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第壱話
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俺が目を醒ました時、そこは既に戦場だった。
俺は狭い部屋の中に匿われ、目の前の扉の外からは騒々しい音が聞こえてきた。
俺は一回、死んで…それで、今生きてる…?
水月は?どこに行った?
周りを見渡しても居ない。
またどこかで会えるだろうか?
…と、その音を聞きながら頭の中を整理しようとしていると、目の前の扉が粉々に、なって、目の前に居たのは前世で見飽きたGDDS:10だ。
それと…武装した男。
「くっそ…お前、戦える…訳ないよなぁ」
『……。』
「DDPパラメータが最弱だって分かってるのに、あの方が死守しろって言うから守ってたけど…。
もう、厳しそうだな、すまねぇ」
…わずか数分前まで闘っていた感覚は死んでいない。
…最も、この世界に置いては数年後、になるのだろうが…。
パラメータは変わってないが、体が若返っていたのでタイムスリップに近い物だと思われる。
『…はぁ、やるしかないかなぁ』
「やめとけ、怪我でもされたらあの方に見せる顔がねぇよ」
『…ここで見た事は、内緒で、な?』
その、僅かに機械的な音声が頭の中に流れるという、なんとも不思議で違和感半端ない感覚を味わうと、僅かに胸の辺りがピリピリしてくる。
そうだ、この感覚だ。
暗い部屋が更に暗くなる。
不吉な予感だ。
そう、シークレットスキルの神威の覇気…特に(聖)は雷を伴う気絶系統オーラなのだから。
そして、範囲は指定範囲内ならば無制限。
なので、取り敢えず目の前と扉の前に居るGDDS:10をターゲットにして…発動をしたのだ。
情けない悲鳴が聞こえてくる。
それもそうか、誰も抗えやしないのだから。
そうして、数秒が経過し…。
俺を守ろうとしていた男と俺だけが、この場に残った。
その男は何も分からないかのように口をぽかんと開けて固まっている。
『…誰にも内緒で、な?』
「あ、あぁ…分かった。」
そうして、俺がその部屋を出ようとすると後ろから力の抜けた声が聞こえてきた。
「お前は…何者なんだ?」
その問いに俺は、
『人類最弱DDPだよ。
…少なくとも今は、な』
そう答えて、その部屋を出た。
人類最弱DDPの俺を守れというのであれば恐らくあいつしかいないだろう。
そうして、階段を登って、恐らく最上階であろう階の、廊下の隅に、一つだけ異質な空気を放つ扉があった。
俺はそこに手をかけて、そして、息を詰まらせた。
それはまるで、声の出ない鳴き声のような。
それはまるで、首を絞められた人間の様な。
そんな、感覚が俺を襲うのだった。
俺は狭い部屋の中に匿われ、目の前の扉の外からは騒々しい音が聞こえてきた。
俺は一回、死んで…それで、今生きてる…?
水月は?どこに行った?
周りを見渡しても居ない。
またどこかで会えるだろうか?
…と、その音を聞きながら頭の中を整理しようとしていると、目の前の扉が粉々に、なって、目の前に居たのは前世で見飽きたGDDS:10だ。
それと…武装した男。
「くっそ…お前、戦える…訳ないよなぁ」
『……。』
「DDPパラメータが最弱だって分かってるのに、あの方が死守しろって言うから守ってたけど…。
もう、厳しそうだな、すまねぇ」
…わずか数分前まで闘っていた感覚は死んでいない。
…最も、この世界に置いては数年後、になるのだろうが…。
パラメータは変わってないが、体が若返っていたのでタイムスリップに近い物だと思われる。
『…はぁ、やるしかないかなぁ』
「やめとけ、怪我でもされたらあの方に見せる顔がねぇよ」
『…ここで見た事は、内緒で、な?』
その、僅かに機械的な音声が頭の中に流れるという、なんとも不思議で違和感半端ない感覚を味わうと、僅かに胸の辺りがピリピリしてくる。
そうだ、この感覚だ。
暗い部屋が更に暗くなる。
不吉な予感だ。
そう、シークレットスキルの神威の覇気…特に(聖)は雷を伴う気絶系統オーラなのだから。
そして、範囲は指定範囲内ならば無制限。
なので、取り敢えず目の前と扉の前に居るGDDS:10をターゲットにして…発動をしたのだ。
情けない悲鳴が聞こえてくる。
それもそうか、誰も抗えやしないのだから。
そうして、数秒が経過し…。
俺を守ろうとしていた男と俺だけが、この場に残った。
その男は何も分からないかのように口をぽかんと開けて固まっている。
『…誰にも内緒で、な?』
「あ、あぁ…分かった。」
そうして、俺がその部屋を出ようとすると後ろから力の抜けた声が聞こえてきた。
「お前は…何者なんだ?」
その問いに俺は、
『人類最弱DDPだよ。
…少なくとも今は、な』
そう答えて、その部屋を出た。
人類最弱DDPの俺を守れというのであれば恐らくあいつしかいないだろう。
そうして、階段を登って、恐らく最上階であろう階の、廊下の隅に、一つだけ異質な空気を放つ扉があった。
俺はそこに手をかけて、そして、息を詰まらせた。
それはまるで、声の出ない鳴き声のような。
それはまるで、首を絞められた人間の様な。
そんな、感覚が俺を襲うのだった。
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