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✡✡✡✡✡
オレと相棒と彼女は、結婚パーティーの日から半年を迎えようとしていた。
彼女も専門学校へ通い始めてバタバタの日々を送っていたけど…やっと慣れてきたみたいで、オレたちの新しい生活もなんとか落ち着いてきた所だった。
「やっと涼しくなって過ごしやすい季節になって来たよね? ほんま、この夏は暑くて死ぬかと思ったもん!」
「ほんまやな…あの暑さは異常やな!」
「そやけど…ユイちゃんも新しい生活に慣れてきたみたいで表情が落ち着いてきたんちゃう?」
「あ、わかる? ほんま…春から夏にかけては、自分でも目が回るくらいに忙しくてキツかったけど…やっと慣れてきたみたいやわ」
久しぶりに伯母の店でこうちゃんと麻由美ちゃんとオレたちは、飲み会をしているところで…もう少ししたら、宗ちゃんと美花ちゃんも来ることになっていた。
「さすがにユイちゃんも忙しくて赤ちゃんのことは、今のところ考えてないんやろ?」
「そうなんやけどな…ユイが避妊は嫌がるから自然に任せることになってるんや」
「だって…欲しいと思って出来るもんやないでってママに言われたし…」
「ユイちゃんのお母さんもええこと言うよな。確かに子供って授かり物やから…望んで出来るとは限らんわな~!」
こんな感じで、子供について話がはずんでる所に宗ちゃんと美花ちゃんが店の戸を開けて帰って来た。
「ただいまー! あーしんど~。それとお腹空いたー!」
「おかえりー! お疲れさん♪」
「そら、しんどいやろなー! だいぶお腹大きくなって来たし…産休まだ取らへんのか?」
「来月から産休取ることにしたよ! 今もちょくちょく有休使って無理せんようにしてるし♪」
だいぶ大きくなったお腹をさすりながら、美花ちゃんは「よっこらしょ」と言って座敷に腰を降ろして笑った。
「やっぱり赤ちゃん産むのって大変そうやな…」
「確かに簡単では、無いな。(笑)」
「なんか、オレ…ユイのお腹が大きくなってる姿なんか想像出来ひんわ!」
「またまた! 誠二さんは、そんなことばっかり言って…私のこと子供扱いするんやから!」
ついつい…オレがまた彼女のことを子供扱いしてしまったから、横に座っている彼女は頬を膨らましてオレのことを睨んでいた。
✡✡
「せいちゃんは、ユイちゃんのことが可愛くてしゃーないんやわ!(笑)」
「そうやで! 歳も離れてるし…どうしても子供扱いしてまうんやろな~」
「実際、まだ未成年やしな♪(笑)」
「うう~! そう言われると辛いわ…でも、うちのママも18歳で私のことを産んだんやし、ありえへんことでは無いって思ってるねん」
こうちゃんたちに彼女が、まだ未成年ということを突っ込まれて、少し彼女は怯んだけど…すぐに母親の理緒さんが18歳で彼女を産んだことを持ち出して、勝ち誇った顔をしていた。
「ところで…せいちゃんは、赤ちゃん早く欲しいと思ってるん?」
「ちょっ!? 結局、オレにそれを聞くんかいな!」
「「「うん!!」」」
美花ちゃんがオレが一番触れてほしくないことをストレートに突っ込んで聞いてきたから、オレは思わずビールを吹き出しそうになって少しむせてしまった。
「せいちゃんは、まだまだ新婚気分を味わいたいんちゃうか? ユイちゃん可愛いからな~♪」
「ちょいちょい、なんかオレがなんか子供作るん拒んでるみたいになってるやん!」
「えっ!? そうやないん?」
「オレはユイの気持ちをいつでも尊重してるんやで! そやから、自然に任せてるんや!」
オレがちょこっと真面目な気持ちを話すとこうちゃんと宗ちゃんがニヤニヤ笑いながら彼女に向かって頷いていた。
「良かった~! そやからユイちゃんの思い過ごしやって言うたやろ?」
「うんうん! ありがとう♪ 誠二さんの本心が聞けてホッとした~」
「なんやなんや! どういうことや?」
「そやからな! せいちゃんは、まだまだ子供はいらんて思ってるんちゃうか? ってユイちゃんがあんまり心配するから、確かめてみようってことになったんよ」
オレは、皆にやられた感じで開いた口が塞がらんかったけど、彼女が凄くホッとしたような顔をして嬉しそうに笑っていたのでそのままやられておくことにしておいた。
✡✡
こうして、パッとしなかった三十路男のオレが相棒と彼女に出会ったことによってガラリと人生が明るく楽しいものになったというわけやね。
その後のオレと相棒と彼女の物語は、またそのうちどこかで機会があればお話させて頂くということで…ひとまず、オレと相棒と彼女のお話はここまでということにさせて頂きます。お付き合いありがとうございました。
【End】
オレと相棒と彼女は、結婚パーティーの日から半年を迎えようとしていた。
彼女も専門学校へ通い始めてバタバタの日々を送っていたけど…やっと慣れてきたみたいで、オレたちの新しい生活もなんとか落ち着いてきた所だった。
「やっと涼しくなって過ごしやすい季節になって来たよね? ほんま、この夏は暑くて死ぬかと思ったもん!」
「ほんまやな…あの暑さは異常やな!」
「そやけど…ユイちゃんも新しい生活に慣れてきたみたいで表情が落ち着いてきたんちゃう?」
「あ、わかる? ほんま…春から夏にかけては、自分でも目が回るくらいに忙しくてキツかったけど…やっと慣れてきたみたいやわ」
久しぶりに伯母の店でこうちゃんと麻由美ちゃんとオレたちは、飲み会をしているところで…もう少ししたら、宗ちゃんと美花ちゃんも来ることになっていた。
「さすがにユイちゃんも忙しくて赤ちゃんのことは、今のところ考えてないんやろ?」
「そうなんやけどな…ユイが避妊は嫌がるから自然に任せることになってるんや」
「だって…欲しいと思って出来るもんやないでってママに言われたし…」
「ユイちゃんのお母さんもええこと言うよな。確かに子供って授かり物やから…望んで出来るとは限らんわな~!」
こんな感じで、子供について話がはずんでる所に宗ちゃんと美花ちゃんが店の戸を開けて帰って来た。
「ただいまー! あーしんど~。それとお腹空いたー!」
「おかえりー! お疲れさん♪」
「そら、しんどいやろなー! だいぶお腹大きくなって来たし…産休まだ取らへんのか?」
「来月から産休取ることにしたよ! 今もちょくちょく有休使って無理せんようにしてるし♪」
だいぶ大きくなったお腹をさすりながら、美花ちゃんは「よっこらしょ」と言って座敷に腰を降ろして笑った。
「やっぱり赤ちゃん産むのって大変そうやな…」
「確かに簡単では、無いな。(笑)」
「なんか、オレ…ユイのお腹が大きくなってる姿なんか想像出来ひんわ!」
「またまた! 誠二さんは、そんなことばっかり言って…私のこと子供扱いするんやから!」
ついつい…オレがまた彼女のことを子供扱いしてしまったから、横に座っている彼女は頬を膨らましてオレのことを睨んでいた。
✡✡
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「そうやで! 歳も離れてるし…どうしても子供扱いしてまうんやろな~」
「実際、まだ未成年やしな♪(笑)」
「うう~! そう言われると辛いわ…でも、うちのママも18歳で私のことを産んだんやし、ありえへんことでは無いって思ってるねん」
こうちゃんたちに彼女が、まだ未成年ということを突っ込まれて、少し彼女は怯んだけど…すぐに母親の理緒さんが18歳で彼女を産んだことを持ち出して、勝ち誇った顔をしていた。
「ところで…せいちゃんは、赤ちゃん早く欲しいと思ってるん?」
「ちょっ!? 結局、オレにそれを聞くんかいな!」
「「「うん!!」」」
美花ちゃんがオレが一番触れてほしくないことをストレートに突っ込んで聞いてきたから、オレは思わずビールを吹き出しそうになって少しむせてしまった。
「せいちゃんは、まだまだ新婚気分を味わいたいんちゃうか? ユイちゃん可愛いからな~♪」
「ちょいちょい、なんかオレがなんか子供作るん拒んでるみたいになってるやん!」
「えっ!? そうやないん?」
「オレはユイの気持ちをいつでも尊重してるんやで! そやから、自然に任せてるんや!」
オレがちょこっと真面目な気持ちを話すとこうちゃんと宗ちゃんがニヤニヤ笑いながら彼女に向かって頷いていた。
「良かった~! そやからユイちゃんの思い過ごしやって言うたやろ?」
「うんうん! ありがとう♪ 誠二さんの本心が聞けてホッとした~」
「なんやなんや! どういうことや?」
「そやからな! せいちゃんは、まだまだ子供はいらんて思ってるんちゃうか? ってユイちゃんがあんまり心配するから、確かめてみようってことになったんよ」
オレは、皆にやられた感じで開いた口が塞がらんかったけど、彼女が凄くホッとしたような顔をして嬉しそうに笑っていたのでそのままやられておくことにしておいた。
✡✡
こうして、パッとしなかった三十路男のオレが相棒と彼女に出会ったことによってガラリと人生が明るく楽しいものになったというわけやね。
その後のオレと相棒と彼女の物語は、またそのうちどこかで機会があればお話させて頂くということで…ひとまず、オレと相棒と彼女のお話はここまでということにさせて頂きます。お付き合いありがとうございました。
【End】
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