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近未来スカベンジャーアスカ編

第19話 プライバシー

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 「ロボットと見れば見境なしに股を開くのですね、貴女は」
 
 アスカはポラリスに体を支えられながらもがくがくと体を震わせ、蜜壺から愛液を垂れ流し続けている。
 一向に現れないアスカに痺れを切らし戻って来てみれば、全身をスポンジに撫でられながらだらしない顔と声で喘ぎ続ける痴女がそこにおり、洗われているのか汚しているかわからないほど愛液をまき散らしていた。
 その姿にポラリスは幻滅し、機械を止めようか悩んだほどだ。
 除菌室の椅子に座って息を切らせているアスカへと、ポラリスは腕を伸ばす。
 ただ倒れないようにと差し出しただけだったが、アスカはそれにすら体を震わせ、感じているようだ。
 いつまでも返事が無いのを不服に思い、ポラリスはアスカの乳房へと左手を埋める。

 「あああっ♡」

 甘く蕩けた声を出すアスカの顔を呆れた顔で見ながら、ポラリスは左手を離した。

 「それだけ感じられるならこの腕で問題無いでしょう。 それとも他の腕を試しますか?」
 
 左手の親指から小指まで流れるように開閉を繰り返し、その動きの滑らかさを確認する。
 ポラリスが見つけてきたのは人間用の義手だった。
 構造が人間用であるため人工筋肉とも相性が良く、機械による補強がなくとも日常生活レベルなら大丈夫だ。
 その動きには文句は無いが、ブッチャーとの戦闘を考えるとここに機械を加えて実用性と芸術性のバランスを取るのが良いだろう。
 ポラリスはそんな事を考えながら、一向に帰ってこないアスカをじっと見ていた。
 
 「あ……私……」
 「ようやくですか。 貴女が喘いでいる間にもう腕が見つかりましたが」
 
 はっとした顔をするアスカの前に、ポラリスの新しい左腕が差し出される。
 白を基調とした美しい義手で、その整った形や滑らかさは性的にすら見えてくる。
 そんなアスカの顔を見て、ポラリスはさっと手を引っ込めた。

 「私の手を自慰の道具にするのはやめて頂けますか?」
 「誰がそんな事!」

 アスカは声を荒げたが、少し性的に見えてしまったのは事実である。
 最初の威勢こそ良かったものの、うつむいたまま顔を赤く染め黙り込んでしまった。
 
 「とりあえず戻りましょう。 そのままでの戦闘は無理ですから」
 「わかった……」

 アスカはふらつきながら立ち上がり、ポラリスに続いてメンテナンスチェアのあった部屋へと戻って行く。
 静かな生産ラインに並ぶロボットアームがまるであざ笑っているかのようにアスカには見えた。
 

 アスカは今、ひとりで衣服工場へと足を踏み入れている。
 ポラリスの腕に関してアスカが関与できることは何も無く、ただ待っているだけならその間にポラリスが着る服を探そうと、近くの工場までやってきた。
 当然ブッチャーを警戒してはいるが、それでもずらりと並んだ衣装には気を取られてしまい楽しい気分になって来る。
 サンプルとして並べられた衣装はどれも古い物だが、数百年も前ならむしろおしゃれと言えるだろう。
 実用性ばかりが重視されシンプルになってしまった現代の衣装とそれらを見比べて、アスカは胸を躍らせていた。
 薄い三重構造で、表面を断熱素材で覆った宇宙向けパーカー、発熱素材で作られたキャミソールなど、ファッションと機能の両立を目指した痕跡が見て取れる。
 それらをいくつか手に取ると、アスカはバイザーの撮影機能でその姿を撮った。
 手にした衣服の3Dデータを現在の自分の体へと反映し、その姿を撮影するという基本的な機能だがアスカはこの機能が好きだ。
 様々な衣装を着て楽し気に笑う自分の姿に、アスカは子供の頃に遊んだ着せ替え人形を思い出していた。
 
 衣服工場の生産ラインを越え奥に入る。
 中の様子は機械部品工場とほとんど変わらないものだったがひとつ違うのは、メンテナンスチェアの代わりにサイズ測定装置が備え付けられている点だ。
 人がすっぽりと入る円柱状の装置はいわゆる3Dスキャン装置で、この中に入るとカメラが全身を撮影して自身の体型を正確に反映させた3Dモデルが作成される。
 そのデータを元に試着を行ったりもするのだが、ポラリスに合う服を探すだけならその必要もない。
 ポラリスのデータはもう手元にあり、それをこの装置へと転送すれば済む話だ。
 アスカが手元の端末を操作し、データを転送しようとしたその時、ポラリスから緊急の通信が入った。
 
 「どうしたの?」
 「どうしたのじゃありません。 私のパーソナルデータはプライバシー保護の観点からアップロード禁止になっているはずですが?」
 
 どうやら怒り心頭のようで、わざわざ映像によるホログラム通信まで送ってきている。
 バイザー越しに映るポラリスはわかりやすく腹を立てており、腰に両手を当てた姿勢でアスカへと詰め寄った。

 「緊急事態だし、服を選ぶだけだから良いでしょ?」
 「ダメです。 どうしてもというならアスカのデータもアップロードしてください」
 「それになんの意味が?」
 「私のデータだけオープンになるのは不公平です」

 ぷんぷんと怒りながら、ポラリスはそんな事を言ってきた。
 3サイズがバレるのを恥ずかしがるアンドロイドだなんて。
 あまりの人間らしさにアスカは笑ってしまったが、それがポラリスをよけい怒らせてしまった。
 
 「そちらがその気ならいいでしょう。 先程保存したこちらの痴態を全宇宙にばら撒きます」

 アスカの目の前に映し出されたのはスポンジに体中を責められ、恍惚の表情でよがり続ける自分の姿だった。
 どうやらポラリスの目を通して見ているその光景は、アスカに羞恥心を抱かせると共に快感を思い出させる。
 アスカは顔を真っ赤にし、思わずを下を向いてしまった。
 こうして客観的に見てみると、その乱れた姿はまるで痴女だ。
 両手両足を拘束され、胸をぴったりと収めたスポンジに甘く切ない痺れを与えられ、秘部へと長細い棒状のスポンジを擦られて絶頂へと誘われる。
 それら全てを受け入れているアスカの顔は蕩けきり、改めて見てもとても幸せそうな顔をしていた。
 口を半開きにさせながらロボットアームへと潤んだ視線を向けたその姿は、まるでおねだりしているようだ。
 こんな姿を流された日には、もう全宇宙中を出歩けなくなるだろう。

 「わかった、もうアップロードしないから」
 「わかれば良いんです。 良かったですねアスカ、撮影者が私で。 もしこれが男の手に渡っていたら、今頃ゆすられて性奴隷でしたよ?」
 
 フン、と得意げな顔をしたポラリスはそう言い捨てて通信を切った。
 ポラリスの言う通り、もしもこの映像をネタに迫られたら。
 アスカの秘部はたったそれだけの妄想で濡れ始め、期待にひくひくと震えていた。

 仕方なく、アスカはいくつかの服を持ち帰った。
 3Dデータが送れていれば、こんな当てずっぽうをせずに済んだのだが。
 両手いっぱいに抱えられた服は、小さな山のようになっていた。
 アスカが部屋へと戻った時、ポラリスは自らの左腕を代理の腕で改良していた。
 人工皮膚の上に薄い装甲を重ね、関節部分には金属プレートを仕込むことで強度を上げる。
 それを補助する小型モーターも埋め込んで、新しいポラリスの腕はシンプルながらも力強い物へと生まれ変わった。
 その腕をやりきった顔で装着したポラリスは、テストとばかりに置かれていた廃部品を握り潰した。
 ぎりぎりと音を立てて部品が割れ、その破片が砕け散る。
 どうやらテストも問題なかったようで、ポラリスは満足げな顔でアスカの事を出迎えた。

 
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