最強✕最弱Re:start

月見団子

文字の大きさ
上 下
10 / 11

第捌話

しおりを挟む
そうして、俺らはその扉をくぐる。「なぁ、ここはどこだ?」「ここはね~訓練場だよ」「訓練場?」「そ、訓練場」「なんでここに来たんだ?」「そりゃあ、君と戦う為でしょ」「え?」「さ、行くよ!」そう言って俺の方に突っ込んでくる。俺は後ろに逃げる…が、いつの間にか扉が閉まっていて満足に逃げられない。さて、どうしたものか。いや、待てよ?この拳の速さ…もしかしなくてもスキルを使っているか?水月のスキルは攻撃力アップの効果もある。だが、どうだろうか。その効果を“異常状態”と認識する事ができれば、俺の手でも受け止められるのではないか?よし、やってみるか!「さぁ、来い!」「遠慮無しで行くからね?」そう言って水月の拳が俺の掌に吸い込まれていく。そして、拳が当たる刹那、俺もスキルを発動する。《異常状態完全解除デバフ・クラッシャー》。頼む…来てくれ…。そう願い、受け止める。刹那、バキバキと俺の手からなってはいけない音がなる。やっぱり、駄目だったのだろうか。そう思った時だ。水月の拳の勢いが収まる。「君ならそうするよね」その言葉を紡ぎながら、水月は微笑む。「でも、残念。君のスキルは無効化されたんだよ」「は?無効…化?」「そう。スキルを無効化するスキルとでも言えるかな」「そんなのあったら最強じゃねぇか」「まぁ、実際最強だしね。このスキルは《巫女》のスキルだよ」「《巫女》のスキル、だと?」「そ、まぁ正確にはだけどね」「あれが…一部だと?」「そうだよあんなのは、弱めのスキルに過ぎない。あれより強いスキルなんて何個もあるんだからね」「まぁ、確かに無効化するだけなら……ってなんねぇよ!強いわ!」「そ、そうかな」「うん、そうだよ」「でもね、ただ無効化するだけなんだよ。自身の身体能力。スキルに依存していない純粋な身体能力が高くなければ使えないんだよ」「でもそれなら…」「複数スキルの同時発動はできない。それは、適正とか、そんな次元の話じゃないんだよ。この世界の理にも達する話になる。」「世界の理…か。」「でもね、このスキルはあまりにも女の子向けのスキルじゃないんだよ」「まぁ、確かに男と対峙したとき、力の差は多かれ少なかれあるからな。それも、自分に不利な差が。」「そ、だからさっき君にも拳を止められた。」「え?あれは水月が止めたんじゃないのか?」「そんなわけ無いじゃん」つまり、あれは僕自身が止めたと。そんな自覚、全く無いわけだが。だって、あのときの感覚は僕が止めた、と言うよりも水月が制御した、という感覚に近かったのだから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

処理中です...