英華女学院の七不思議

小森 輝

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英華女学院の七不思議 50

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 確か、雛ノ森さんは3年生から話を聞くと言っていた。ならば、3年生の教室にいるのかもしれない。3年生の教室を無闇に探しても見つかるかどうか分からないが、それでも、今すぐに伝えに行かずにはいられない。
 梅本先生から見せてもらった写真を握りしめ、闇雲に探そうとしたのだが、その必要がなくなった。
「雛ノ森さん。ちょうどいいところに」
 まさか、探している本人の方から会いに来てくれるとは思わなかった。
「先生、お伝えしたいことが……」
 いつもに増して、思い詰めた表情。まるで、相談を聞いた1週間前に戻ってきたような感覚だ。だが、全てが同じではない。この一週間、雛ノ森さんと一緒にいたので、ある程度は話したいことは分かる。今回は、私が会いたい時に偶然出会ったこと。そして、雛ノ森さんの手にも何かの写真を持っていることから、私の頭には同じことを考えているとしか思えなかった。
「もしかして、冬美さんのことですか?」
「そうですけど、どうして?」
「その写真は、1学期より前に撮った冬美さんの写真ですよね? 私もついさっき冬美さんの写真を見たところです」
 梅本先生から貰ってきた写真を見せると、雛ノ森さんも状況を理解して、自分が持っていた写真を私に見せてきた。その写真も佐々木涼子さんを知っているなら見間違うような写真だ。
「冬美さんの担任の先生に聞きました。家の都合とか、いろいろ……」
「そうなんですね。私も冬美さんと2年生の時に同じクラスで仲がよかった方に聞きました」
 予想通り、雛ノ森さんも私と同じように冬美さんのことを知ったのだ。でも、私のところに来たのは以外だった。
「知っているのなら、一人で聞きに行くかと思いましたけど」
「先生から釘を刺されていましたからね」
 別に、冬美さんに会いに行くのが危険なことではないのだが、私が話したことを心に留めていてくれたことは、正直、うれしかった。
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