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「な、ない! どうして!」
「どうしても何も、さっき持っていかれた箱に入っていたから」
ダルゴが諭すように言う。
「ひ、ひどい! 私が背伸びしている少女だっていうんですか!」
「いや、だって君、結構お転婆じゃないか。お世辞にも清楚とか大人っぽい色香とか、そういうキャラじゃないよね?」
「じゃあ、さっきの箱は!」
部屋の窓から同時に首を出した二人の前を、一縷の煙が空に向かって登っていた。人類が魔王に対する唯一の希望を失ったのは、まさにその瞬間だった。
(了)
「どうしても何も、さっき持っていかれた箱に入っていたから」
ダルゴが諭すように言う。
「ひ、ひどい! 私が背伸びしている少女だっていうんですか!」
「いや、だって君、結構お転婆じゃないか。お世辞にも清楚とか大人っぽい色香とか、そういうキャラじゃないよね?」
「じゃあ、さっきの箱は!」
部屋の窓から同時に首を出した二人の前を、一縷の煙が空に向かって登っていた。人類が魔王に対する唯一の希望を失ったのは、まさにその瞬間だった。
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