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記憶【記憶をなくしてから?日目】
謎の少女
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“パシーンッ!”
先に音がなったのは………。
………。
「はは…負けちゃったね」
負けたのは………。
………………桜だった。
両方当たったが、僅かに俺の方が速かったのだ。
その差わずか0.1秒。
「まじ…か。」
言うまでもないが周りの反応は【空いた口が塞がらない】状態だ。
審判の紺野はと言うと…固まっていた。
審判!?
「「…ありがとうございました」」
一礼をし、竹刀を収める。
1秒後
「「「「「「おぉーーーーー!!!!!」」」」」」
歓声と、拍手が部室を満たした。
「あれ?」
何か、今思い出しそうな気がしたんだけど……。
くっ……頭が……痛い………。
だが、もう少し……あと少し耐えれば…。
その後、何人かと打ち合いをし、部活が終わった。
部員の殆どが帰った時、桜が、声をかけてきた。
「日向君…大丈夫?」
「いきなりどうしたんだ?」
「いや、いつもと様子が違ったから。」
「いや、大丈夫だよ。」
「そう?
なら良いけど……体調が悪くなったら言ってね?」
「あぁ。分かったよ。」
「じゃあ、帰ろっか。」
「おう。」
帰り道。
トレーラーが俺らの横を通る。
考えれば普通にあり得ることだ。
だが、何故だ?
何かを思い出しそうで………。
物凄く頭が痛い…。
「ぁ……」
「大丈夫!?」
…………………………。
……………。
……。
「ここは…一体……。」
「ここは現実と夢の狭間。
俗に言う“記憶”と言う、場所だね。」
いきなり目の前の少女が話しかけてきた。
「君は?」
「私は…ここに住みつく者…とでも言っておこうか。」
「ここは真っ暗な空間だけど……。」
「そりゃ、君の記憶がなくなってるからね。」
なるほどね。
「俺は一体、なぜ、記憶を失ってるんだ?」
「それは、私には答えられないな。
けど、助言ならしてあげれる。」
「助言…?」
「そう。
聞いてみる?」
「まぁ、教えてくれるなら。」
「君は、今から選ばなければならない。」
「選ぶ…?
何をだ?」
「一つは、記憶がないまま幸せな時間を暮らす。
一つは、苦しい思いをしながらも記憶を取り戻す。」
「…………。」
正直難しいか。
「選ぶのは君だから自由にして良いよ。
ただ、選べるのは今回の一つだけ。
どれを選んだとしても、私は応援するよ。」
正直に言えば、幸せに暮らしたい。
記憶がないままでも良いから。
瑠奏の話を聞いてる限り、俺の過去は壮絶だったみたいだから。
きっと、思い出したくない記憶だってある。
だから、記憶がないままでも良いやって思う。
でも、記憶がないままで本当に幸せになれるのかっていう疑問はある。
いくら思い出したくない過去があったとしても、逃げて良いものなのかなって。
俺には記憶が無いからその苦しみがどれほどの物なのかなんて分からない。
話を聞いてるだけでも胸が締め付けられる感覚になるのに、思い出したらどうなってしまうのか。
……。
……………俺は何を考えているのだろうか。
もう、答えなんて出てるじゃないか。
「答えは決まってるよ。」
「それじゃあ、君の答えを聞かせてもらおうか。」
「俺は…俺の答えは……。」
先に音がなったのは………。
………。
「はは…負けちゃったね」
負けたのは………。
………………桜だった。
両方当たったが、僅かに俺の方が速かったのだ。
その差わずか0.1秒。
「まじ…か。」
言うまでもないが周りの反応は【空いた口が塞がらない】状態だ。
審判の紺野はと言うと…固まっていた。
審判!?
「「…ありがとうございました」」
一礼をし、竹刀を収める。
1秒後
「「「「「「おぉーーーーー!!!!!」」」」」」
歓声と、拍手が部室を満たした。
「あれ?」
何か、今思い出しそうな気がしたんだけど……。
くっ……頭が……痛い………。
だが、もう少し……あと少し耐えれば…。
その後、何人かと打ち合いをし、部活が終わった。
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「いや、いつもと様子が違ったから。」
「いや、大丈夫だよ。」
「そう?
なら良いけど……体調が悪くなったら言ってね?」
「あぁ。分かったよ。」
「じゃあ、帰ろっか。」
「おう。」
帰り道。
トレーラーが俺らの横を通る。
考えれば普通にあり得ることだ。
だが、何故だ?
何かを思い出しそうで………。
物凄く頭が痛い…。
「ぁ……」
「大丈夫!?」
…………………………。
……………。
……。
「ここは…一体……。」
「ここは現実と夢の狭間。
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「君は?」
「私は…ここに住みつく者…とでも言っておこうか。」
「ここは真っ暗な空間だけど……。」
「そりゃ、君の記憶がなくなってるからね。」
なるほどね。
「俺は一体、なぜ、記憶を失ってるんだ?」
「それは、私には答えられないな。
けど、助言ならしてあげれる。」
「助言…?」
「そう。
聞いてみる?」
「まぁ、教えてくれるなら。」
「君は、今から選ばなければならない。」
「選ぶ…?
何をだ?」
「一つは、記憶がないまま幸せな時間を暮らす。
一つは、苦しい思いをしながらも記憶を取り戻す。」
「…………。」
正直難しいか。
「選ぶのは君だから自由にして良いよ。
ただ、選べるのは今回の一つだけ。
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記憶がないままでも良いから。
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きっと、思い出したくない記憶だってある。
だから、記憶がないままでも良いやって思う。
でも、記憶がないままで本当に幸せになれるのかっていう疑問はある。
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俺には記憶が無いからその苦しみがどれほどの物なのかなんて分からない。
話を聞いてるだけでも胸が締め付けられる感覚になるのに、思い出したらどうなってしまうのか。
……。
……………俺は何を考えているのだろうか。
もう、答えなんて出てるじゃないか。
「答えは決まってるよ。」
「それじゃあ、君の答えを聞かせてもらおうか。」
「俺は…俺の答えは……。」
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