出会ったのは喫茶店

ジャム

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本編

冬休み・親孝行

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新年の旅行から帰ってきて二日がたった・・・

「え・・・今日、誕生日なんですか?」

獅子丸「らしいぞ?」

今日は校長先生の誕生日らしい

「知らなかった・・・」

獅子丸「俺もさっき会ったときに知った」

どうやら一輝がここに来る時に会いそんな話をしたらしい

「なにか・・・プレゼント・・・あげたいな・・・」

獅子丸「そうだな・・・旅行に連れてってもらったし・・・お年玉ももらったしな・・・」

「・・・みんなにも相談してみましょう!」

そして僕たちは各部屋に回ってホールに集まってもらい話した

犬橋「え!?今日、校長先生の誕生日なの!?」

「らしいよ?」

熊下「知らなかった・・・」

寮長「・・・パーティするか」

「パーティ?」

獅子丸「生誕祭だな!」

「あ、なるほどw」

犬橋「じゃあ、熊下と寮長は買い出し!糸色と獅子丸先輩はプレゼント選びで決定だな!」

熊下「ちょっと待て!お前は何もしないのか!?」

犬橋「俺は絵を描く!」

熊下「こんな時に・・・」

獅子丸「犬橋・・・」

寮長「・・・」

熊下と一輝はあきれたため息をつき、寮長は指を鳴らしていた

犬橋「え、俺はプレゼント用の絵を描くだけだよ!?」

熊下「え、あ!そうなのかwならちゃんと言えよw」

獅子丸「お前だけサボるのかと思ったw」

寮長「説明不足・・・」

「よかった・・・」

みんなが安堵の声を上げる

犬橋「最近・・・俺への扱い酷くないか?」

そんな言葉をスルーしつつ僕達は行動した

獅子丸「う~ん・・・何にするか・・・」

「う~ん・・・」

僕達二人は寮の前で考えていた
物が決まらないとどこにも行けない・・・

獅子丸「お前へのプレゼントなら結構思いつくんだがな・・・」

「単純・・・ってことですか?」

獅子丸「違うよwどれを選んでも喜んでくれるからな!」

「・・・」

なんか・・・納得いかない・・・

獅子丸「大人相手にプレゼントなんて・・・父さんと母さん以外初めてだよ・・・」

「その時はなにをあげたんですか?」

獅子丸「えっと・・・父さんには腕時計をあげたな・・・母さんには・・・花束くらいしかあげてないやwでも、喜んでくれてたし・・・」

「じゃあ、花束は買いましょう!」

獅子丸「そうだな!・・・そういえば・・・陽翔の誕生日っていつだ?」

「・・・知らないです・・・」

獅子丸「・・・そうか・・・今度、校長先生に聞いてみようw」

「そうですねwそれより・・・プレゼントですよ!」

獅子丸「う~ん・・・あの年代ってなにが好きなんだ?」

「さぁ・・・」

獅子丸「う~ん・・・そもそも校長先生は何歳なんだ?」

「知りません・・・」

獅子丸「見た感じ30代前半・・・だと思うんだが・・・」

「でも、僕より少し上の息子さんが居たんですよ?」

獅子丸「あ、そうか・・・それにそんな若さで校長なんてできないかw」

「まぁ・・・僕より上の息子さんだったのか・・・わかりませんが・・・」

僕・・・校長先生の事・・・あまり知らないんだな・・・
趣味も・・・住んでいるところも・・・歳でさえも・・・
謎が多い・・・と言うのか・・・秘密主義というのか・・・
僕が聞いてないだけなんだけどね

獅子丸「・・・仮に30代だとして・・・なんだったら喜ぶだろうか・・・」

「・・・」

僕にプレゼントのことで答えられることは・・・

獅子丸「・・・父さんに聞きに行くか・・・ちょうど同じくらいだろう」

そして僕たちは喫茶店に来た

マスター「いらっしゃい!おう!ご注文は?」

獅子丸「いや、今日は食事に来たんじゃないんだよ・・・」

マスター「???」

僕はマスターに説明した

マスター「え!?今の校長ってそんなに若いのか!?」

獅子丸「え!?父さんと同じくらいじゃないの!?」

マスター「違うだろうwいや・・・どうなんだろう・・・確かに若く見えるからな・・・」

と、マスターは顎に手を置いて首を傾げていた

獅子丸「まぁ若く見られる分にはいいんじゃないかなwで、同じ30代としてもらって嬉しいのはなに?」

マスター「それを俺に聞くなよ・・・そうだな・・・」

マスターは少し考えた後

マスター「糸色くんからもらった物ならなんでも嬉しいんじゃないかな?」

「僕からもらった物・・・?」

マスター「ああ。息子同然のように可愛がられてるみたいだし・・・なら、息子からもらった物ならなんでも嬉しいだろうよw」

獅子丸「ふ~ん?」

マスター「な、なんだよ」

獅子丸「父さんは俺からもらった時計。嬉しかったんだな~ってw」

マスター「別に?つけてねぇし?」

獅子丸「嬉しすぎてしまい込んでるんでしょう?w」

マスター「いいから、さっさと買いに行ってこい!」

獅子丸「は~いw」

そして僕たちは喫茶店を後にした

「・・・」

獅子丸「・・・」

僕たちはデパートでいろんな店を回った
でも、いい物が見つからなかった

獅子丸「プレゼントってこんなに難しいのか・・・」

「そうですね・・・相手を喜ばせたいと思えば思うほど難しくなりますね・・・」

ピロン!

その時先輩のスマホが鳴った

獅子丸「・・・向こうは買い出しが終わって準備を開始したらしい」

「そうなんですか?」

獅子丸「俺たちも早く決めないとな・・・」

「・・・一か所寄ってみたいところがあります」

そして僕達が足を運んだのは・・・
・・・・・・・・・
そして僕達は寮に戻ってきた

寮長「おかえり」

熊下「お帰りなさい!」

「ただいま!犬橋は?」

熊下「あと少しで完成だからって部屋に引き籠ってるよwそっちはどうだ?」

「まぁ・・・一応はw」

熊下「俺たちも買い物のついでにプレゼント買ってきたんだ!」

「そうなの?」

熊下「うん!」

寮長「まぁそこまでいい物じゃないけどな」

獅子丸「まぁ気持ちが大事なんだよ!」

熊下「そうですよね!さて・・・準備を開始しますか!」

そして僕たちは準備を開始した
18時ごろ・・・
僕は校長室の前にいた

「・・・うん・・・行こう・・・」

コンコン

僕は扉をノックした

校長「は~い。どうぞ」

「失礼します」

扉を開けると校長先生が椅子に座っていた

校長「こんばんわ!どうしたのかな?」

「あの・・・ちょっと散歩したいなって思って・・・でも・・・一人は怖くて・・・」

校長「おや?みんなはどうしたんだい?」

「え・・・その・・・犬橋は絵を描くと言ってまして・・・熊下は・・・忙しいと・・・寮長は・・・気分が乗らないらしいです」

校長「獅子丸くんは?」

「今日はどうしても外せない用事があるそうです」

校長「そうなのかい?じゃあ、折角だから行きましょうか!」

そして僕と校長先生は外に出た
外はまだ肌寒く、日が落ちるのも早い

校長「こんな時間に散歩なんて・・・関心しませんねw」

「でも、校長先生がいてくだされば・・・安心です」

校長「こんな私じゃ君を守ってあげられないかもしれませんけどねw」

しばらく校内を歩いているとスマホに連絡が入る

『準備完了!作戦決行!』

と、書かれていた
僕はそれを見て寮に戻ることにした
寮の前で

校長「では!おやすみなさい!」

「あ、あの・・・」

校長「ん?」

「よかったら中でお茶でも・・・」

校長「折角ですが遠慮しておきますwあまり夜更かしはしないようにしてくださいねw」

そういうと背を向けた
このままでは・・・

「ぼ、僕・・・」

校長「ん?」

「えっと・・・その・・・」

校長「ん?」

「もっと・・・校長先生と・・・お話したいです」

校長「う~ん・・・」

校長先生は少し考えた後

校長「陽翔くんがそこまで言うのでしたらお付き合いしましょうw」

そういい寮に入った
そして・・・

パンッ!パンッ!

クラッカーが寮内に響き渡った

熊下・寮長・犬橋・獅子丸「お誕生日おめでとうございます!!」

校長「え・・・」

「あ、あの・・・お誕生日おめでとうございます!」

校長「・・・フフフwありがとうございますw獅子丸くんから聞きました?w」

「はいw」

校長「嬉しいですねw」

そして席へと案内し

犬橋「はい!ドリンクをどうぞ!」

校長「ありがとうございます!」

熊下「料理もどうぞ!」

校長「助かります!」

そしてパーティは滞りなく進み

犬橋「ではそろそろプレゼント贈呈です!」

と犬橋からプレゼントを渡した
それは校長先生がモデルになっている絵だった
校長先生が校門の前に立っていて背景に学園が書かれていた

校長「これは・・・凄いですね!」

犬橋「えへへ!」

熊下「次は俺!」

と箱を手渡した
中身は・・・

校長「ネクタイですか!」

明るい色のネクタイが入っていた

寮長「俺からは・・・これを」

寮長は小さな箱を手渡した
中身はネクタイピンだった

校長「それはセットですね!大切に使わせていただきます!」

獅子丸「次は俺と陽翔からです!一緒で申し訳ないですが・・・」

そういい箱を渡した
中身は・・・

校長「これは・・・腕時計ですか!」

「はい!一生懸命考えました!」

校長「ありがとうございます!」

そしてパーティは終わり僕は校長先生と寮の外に出た

校長「今日はありがとうございます!とても楽しかったです!」

「喜んでいただけて良かったです!」

校長「・・・誕生日ついでにわがままをいいかな?」

「???はい?何でしょう?」

校長「これからは・・・お父さんって呼んでほしい・・・なって思いましてw」

「え・・・」

校長「い、嫌なら無理にとは言いませんよ!」

「・・・では、校長先生が僕の名前にくんを付けないのでしたらいいですよ!」

校長「いいですよw」

「では・・・お、お父さん・・・w」

校長「陽翔・・・」

そういい頭を撫でてきた
そして・・・最後に仕上げ・・・

「はい!お父さんにプレゼントです!」

と僕は箱を手渡した

校長「これは?」

「僕個人の贈り物です!」

そして箱を開けると・・・

校長「!?これは・・・」

中身は光の加減で色が変わるペンダントだった
紐はついていないから、校長・・・お父さんのロケットにもつけることができるアクセサリーだ

「喜んでもらえると・・・嬉しいですw」

校長「陽翔・・・君っていう子は・・・w」

と、涙を流していた

「う、嬉しくなかったですか?」

校長「違うよw嬉しいから泣いてるんだよw」

「よかった・・・喜んでもらえてw」

校長「ありがとうw大切にするよw」

そしてお父さんは校内に帰って行った
僕も部屋に戻り眠りについた
もちろん一輝も一緒にw


~校長視点~
「・・・産まれ変わり・・・本当にあるのかもしれませんね・・・」

私は引き出しからある物を取り出した
それは陽翔からもらったアクセサリーとまったく一緒のやつだ

「まさか・・・プレゼントに同じ物を貰うとは・・・」

これは昔、息子からもらったプレゼントだ

「やっぱり・・・いや・・・ありえない・・・でも・・・」

私は生まれ変わりを・・・ほんの少し信じ始めていた

「・・・それにしても・・・w」

私は二つのアクセサリーをペンダントにつけた
今までつけなかったのは・・・まだ私の心の整理がついていなかったから・・・
でも、今回、着けたくなった
それはきっと陽翔の影響だろう
喜ばしいことだと思う
この私も前に少しずつ歩き出している
そう思えるからだ

「・・・陽翔・・・お前は・・・本当にあの子に生まれ変わったのかい?」

そう囁き空を眺めた
もし・・・もし生まれ変わりがあるなら・・・私は彼を・・・陽翔を・・・手放すつもりはない

「これからも・・・できれば卒業するまでは・・・家族として・・・傍に居させてほしい・・・」

それが今日の誕生日に願う・・・一番の・・・プレゼントだ!
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