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1章 スローライフ、始めますっ!
4、家を購入
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「転移って……どうやるの?」
ベッドの端に座った私は、目の前のロリ魔王に質問した。魔王といっても、見た目は普通の幼い女の子なので、ロリ魔王と心の中で呼んでいる。
「転移魔法を使うのじゃ。 さっきの映像から分かるように、今のこの世界は魔法が使えるからの」
「魔法かぁ……名前は聞いたことあるけど、〈エルタニア〉で長い間、農業しかしてなかったから、生活系以外の魔法は、殆ど習得していない気がするのよね」
だいたい、私は炎とか氷の攻撃魔法なんて、触ったことはおろか見たことすらない。当然、発動の方法など分かるはずがないと、心の中で訴えていた。
「転移魔法くらい覚えてても損はないのじゃがな、今回は我が行ってやるのじゃ」
ロリでもやはり魔王である。こういう時は、役に立ってくれるとかんじたのだ。ロリには変わらないけれど……。
「それじゃあ、お願いしようかな」
「転移! <クトゥリア>!」
無詠唱で発動する魔法に、私は心の準備すら出来なかった。流石、ロリでも魔王と言ったところか。しかし、いきなり魔法名を唱えるなんて、少し雑な性格なのではないかと、心の中でロリ魔王に話しかけたのであった。そんな心のツッコみが声として外に出ることはなく、私達は転移魔法の光に包まれたのである。
──数秒後。
「お主よ、もう目を開けてもよいのじゃ」
魔王の声に私は目を開け……雄大な自然と小さめの村、そしてぽつんと立っているログハウスを見つけた。見た感じ異世界と言われても全く違和感のない、そんな風景が広がっていた。
「うわぁ……今の日本ってこうなってるんだ……。なんか感動的」
私の口から、自然と思っていることが漏れたのだ。もしこれが、さっき思っていた事を漏らしてしまったらと、怖い考えが頭を過ぎるが、今は放って置こうと決めたのだ。
「……ここが、田舎というやつなのじゃろ?」
「うん、私の基準だとここは田舎って言えるね」
のどかで風も穏やか、私のスローライフにぴったりの場所な気がする。ここなら、夢がきっと叶えられると信じたのだ。
「ほら、とりあえず家に入るぞい」
「あれ……お金持ってるの?」
「お金じゃと? これか?」
魔王が小型のカバンから、一万円と書かれている札束を取り出す。見た目では何枚あるのか分からないが、この日本での価値はいくらだという疑問が残っていた。
「それ、何円分あるの?」
「百万ガル……つまり百万円分じゃ」
「ガル?」
「こっちの世界のお金の単位なのじゃ。 1ガル=1円という認識でいいぞ」
私がこの世界で目覚めるまでの約1ヶ月完、ロリ魔王は色んな知識を得ていたようである。
「円はどこ行ったの?」
「『この地球はお金の種類が多すぎる』という理由で、この世界が異世界になった時に全部〈ガル〉に置き換わったのじゃ」
本当であるか怪しい事極まりないが、今はこのロリ魔王を信用する事にした。とりあえず、このロリ魔王の話に合わせながら、ログハウスの前の看板まで歩いたのだ。
「えっとお値段は……30万ガルか、余裕で足りるじゃん」
「じゃ、さっそく購入するのじゃっ!」
問題はロリ魔王のお金が使えるかどうかである。しかし、当のロリ魔王は躊躇することなく、看板下に置いてある自動販売機らしき物体に、お札を30枚投入したのだ。
「購入完了、いぇーい!」
「いぇーい!」
まさかの購入完了に、私はロリ魔王とハイタッチを決める。敵同士だった私達、意外と仲良くなってる事に、これから一緒にやっていけそうな気がしたのだ。
「明日は村にでも行くかのう」
「……そうしよっか」
ベッドの端に座った私は、目の前のロリ魔王に質問した。魔王といっても、見た目は普通の幼い女の子なので、ロリ魔王と心の中で呼んでいる。
「転移魔法を使うのじゃ。 さっきの映像から分かるように、今のこの世界は魔法が使えるからの」
「魔法かぁ……名前は聞いたことあるけど、〈エルタニア〉で長い間、農業しかしてなかったから、生活系以外の魔法は、殆ど習得していない気がするのよね」
だいたい、私は炎とか氷の攻撃魔法なんて、触ったことはおろか見たことすらない。当然、発動の方法など分かるはずがないと、心の中で訴えていた。
「転移魔法くらい覚えてても損はないのじゃがな、今回は我が行ってやるのじゃ」
ロリでもやはり魔王である。こういう時は、役に立ってくれるとかんじたのだ。ロリには変わらないけれど……。
「それじゃあ、お願いしようかな」
「転移! <クトゥリア>!」
無詠唱で発動する魔法に、私は心の準備すら出来なかった。流石、ロリでも魔王と言ったところか。しかし、いきなり魔法名を唱えるなんて、少し雑な性格なのではないかと、心の中でロリ魔王に話しかけたのであった。そんな心のツッコみが声として外に出ることはなく、私達は転移魔法の光に包まれたのである。
──数秒後。
「お主よ、もう目を開けてもよいのじゃ」
魔王の声に私は目を開け……雄大な自然と小さめの村、そしてぽつんと立っているログハウスを見つけた。見た感じ異世界と言われても全く違和感のない、そんな風景が広がっていた。
「うわぁ……今の日本ってこうなってるんだ……。なんか感動的」
私の口から、自然と思っていることが漏れたのだ。もしこれが、さっき思っていた事を漏らしてしまったらと、怖い考えが頭を過ぎるが、今は放って置こうと決めたのだ。
「……ここが、田舎というやつなのじゃろ?」
「うん、私の基準だとここは田舎って言えるね」
のどかで風も穏やか、私のスローライフにぴったりの場所な気がする。ここなら、夢がきっと叶えられると信じたのだ。
「ほら、とりあえず家に入るぞい」
「あれ……お金持ってるの?」
「お金じゃと? これか?」
魔王が小型のカバンから、一万円と書かれている札束を取り出す。見た目では何枚あるのか分からないが、この日本での価値はいくらだという疑問が残っていた。
「それ、何円分あるの?」
「百万ガル……つまり百万円分じゃ」
「ガル?」
「こっちの世界のお金の単位なのじゃ。 1ガル=1円という認識でいいぞ」
私がこの世界で目覚めるまでの約1ヶ月完、ロリ魔王は色んな知識を得ていたようである。
「円はどこ行ったの?」
「『この地球はお金の種類が多すぎる』という理由で、この世界が異世界になった時に全部〈ガル〉に置き換わったのじゃ」
本当であるか怪しい事極まりないが、今はこのロリ魔王を信用する事にした。とりあえず、このロリ魔王の話に合わせながら、ログハウスの前の看板まで歩いたのだ。
「えっとお値段は……30万ガルか、余裕で足りるじゃん」
「じゃ、さっそく購入するのじゃっ!」
問題はロリ魔王のお金が使えるかどうかである。しかし、当のロリ魔王は躊躇することなく、看板下に置いてある自動販売機らしき物体に、お札を30枚投入したのだ。
「購入完了、いぇーい!」
「いぇーい!」
まさかの購入完了に、私はロリ魔王とハイタッチを決める。敵同士だった私達、意外と仲良くなってる事に、これから一緒にやっていけそうな気がしたのだ。
「明日は村にでも行くかのう」
「……そうしよっか」
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