはわかったからもう振り回すのは止めろ!」
騒ぎを聞きつけて見せの奥から足音がした。
「こらぁ!! チハル! いつも店の中で武器を振り回すんじゃねえって、言っているだろうがぁ!!」
怒鳴りつけるのは鍛冶職人にして、チハルの父親だ。
「大丈夫よ。さっき店内は片づけたから店の物は壊さないって」
「人に当たったら怪我するって言っているんだよ!!」
父親は顔を真っ赤にして指摘するが、結果を言えばその心配は杞憂だった。
そう、故意でない限り、チハルの振り回す武器が物を壊したり人に当たったりすることはないのだ。
それがこの世界に生を受けたチハルに備わる特殊スキル、<アクチュライズ>の効果だった。
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