オメガに産まれた宿命

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発情期が終わって

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学校が始まる前日
ようやく、発情期が終わった
学校が始まる前に終わってよかった
これで部屋から出ることができる
一週間ぶりにみんなに会える

獅子丸「匂いもなくなったし、もう大丈夫だろう!」

「よかった!さすがに部屋に籠るのは飽きました!」

僕は笑顔でいた

獅子丸「・・・」

「どうしましたか?」

獅子丸「いや、久しぶりに笑顔みたなと思って、かわいいな」

「フフフ」

そう、僕は笑えるようになったのだ
今までは笑顔になるようなことがなかった
笑えなかった・・・
でも、今は笑える。笑顔っていいね

「早く食堂いきましょう!」

僕は獅子丸先輩の手を引いた

獅子丸「わかったwわかったからw」

僕たちは食堂に向かった
そこにはみんながいた
一週間ぶりのみんな
なんかすごく懐かしい気がする

「おはようございます!」

僕は笑顔であいさつをした
みんな驚いていた
でも、笑顔になりあいさつを返してくれた

寮長「おお!笑顔かわいいな~食べたくなる!」

獅子丸「ダメです!」

獅子丸先輩は僕を後ろから抱きしめながら熊岡先輩に言った

寮長「冗談だw冗談w」

獅子丸先輩はすこし機嫌悪そうだった
僕は先輩の手を握った
そしたら機嫌がよさそうな顔になった

犬山「おうおう!見せつけてくれるな~」

獅子丸「茶化すな」

そんなやり取りをしてから僕は豹谷と狼里の座っているところに座った

「おはよう!」

狼里「おはよう!いい笑顔だね!素敵だよ!」

豹谷「お、おはよう・・・」

豹谷は気まずそうに挨拶をしてきた
僕の半袖の左腕からはあの時の爪痕が見えていた
それを気にしているのかチラチラみている

「気になる?」

豹谷「え、あ、すまない・・・」

「・・・この傷・・・たぶんずっと残るって言われた・・・」

豹谷「すまない・・・」

「胸にも残ってる・・・これも消えないだろうって」

豹谷「す、すま、ない・・・」

豹谷は泣き出してしまった
責めるつもりはない
でも、豹谷は苦しんでいるのだろう・・・

「でも、この傷、気に入ってるよ?」

豹谷「え?」

周りのみんなもこちらを見た

「だって、これは友情の絆ってやつだと思う。」

僕は思ってることを全部豹谷に伝えた
伝えたいと思った

「たしかに、痛かった・・・でも、やりたくてやったわけじゃないし、あれは仕方なかったことだから。この傷を見るたびに豹谷が僕を思ってるって気がする・・・だから、僕はこの傷を気に入ってる」

豹谷「・・・無理に慰めなくても・・・」

「慰めてないよ?僕は思ったことを言っただけ」

豹谷「う・・・うぅ・・・」

「もう自分を責めるのはやめて?僕は豹谷の笑顔が好きなんだから!だから、笑ってよ!」

豹谷「でも・・・・」

「でも、は無し!大切な友達の泣き顔なんてみたくない」

そういうと豹谷は涙を拭き笑顔になった
僕もその笑顔をみて笑顔で返す

豹谷「ありがとう!」

「どういたしまして!」

狼里「そろそろご飯食べない?腹減ったんだけど?」

そうして僕たちはご飯を食べた
食べ終え部屋にもどった僕と獅子丸先輩

獅子丸「よかったな。仲直りできて」

「はい!」

そのまま僕はベッドに押し倒された

「もう発情期じゃないですよ?」

獅子丸「関係ない。俺はお前とセックスがしたいからするんだ。」

「でも、明日から学校が始まりますし、色々準備・・」

獅子丸先輩は僕の言葉を遮りキスをしてきた

獅子丸「準備なら午後からでいいだろう?明日からは夜しか会えないんだ・・・今のうちにお前を感じたい・・・」

本当に・・・獣人は・・・
そう思いながらもうれしく思う自分もやっぱり半分獣人なんだなって思った

お昼ご飯を食べ終え、必要なものを買いに行こう・・・としたのだが
獅子丸先輩がなぜかついてくると言ってきた

「なんで、ついて来たんですか?」

獅子丸「俺も必要な物があるし、ちょうどいいだろう」

新学期が始まるから色々必要なのか
でもしっぽがずいぶん揺れている
ちょっと触ってみたい・・・
でも今は買い物優先だ

そして僕たちはショッピングモールに着いた
必要なものは・・・

「これってどこで買えますか?」

僕は先輩にメモを見せた

獅子丸「ああ、これなら文房具店で買えるものばかりだ。こっちだ」

そういうと先輩は僕の手を引いた
ていうか恋人繋ぎをしている
うれしいけど周りの人がみてくる・・・

文房具店についた
いろんな物があってどこになにがあるのかわからない・・・
先輩は僕のメモを見ながらかごに次々入れていく
さすが2年生って感じ

お会計を済ませお店を出たらあの時のヤンキーのひとりと出くわした

ヤンキー「あ!お前はあの時の人間!!」

「あ・・・」

そういうと僕の胸倉を掴んできた

「!?」

その時獅子丸先輩がヤンキーの腕を掴んだ

獅子丸「おい、こいつに手をだすな・・・」

先輩の目はとても怖かった
ヤンキーもその目を見て先輩のことを思い出したようだ

ヤンキー「おおおおお、お前は!!!」

獅子丸「また痛い思いがしたいのか?それとも、この間よりもっと痛い思いが望みか?」

ヤンキーは悲鳴をあげて逃げていった

獅子丸「たく・・・なんなんだよ・・・大丈夫か?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

それにしても先輩に怖いものはないのかな?

「先輩って怖い物とかないんですか?」

気になったから聞いてみた

獅子丸「・・・あるけど、言わない」

あるんだ・・・それはそうか・・・ないわけないか
まぁ、買い物も終わったしそろそろ帰ろうかな

「帰りましょう!」

獅子丸「おう」

そういうとモールからでた
しばらく歩いているとヤンキーの集団に囲まれた

獅子丸「お前ら・・・なにもんだ・・・」

そこにはさっきのヤンキーもいた

ヤンキー「兄貴!こいつです!こいつが俺たちをコケにしたライオンです!」

兄貴「ほう・・・珍しい人間もいるじゃねぇか・・・それに・・・」

そういうと兄貴って呼ばれた獣人が僕の匂いを嗅いできた
先輩が盾になって守ってくれた

獅子丸「こいつに触んな!」

兄貴「この人間・・・へへ。こっちに連れてこい!」

そういうとヤンキーたちが僕と先輩を後ろから押してある倉庫みたいなところへ連れてきた

兄貴「へへへ、ここなら叫ぼうが鳴こうが誰もこねぇ・・・」

そういうと獅子丸先輩の頭をヤンキーが後ろから殴った

獅子丸「うっ!」

「先輩!」

僕が先輩に駆け寄ろうとしたら兄貴って人に腕を掴まれて
汚いソファに押し倒してきた

兄貴「お前・・・オメガだろう?」

「!!」

なんで知ってるの?

兄貴「図星だな!それも発情期が終わったばかりだな・・・」

なんでそこまでわかるの?
匂いはしないはずなのに・・・

兄貴「俺、狼と犬のハーフでよ。匂いには誰よりも敏感なんだよ。」

そういうと僕の両手を片手でつかんでもう片方の手で服を捲ってきた

「やめて!!離せ!!」

兄貴「暴れるなよ。ケガするぜ?」

獅子丸「そいつに手をだすな!!!」

獅子丸先輩は大勢に押さえられていて動けないみたいだ
そして服を脱がされてしまった
胸から左肩にかけて爪痕が残っていてそれをみた兄貴は

兄貴「ほう・・・これは・・・あのライオンが?」

「違う!!」

兄貴「じゃあ、ほかのやつかwほんとオメガって淫乱だなw」

なにを言ってるんだ
確かにオメガは人によってはいろんな人とやりまくるが、僕はそんなことしない!

兄貴「発情期じゃないのが残念だが、まぁいい、人間とやってみたかったしついでにオメガなんてラッキーだな!」

子分「いいな~兄貴は」

兄貴「俺が満足したらお前らにもやれせてやるから待ってろ!」

そういうとズボンに手かかけて脱がしてきた

「やめて!!!さわるな!!」

兄貴「おお!いいね~俺のツボを心得てるね~もっと嫌がっていいぞ?」

獅子丸「てめぇ!!ぜってぇ殺す!!!」

兄貴「ん?お前、こいつと番か?それともセフレ?」

兄貴は獅子丸を見ながら聞いた
先輩は答えようとしたが

兄貴「ま、どちらでもいいけどな!番ならもっと興奮するし!」

兄貴はズボンとパンツを脱いだ
そこにはすごく大きなものがあった

兄貴「すげぇだろ?なかなかお目にかかれない代物だぞ?これから俺のものにしてやるからな。」

そういうと僕のお尻に当ててきた

「いやだ!!!!入らない!!!」

兄貴は体重を乗せてきた
そして奥まで入れてきた

「いっ!!!」

すごい激痛が走る
たぶん切れたかもしれない

兄貴「ん?案外すんなり入ったな・・・もしかしてお前さっきまでやってたのか?」

「い・・・痛い・・・」

兄貴「ま、すんなり入ったならそれはそれでいいか!」

そういうと乱暴に腰を振り始めた
すごく痛い・・・気持ち悪い・・・苦しい
先輩とやった時はすごく気持ちよかったのに・・・
全然気持ちよくない

兄貴「いてぇのは最初だけだ・・・すぐ天国に行かせてやるからよ!」

いやだ・・・いやだ!!!先輩以外のは受け入れたくない!!
もう・・・やめて・・・

兄貴「あ~やべっ・・・もうイきそう・・・生だけどこのまま出していいよな?」

「!!ダメ!!やめて!!!」

兄貴「拒否権はねぇよ!じゃあ、まずは一発目っと!」

そして僕は中に出されてしまった・・・

「う・・・・うぅ・・・」

もう・・・泣くしかなかった・・・
獅子丸先輩・・・ごめんなさい・・・

兄貴「ふぅ~人間は柔らかくて最高だな・・・もう一発やっとくか!」

獅子丸「・・・殺す・・・てめぇら全員殺してやる!!!!」

そう叫んだとき天窓から獣人が飛び降りてきた
その獣人は喫茶店のマスターだった

マスター「おいおい、誠・・・お前・・・本気だせよな」

兄貴「てめぇ!だれだ!!」

マスター「ああこれは失礼。俺はある喫茶店のマスターです。以後お見知りおきを」

兄貴「喫茶店のマスターだ?」

マスター「はい。そこに転がっている獣人の父親です。」

マスターの顔は喫茶店のときの顔とは違った
金色の目は赤色になっていて雰囲気はどこか殺気のような感じがしていた

獅子丸「父さん・・・」

マスター「誠・・・お前・・・なんで戦わない?」

獅子丸「・・・」

マスター「晴斗くんのこと、大切に思うなら戦え!」

獅子丸「・・・」

マスター「お前は俺の・・・『俊足の獣王』の息子だ・・・」

それを聞いた兄貴は慌てだした

兄貴「俊足の獣王!?!?伝説の殺し屋の!?!?!」

マスター「おや?俺のことを知っているのかい?」

兄貴「一人で組を滅ぼした伝説の殺し屋・・・でも、いきなり姿をくらましたって・・・」

マスター「俺にも大切なやつができたからね」

マスターは怖い笑みを浮かべて言った

マスター「自分の本当の姿を見せるのが怖いのか?」

獅子丸「・・・」

マスター「それを隠して大切なもの一つ守れないでいいのか?」

獅子丸「・・・」

マスター「お前がそれでいいなら俺は止めない・・・でも好きなやつを守るためなら何でもする。それも本当の愛って奴だろう」

獅子丸「っ!」

獅子丸先輩の雰囲気が変わった
そして

獅子丸「一ノ瀬・・・すまない・・・これが俺の本当の・・・姿だ!!」

そういうと押さえつけているやつらを全員持ち上げ投げ飛ばした
先輩の目は赤くなっていた

獅子丸「俺は総合武道大会チャンピオン。獅子丸 誠だ!」

兄貴「!!!獅子丸誠!?嘘だろう!!!」

獅子丸「死ぬ覚悟はできてるんだろうな!!」

そういうとすごいスピードで兄貴に接近すると一発お腹に食らわせた
兄貴はその勢いで壁まで吹っ飛んでいった
それでも先輩は止まらなかった
何発も殴りつけていた

マスター「晴斗くん、大丈夫かい?」

「はい・・・でも・・・」

僕はお尻を押さえた
マスターは察したみたいだ

マスター「・・・つらかったね・・・もう少し早く来れればよかった・・・」

「いえ・・・」

獅子丸先輩は兄貴をボコボコにしている
気を失っているのか兄貴の反応はないみたいだ

マスター「誠!もういいだろう!!」

その言葉を聞いて我に返った獅子丸先輩
兄貴を放り投げると僕のほうに駆け寄ってきた

獅子丸「一ノ瀬!!!」

先輩の目には涙が浮かんでいた
今は赤い目ではなく、きれいな茶色の目をしていた

獅子丸「ごめん・・・ごめん・・・」

マスター「とりあえず、ここを離れよう・・・」

それを聞くと先輩は僕を抱きかかえて獅子丸先輩の家に向かった




~マスター視点~
(ん?この匂いは・・・晴斗くん?)

やさしい匂いが鼻を通る
あの時、誠が連れてきた人間の子の匂いだ

(こっちから匂いがする・・・こっちってヤンキーがたむろしてる倉庫があったはず・・・)

なんかすごく嫌な予感がする・・・
入口はふさがれてる・・・
窓もない・・・
じゃあ、屋根に行ってみるか
俺は屋根に登った

何年ぶりだろう・・・こうして屋根を登ったのは・・・懐かしいな
お!天窓がある
俺は中を覗いた
そこには何人ものヤンキーらしき人たちが複数とあれは・・・晴斗くんと・・・誠?
なんで誠が?てか、晴斗と狼の獣人が裸・・・まさか!
そう思ったらいてもたってもいられなくなり、天窓から飛び降りた
さすがに全員驚いているな

俺は周りを見渡し状況を確認する
誠が何人ものヤンキーに押さえつけられている・・・晴斗くんは泣いている・・・そして、狼獣人のものが晴斗くんのお尻に入っている・・・
うん。状況は理解した
でも、なんで誠が大人しく押さえられているんだ?

「おいおい、誠・・・お前・・・本気だせよな」

兄貴「てめぇ!だれだ!!」

その言葉久しぶりに聞いたな

「ああこれは失礼。俺はある喫茶店のマスターです。以後お見知りおきを」

兄貴「喫茶店のマスターだ?」

「はい。そこに転がっている獣人の父親です。」

晴斗くんと目があった
怖がっている顔をしている
こんな状況じゃ怖いよな

誠「父さん・・・」

誠はなんで大人しくしてるんだ?

「誠・・・お前・・・なんで戦わない?」

誠「・・・」

なぜ黙る?

「晴斗くんのこと、大切に思うなら戦え!」

誠「・・・」

もしかして気にしてるのか?

「お前は俺の・・・『俊足の獣王』の息子だ・・・」

兄貴「俊足の獣王!?!?伝説の殺し屋の!?!?!」

へぇ~今の若者が俺のこと知ってるなんて意外だな

「おや?俺のことを知っているのかい?」

兄貴「一人で組を滅ぼした伝説の殺し屋・・・でも、いきなり姿をくらましたって・・・」

いきなりではないが、ま、いいか

「俺にも大切なやつができたからね」

誠にとって晴斗くんは大切な存在じゃないのか?
やはり、本当の姿を見せるのが怖いのか・・・

「自分の本当の姿を見せるのが怖いのか?」

誠「・・・」

「それを隠して大切なもの一つ守れないでいいのか?」

誠「・・・」

「お前がそれでいいなら俺は止めない・・・でも好きなやつを守るためなら何でもする。それも本当の愛って奴だろう」

誠「っ!」

誠のスイッチが入ったみたいだな

誠「一ノ瀬・・・すまない・・・これが俺の本当の・・・姿だ!!」

ほう・・・何人ものヤンキーを持ち上げるとは・・・わが子ながら感心だな

誠「俺は総合武道大会チャンピオン。獅子丸 誠だ!」

兄貴「!!!獅子丸誠!?嘘だろう!!!」

「死ぬ覚悟はできてるんだろうな!!」

殺しはまずいがお灸をすえるにはいい薬か・・・
それより晴斗くんだ

「晴斗くん、大丈夫かい?」

「はい・・・でも・・・」

ん?
お尻を押さえてる?
あ・・・そうか・・・くっ・・・

「・・・つらかったね・・・もう少し早く来れればよかった・・・」

「いえ・・・」

辛くないわけない・・・本当にこの子は強いな・・・
誠は怒りに任せてリーダーをボコ殴りか・・・
そろそろ止めないといろいろまずいか

「誠!もういいだろう!!」

誠は我にかえったみたいだ
目の色がもとに戻っている

誠「一ノ瀬!!!」

誠が泣いている?
初めてみた・・・
それだけ大切な存在なのか

誠「ごめん・・・ごめん・・・」

「とりあえず、ここを離れよう・・・」

ここからなら寮より家のほうが近いだろう

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